どらまろぐ ~テキストの洪水に溺れる者~

テレビのドラマ番組などを中心に、キーワード研究のためテキスト解析をしています。出現頻度の高いキーワードと共に、関連商品や番組情報(ネタバレ注意!)をまとめたブログです。

anone #10 最終回 ドラマのあらすじ・キャストは?(見逃した方はネタバレ注意)

『anone#10』のキーワード出現数BEST10

  1. 中世古 26
  2. 陽人 23
  3. 持本 16
  4. 彦星 15
  5. 亜乃音 13
  6. ハリカ 12
  7. 鈴村 10
  8. 青羽 9
  9. 有紗 8
  10. リポーター 7

『anone#10』の番組内容&EPG情報の引用(ネタバレ注意!)

(青島陽人) 僕が火事したの?

僕が先生の手紙 燃やしたから
隣のおじさん 死んだの?

(陽人) 中世古君 どこ行くの?

(中世古理市) 陽人は…。

♬~

♬~

♬~

 

最終回!すべての物語は、この結末のためにあった!

詳細情報
出演者
広瀬すず小林聡美阿部サダヲ清水尋也江口のりこ瑛太火野正平、田中裕子 ほか
番組内容
一片のニセ札を見つけられ、警察に連行された亜乃音のその後は…。悲しい嘘で別れを告げたハリカ(広瀬すず)と彦星(清水尋也)はこのまま悲恋に終わるのか…。ニセ札を持って逃亡を図った中世古(瑛太)の行方は…。持本(阿部サダヲ)のわずかな余命、それを看取る決意をした青羽(小林聡美)、ふたりの運命は…。すべての物語は、この結末のためにあった。
監督・演出
【演出】水田伸生
【プロデューサー】次屋尚
原作・脚本
【脚本】坂元裕二
音楽
【音楽】三宅一徳
制作
【製作著作】日本テレビ
【制作協力】ザ・ワークス

 

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♬~ (猫の鳴き声)

♬~

(辻沢ハリカ) ただいま。

♬~

♬~

♬~

♬~

♬~ (泣き声)

♬~


(箕輪) 誰かいます。
(和田) そうか。

(チャイム)

はい。

(持本) 動いてます?

(青羽るい子) バスの中だよ。
あ…。

あっ 病院は やめてください
病院行くと名言聞かされるんで。

病院は行かないよ
温泉行くの 温泉。

あれ? 青羽さん 何か今日
優しい感じっすか?

たまに優しいからいいのよ。

痛たたた…。
どうした? どこ痛い? 大丈夫?

足 踏んでます。
うぇっ! あっ ごめん。

(チャイム)

あ… こんにちは。

陽人くんは?

(青島 玲) 寝てますけど。

あの 猫 大丈夫ですか?

はい?

亜乃音さんが
かわいがってたコです。

何で私が?
これから

いろいろあると思いますけど
亜乃音さんは…。

おかあさんは

いつも 玲さんと陽人くんのこと
思ってました。

えっ 何が?
これ。

このコ これが一番好きな種類で。

よろしくお願いします。

これ短くない? 絶対短いよね。

さっき
値切ったからじゃないですか?

温泉って値切ると
裾が短くなる料金システム?

お湯も きっと
35℃ぐらいしか出ないですよ。

ほら 冷蔵庫も空っぽ。

卓球ありましたよ 卓球。


(キャスター)
火山ガスに注意するとともに

火山灰が降り積もった地域では…。

持本さん。

あっ…。

お風呂どうでした?
うん いいお湯でしたよ。


(キャスター) 神奈川県警は昨日

偽造紙幣を製造していたと
みられる印刷工場の

家宅捜索を行いました。


捜索を受けたのは
神奈川県柘市の印刷工場です。


工場からは
偽造紙幣の一部が発見され

警察は この工場に住む
林田亜乃音容疑者 62歳を

通貨偽造の疑いで逮捕しました。


また この工場には

複数の人物が出入りしていた
という目撃情報もあり

警察は 工場にいた住所不定の…。

(持本) 僕らも戻りませんか?

僕らだけ逃げてるなんて…。
ヤダ。

捕まったら あんたと
離れることになるでしょ。

(花房万平) 元気ですか?

(花房) 今日はね ちょっと
風が強いですけど いい天気です。

桜も かわいいつぼみが
ポツポツありました。

(林田亜乃音)
じゃあ先生 私は結構ですから

お花見なさって来てください。

他の弁護士なんかに
預けられません。

まずは

動機から お聞かせ願えますか?

先生 ハリカちゃんは?

(花房の声)
彼女は鑑別所に入りました。

(花房の声)
他の3人も逃亡中です。

間もなく
指名手配が打たれるでしょう。

≪えっ ノダサトシ
不倫してたの!? マジか!≫

≪誰?≫
≪はっ? 知らんの?≫

≪イケメンやん めっちゃ≫
≪え~ タイプじゃ ない≫

≪う~わ
めっちゃイケメンだから≫

(有紗) ハズレ? ハズレか!?

ハズレじゃん!
えっ えっ。

(有紗) マジか マジか
マジ ヤバいんだけど!

有紗
ハズレ~!

久しぶり。
(有紗) ねぇ 何やったの?

ん~ まぁ いろいろと。

ん? 有紗…。

気付いた?
差し歯 入りました~!


(女性アナウンサー) 偽札工場の毒婦
林田亜乃音容疑者。


(男性アナウンサー)
神奈川県柘市の印刷工場で
偽札を製造していた疑いで…。

(有紗)
何 この怖い… 知ってる人?

こういう人じゃ ない。

亜乃音さんは
こういう人じゃ ない。

(教官) ≪辻沢さん≫

(教官) はい。

(有紗) 何? 何 何 何…?
何でもない。

何でもないって言う時は
何かある時!

うるさい! うるさいうるさい…!
あっち行って。

有紗

(彦星の声) 「辻沢ハリカ様。

突然のお便り ごめんなさい。

と言っても
手紙を書き始めた今の時点で

君はニュースの中にいる
19歳の女性で

僕には この手紙をどこに
出せばいいのか分かりません。

ニュースを見て以来
ずっと考え続けて

出した答えを まずは
書き連ねてみようと思うのです」。

(彦星の声) 「君は あの日
この病室で嘘をつきました。

心のこもった嘘をつきました」。

(彦星の声)
「だから 僕はその嘘に応えます。

香澄茉歩さんの
ご両親から借りたお金で

転院します。

九州にある病院で
先進治療を受けます。

何よりも 生きて帰って来ること。

それが 君がしようと
してくれたことに報いる

たった一つの方法なのだと
思います。

今日から僕は
毎日 君に手紙を書きます。

外の世界の出来事を伝えます。

それでは まず
この手紙の送り先が

無事見つかることを
祈っていてください」。

(ハリカの声) 「残念ですが
届くことを祈る前に

手紙が届いてしまいました。

彦星君の決断

何度も読み返しました。

ありがとう。

ありがとう。

これ 最高のプレゼントです」。

(彦星の声) 「今日 生まれて初めて
飛行機に乗りました。

座席に謎のボタンがあって

両隣の人達と
3人で押してみたら

頭上から風が吹いて
3人同時にゾワッとなりました」。

「なんと 新しい病院の
看護師さんの名前が

織田さんと徳川さんでした。

さすがに 豊臣さんは
いないだろうと思ってたら

先生の名前が木下さんでした。

3人の性格については
これから調査します」。

(彦星の声) 「残念ながら
徳川さんは せっかちでした。

1回押せばいい自販機のボタンを
何回も押してます。

織田さんは面白い方で
お見舞いに来た子供さんに

プーさんの写真をあげてと
頼まれたのを聞き違え

プーチンさんの写真を
あげてしまいました。

子供さんは泣いていました」。

(彦星の声) 「主治医の先生は
とてもいい数値が出ているよと

話してくれました。

最近 父や母とも
仲良くできています。

いろんなことが
うまく行ってる気がします」。

(彦星) よろしくお願いします。

(彦星の声) 「ハリカちゃん

上手く行けば上手く行くほど

君から遠ざかっている気がします。

それはもう 決めたことだけど

僕の行く先に
君がいないってことを

あらためて思います」。

(ハリカの声) 「私は元気です。

彦星君の行く先には
未来があります。

そこに私がいるかどうかなんて
私には ささいなことです。

どうか 治療に専念してください」。

(ハリカの声) 「何もかも
うまく行き続けることを

願っています」。

♬~


(鍵を開ける音)

ただいま。
おかえり。

今日は体調良さそうだね
顔色もいいし。

でしょ? 調子いいんですよ。

おっ 新作ですか。

あっ。

ちょうど ここに

赤が欲しかったんです。

亜乃音さん 裁判始まるみたい。

中世古理市は
行方不明のままだし

結局全部 一人で
引き受けさせちゃった。

おっ すごい 全部食べた。

はい。

おっと。

ごめんなさい。

わざとじゃないの?

わざとじゃ…。
フフ。

わざとかな。

ちょっとだけ

このままにしてていいですか?

いいですよ。

恐縮っす。

今日

僕 元気そうでしょ?

うん 元気そう。

何かね

このまま治っちゃうんじゃ
ないかなって思って。

治るんだよ。
(持本) でしょ?

明日

明日 朝起きて
このまま元気だったら

どっか行きませんか?

明日。

どっか… 山とか。

山ですか。
アジサイのね

アジサイのを

あの辺に

何枚かあったらいいなって思って。

花摘みですか。

(持本) スイカズラ

アヤメ。

ヒトリシズカ

キキョウ。

スミレ。

ハルジオン。

小学校の遠足以来です。

行きましょうよ。

おそばとか食べて
おまんじゅう食べて。

楽しみだな。

楽しみだね。

(持本) 僕…

諦めてませんよ。

うん。

諦めてませんから あと

50年 生きますから。

OK。

幸せにしますから。

頼んだ。

絶対 離しませんからね。

ホントですから。

ちょっと寝ますけど…。

すぐ起きますから。

あんたは すごい。

すごいよ。

カッコいい。

世界一カッコいいよ。

こんないい男いない。

(歯磨きをする音)


(男性アナウンサー)
続いてのニュースですが

なんと 紙幣偽造の罪で逃亡中の
持本容疑者が

以前 テレビに出演していた際の
映像が発見されたんです。


まずは そちらのVTR
ご覧ください。


(女性アナウンサー) 横浜中央テレビの
バラエティー番組のインタビューに答える

持本容疑者。


(リポーター) 色は?


若草色。

ほら 言わんこっちゃない。


自分を色で?


グレー 灰色 ねずみ色か?
アッハハハ…。

バカなんだから もう。

(持本) 参ったなぁ。


(リポーター) 次は もっと面白いこと
言ってくれるかな?


頑張ります。

(リポーター) あと7問ですよ。

えっ?


(リポーター)
好きな人を色で例えると?

青羽。

(リポーター) はい?

(持本) 青羽。

(リポーター) 色で。


(持本) 色で? あっ 色で。


あっ 青羽さんの青です 青。


(リポーター)
じゃあ 今まで経験した中で

一番悲しい出来事を
色で例えると?

♬~

♬~ (泣き声)


(アナウンサー) 通貨偽造の疑いで
全国に指名手配されていたのは

持本 舵容疑者と
海野るい子容疑者です。


警察によりますと2人は

現在 裁判中の
林田亜乃音被告と共に

偽一万円札を製造した疑いが
持たれています。


昨日 午後4時すぎ

海野容疑者が警察に出頭し
逮捕されたということです。


持本容疑者は昨日

海野容疑者と共に潜伏していた
都内のアパートで病死していて

警察は 被疑者死亡のまま
書類送検する方針です。

あとは 中世古理市の行方が
分かることと

亜乃音さん

あなたが本当のことを
話してくれたら…。

お金目的で しただけのことです。

そんな人じゃないでしょう。

そんなこと言ってたら

主犯として
求刑が長引くばっかりです。

構いません。

私は罰を受けます。

(花房) 亜乃音さん。

ありがとうございました。

(ドアの開閉音)

(セミの鳴き声)
(足音)

(鍵が開く音)

(鈴村) 辻沢さん 面会です。


(鈴村) 入って。

(鈴村) 弁護士さんの計らいで
面会できることになったの。

ごめんなさい 暑かったね~。

座って。

あっ ちょっと待って。

(鈴村) 座って。


(鈴村) 30分だからね。

はい。
はい。

どうも。

びっくりした。

(彦星) そうだよね。

えっ 九州って…。

病院?

退院した。

退院?

いったん うん…。

レーザーの治療が
2クールあって

それが終わって
先週 検査結果が出て。

今のところ いったん
腫瘍 消えてて。

(彦星) もちろん これから
まだ それで済むわけじゃなくて

まだまだ
いろいろあるんだけど。

いったん退院して でも

今のところ
ウソみたいに消えました。

(彦星) えっと…。

いったん?

(彦星) うん。

いったん

退院 おめでとうございます。

ありがとう。

そっか そっか。

よかったですね。

徳川さん 元気?

えっ…。

あっ 看護師さん?

自販機…。

バンバン押してる。
フフ…。

何でも 何回も
エレベーターのボタンも。

でも

私も時々しちゃう。

(彦星) するする。

寿さんは 「好きなスポーツは
何ですか?」って聞かれたら

何か ぬるぬる棒登りだって。

ぬるぬる棒登り?

うん インドネシアのスポーツで

油で ぬるぬるの棒を登って
競争するんだって。

何それ やってみたい。

そう
すごくやってみたいんだよね。

宇宙飛行士の人が言ってて
宇宙の匂いって…。

えっ 宇宙って匂えるの?

宇宙出て 戻って来たら
宇宙服に匂い付いてて。

あ~。

匂ったら 牛肉のたたきの
匂いだったって。

えぇ? 牛肉?
(彦星) ハハハ…。

置いてあったエビパンを
みんなで食べちゃったら

青羽さん すごい怒って。

そしたら 私のエビパンを…。

(鈴村) 時間… だね。

エビパンの話で終わっちゃった。

これから 家?

香澄さんの家で
お世話になります。

そっか。

(彦星) 香澄さんのお父さん
すごく良くしてくださって。

よかった。

うん。

じゃあ…。

どうも ありがとう。

久しぶりに会えてよかった。


(鈴村) 幼なじみ?

はい。

(鈴村)
あなたも来月には出られるし

また会えるでしょ。

もう会いません。

人生ってね やり直せるんだよ。

想像…。
(鈴村) うん?

想像してみたりすることは
あります。

あの時 もし…って。

(ハリカの声)
もし ちょっと違ってたら

どうなってたかなって。

子供の頃
2人で逃げ出したことがあって。

それが

成功してたら
どうなってたかなって。

うん。

でも それは なかったから。

ここが 今の

自分だから。

(鈴村) そう。

(鍵を掛ける音)

♬~

♬~

♬~

♬~

(花房三太郎) 親父も焦ってる
林田さんが何も話さないから

工場の持ち主だってことで
主犯になってしまうんだ。

彼は今も
偽札を使いながら逃げてる。

逃げてるんじゃないと思います。

えっ?

あの人

偽札を使った人に
会ったことがあるって

言ってました。

多分 その人と
同じことをしてるんです。

何のために?

誰かに
与えられたものじゃなくて

自分のルールで生きてるんだって。

それが 自由だって。


(アナウンサー) 東京都内の飲食店で
また偽一万円札が見つかりました。


これで これまでに発見された
偽造一万円札は

189枚となりました。


こちらは 都内の
コンビニエンスストアで撮影された

防犯カメラの映像です。

(客) 2つで大丈夫です。

(店員) じゃあ 265円ですね。

(店員) 260円になります。

(店員) いらっしゃいませ。

はい 180円ね。

(玲の声) 中世古さんが
最後に話したのは

陽人です。

陽人くん 何て?

それ以来 陽人
ずっと 部屋で絵を描いてて。

今は もう
学校にも行かなくなったの。

(玲の声)
部屋から出ようとしないし

病院に連れて行こうとしても
嫌がって。

(ハリカの声) 中世古さんが
陽人くんに 何か言ったとか。

(玲の声) 分かりません。

でも その前から
様子は変だったんです。

何年も前の火事の話をしたり。

何か

中世古さんの居場所が
分かることとか…。

(店員) イチゴ 380円。

はい 1万円お預かり。

(ハリカの声) あの 今度 私
陽人くんに会いに行っても…。

(玲の声) あっ…。

時々 無言電話がある。

私が出ると
すぐに切れるんだけど

陽人が出た時は
なかなか切れなくて。

≪ちょっと すいません≫

(警察官) ちょっと君
マスク外してもらえるかな?

(中世古) はい?
(警察官) マスク外して。

(中世古) あぁ はい いいっすよ。

(警察官) 痛っ… おい こら!

至急 至急
現在 逃亡事件発生。

男 1名駆け足にて
駅方向に逃走中。

至急 応援願いたい。

おい 待て!

(警察官) 待て!

(女性) キャ~!

ごめんなさい すいません…
おい!

≪行こう 行こう 行こうよ
マジ行こうよ≫

≪行ってくれないんだったら
こんな動きしちゃうよ≫

≪行かないよね~≫
≪何で いいじゃん…≫

(中世古) 痛っ…。

(中世古) うっ…。

(呼び出し音)

(陽人) はい もしもし。

(陽人) もしもし 誰ですか?

もしもし 誰ですか?

中世古さん。

中世古さんでしょ?
辻沢ハリカです 切らないで。

中世古さん
私 あの時は黙ってましたけど

あの偽札が使える両替機
知ってます。

中世古さんの作った偽札
間違ってなかったんですよ。

試してみたいと思いませんか?

(中世古) どこ?

 

(お札が返却される音)

機械も通せたし
もう満足ですよね?

自首してください。

亜乃音さん
ずっと黙ってるんです。

陽人くんのこと
あなたに脅迫されてたこと。

このままだと 亜乃音さん…。

(中世古) 刑務所で
死ぬことになっちゃうか。

通報すれば?

自首したほうが
刑が軽くなるって…。

何で?
「何で」って…。

誰?

中世古さんは誰ですか?

(中世古) 君 親いないんだっけ?

はい。
何で?

(中世古)
聞かれたくない事情がある?

(中世古)
思い出したくない事情があるの?

捨てられました。

へぇ~。

悲しかった?

悲しかったですよ 多分。

今は?

今?
うん。

そうですね…。

今も。
へぇ~。

生きてんの つらくないの?

どうやって息してんの?

つらいですよ。

息しづらいですよ。

ふ~ん。
何ですか?

何でそんなこと聞くんですか?

他の人は どうしてんのかなと
思って。

へぇ…。

そういう人間はさ

この世界を恨む権利
っていうのがあって…。

もう忘れたもん。
忘れたって…。

でも 亜乃音さんもそうだけど

青羽さんも
持本さんもそうだけど

誰も
誰かを恨んだりなんかしてない。

つらいからって
つらい人がつらい人 傷つけるの

そんなの一番くだらない
バカみたい。

バカだよ!

(中世古) 痛っ…。
あっ ごめんなさい。

痛い?

弟は もっと痛かった。

俺は逃げて 転んだだけ。

あの時も 今日も。

あぁ…。

陽人に会いたい。

自首する前に

陽人に会わせてよ。

(中世古) 陽人さぁ

俺がいなくなる前
何か言おうとしてたろ。

(中世古) ん?
(陽人) いい。

(中世古) 「いい」って?
(陽人) いい!

(中世古) ごめん。

ほったらかして行っちゃって
ホントにごめん。

いいよ。

(陽人) 前さ お家がさ
火事になったでしょ?

(中世古) うん。

(陽人) 僕さ 先生の手紙
ゴミ箱に捨てたの。

(中世古) うん。

おじいちゃんの
赤いライターがあってさ。

僕 赤いライターでさ…。

(中世古)
そんなライターなかったよ。

あったよ。

赤いライターなんてなかった。

おじいちゃんが持ってたのは

青いライター。

青?
うん 青だったし

それも 俺が持って帰った。

持って帰ったの?
うん…。

陽人は小さかったから

テレビで見たのと混ざって
覚えちゃったんじゃないかなぁ。

人間の記憶って

ウソをつくことがあるんだよ。

じゃあ 何で火事になったの?

俺が火を付けたからだよ。

何で?

隣のおとうさん
悪い人だったろ?

子供を殴ったりしてさ
ひどいことしてたろ?

ああいう人は
いなくなればいいから

俺がいなくした。

ずっと そうしたかったんだよ。

それは… いいこと?

悪いことだよ。

悪い人をいなくするために
悪いことをしたんだよ。

でも 陽人には関係ない。

関係ないから。


これ 陽人にあげるよ。

カラス?
うん 弟がくれたんだよ。

中世古君 弟いるの?
うん いた。

俺が9歳で

弟は8歳だった。

弟 僕と一緒だね。

うん。

一緒だったんだよ。

ありがとう。

(中世古) フフ…。

♬~

♬~

自首するって約束でしたよね?

(亜乃音の声) たくさん
ご迷惑をお掛けしました。

お母さん…。

フッ… 何だっけ?

忘れちゃった 何 話すのか。

たくさん考えて来たんだけど…。

(玲) えっとね

えっと…。

うん。

うん…。

うん… 何だっけ?

玲ちゃん…。

(玲) うん?

かゆいの?

違う。
(玲) 何?

あっ…。

あっ 家から これで来ちゃった。

フフ…。

フフフ…。

ハハ…。

バカねぇ ハハハハハ…。

(猫の鳴き声)

あっ ごめん お水ないね
ちょっと待ってね。

(猫の鳴き声)

よいしょ…。

よし。

♬~

はい。


22歳にしては

あんまり 背 伸びてないね。

大人だから伸びないよ。

もともと 小さくないし。

駅 どっち?

こっち。

青羽さん 元気?

レジの仕事してる。

へぇ~。

おかえり。

ただいま。

あっ 帰ったら
びっくりすることあるよ。

何?
びっくりなんかしたくないよ。

青羽さんいたの
栃木のほうでしょ?

栃木のほうが出るもの
おいしいらしいですよ。

そうなの~?
五元豚のトンカツが出ました。

ズルい!
ねぇ~。

2人とも 荷物 一回置いたら?

フッフフ…。
はいはい エヘヘ。

あっ 亜乃音さん あの その
そこに あの 持本さんが。

えっ えっ?
この辺り?

もうちょっと奥。

ここ?
あっ うん そこ。

持本さん いるそうです。

幽霊なの?

幽霊なの?

自覚はないんですけど

まぁ 客観的に見たら
どう見ても幽霊かなって。

幽霊ですって。
ハハハ…。

へぇ。

亜乃音さん おかえりなさい。

おかえりなさいって言ってます。

あ そう? ただいま。

ハハハ…。
はい。

え? 祟ったりしないものなの?

おいしいのかなぁ?

おいしいんですって。

しらたき 切った?

切ったよ ネギは?
ネギは ここ。

このカニは?

これ カニじゃないです
カニかまぼこです。

これ? かまぼこ?

最近のカニかまぼこは
優秀ですからね~。

へぇ~。
メロンパンもいつか メロンになるかもね。

あっ それお得。
たい焼きも 鯛になって。

メロンパンがメロンになるのはいいけど
たい焼きが鯛になるのは嫌でしょ。

それいうと うぐいすパンなんて
パンが…。

(ハリカ:持本:るい子)ホ~ホケキョ!
ホケキョ。

ん~~~!

子供みたい。

あぁ~ こまめに
干してくれてたんでしょ。

暇だったから。

あぁ… いい匂い!

(足をバタバタする音)

あぁ…。

あのさ。

ここって 私の家?

うん!

いつでも帰って来てもいい所?

ハァ そうですよ。

当たり前でしょ。

そっか~。

何?

私 一人暮らししようと思ってる。

何で?

この2年でお金も貯まってて。

あの子達は ここに
帰って来るかもしれないけど

あなたも一緒に…。
ううん そういうんじゃなくて。

じゃ どういうの?

一人になってみたいの。

あなた ずっと一人で…。
一人になりたいと思って

一人になったことは ないの。

だから 知らない人に会いたいって
思ったこともなかったし

自分から 何かやってみようって
思ったこともなかった。

だから 今度は自分で
自分で決めて

一人になるの。

帰れる場所があるから

もう寂しくないから

自分の力で 頑張ってみたい。

もう~。

娘ができたと思ったら
もう独り立ち?

たまに帰って来るから
娘はかわいいんだよ。

バカ!

痛い 痛~い。

亜乃音さん あっ? 今 テレビで

これから流星群あるって。

流星群?
流れ星。

ウソ。

どっち?
えっと

南? 南って言ってたかな?

南って どっち?

うんと~ あっち南口だから…。

じゃ こっち? こっちのほう?

いや違うよ 南口こっちってことは
こっちじゃん。

こっちか。
こっちでいいの?

こっちでいいのね?

ちょっと待って
北って言ってたかな?

はい?
えっ どっちだっけな?

えっと…。

持本さん!
そういうの分かんないの~?

持本さん 超常現象だし。
僕 超常現象じゃありません。

分かりません。
分かりませんって。

あっ あっ あれあれ… あれは?

あっ!
(4人) あ~!

あ~!