仮想通貨がeスポーツを変える? 新しいトーナメントプラットフォーム「GOL」の事業構想説明会レポート
Tang氏によると,GOLとはブロックチェーン上に築いた分散型のトーナメントプラットフォームだという。利用可能時間は24時間,年中無休。バーチャルロビー内で対戦相手を容易に探すこともできる。
特筆すべきは「リーグ・オブ・レジェンド」「Dota 2」「Counter-Strike: Global Offensive」「PLAYERUNKNOWN’S BATTLEGROUNDS」「Overwatch」などの人気タイトルを数多く取り揃えていることだろう。これらのゲームをプレイすることによって,報酬であるGOLT(GOLトークン)が得られる仕組みになっている。
続いて,現在eスポーツ市場では,アマチュアプレイヤーに対するサービスが行き届いていないとTang氏は指摘した。
GOLの優位点は,プレイヤーが信用できる,完全自動化された透明性の高い分散型プラットフォームであることだという。機械学習と統計的なアプローチによってプレイヤーのマッチングが最適化されているそうだ。また,ゲーム,eスポーツ,テクノロジーなど,さまざまな専門知識とネットワークを有するチームにより,プラットフォームが管理されているのも特徴であるとのこと。
eスポーツは巨大な市場だ。2025年までにはファンが10億人を突破するという予測もあるとTang氏は話す。
実際,eスポーツ市場の売上も急速な動きを見せている。ユーザーがeスポーツに使う金額は,2015年だけでもトータルで3億2500万ドルになるという。2017年には,この売上が2倍以上に伸びており,スポンサーを希望する企業もどんどん増えてきているとのことだ。
現在,一部の人気ゲームだけでも,登録しているプレイヤーは14億人に達する。
もしGOLがワールドワイドに伸びて,その5パーセントだけでも獲得できれば,7000万人の参加を意味する。しかも,このグラフには「PUBG」「フォートナイト」といったタイトルが含まれていない。これを踏まえて,「1年後にGOLがどれだけ伸びているのか,多くの人が想像できるでしょう」とTang氏は話す。
氏によると,GOLはまず,北米やいくつかのアジア諸国で展開されるそうだ。日本に関しては,熱量の高いゲーマーが多いため,アジアの中でも最初のマーケットになるのではないか,とのことだった。
ここでTang氏は,eスポーツが抱える問題点にも言及した。
現在の市場は,主にプロ向けに焦点を当てているため,アマチュアプレイヤーは,高額な賞金が絡むトーナメントについて,自分は関係のないものだと思ってしまう。また賞金に関しても,未払いの問題や,第三者機関の手数料といった問題を抱えており,優勝者への賞金金額が減ってしまうのだ。
トーナメントの詳細は運営会社のコントロール下にあるため,プレイヤーや参加者には決定権がないのも問題だとTang氏は話す。その点GOLは,透明性やしっかりしたガバナンスがあるため,プレイヤーがコントロールでき,そこが大きなメリットであると続けた。
そんなGOLは「アマチュア向けのプラットフォーム」という純粋な形を取っているという。プラットフォームはアマチュアプレイヤーをターゲットとして,プレイヤーはいつでもどこでもトーナメントを作成したり,世界各地から自分の実力に相応しい参加者を見つけ対戦できるようにしているそうだ。
GOLの取引は,ブロックチェーン上のスマートコントラクトによって自動的に処理される。ゲームが終わり勝者が決定したら,賞金が勝者に支払われるという仕組みだ。支払いにはブロックチェーン及び暗号通貨を使っており,第三者的な金融企業からは独立した形になっているため,手数料を引かれることもないという。
Tang氏は,ブロックチェーンを使う理由について,仲介業者がないことと,マッチングが迅速で信頼性が高いことを理由として挙げた。さらに,公開された検証可能な取引であること,詐欺を防ぐこと,機構の干渉を受けないことも独自のメリットだという。
また,Posコンセンサスアルゴリズムにより,1秒につき1000回以上の取引が処理されるというスピーディさも魅力とのことだ。
この取引で使われるのがGOLトークンとなる。トークンによってマッチングに参加でき,対戦結果に異議があれば投票を行うことも可能だという。判定の結果で不正があった場合は,実際の勝者にトークンが支払われるなど,公平性にも力を入れているそうだ。
また,一定のレベルに達したプレイヤーは,コーチになることもできるという。コーチからレッスンを受けたい場合,スマートコントラクトにトークンを入れる。そしてレッスン終了後に,スマートコントラクトからトークンが払い出される仕組みとなる。
こうしたトークンの取得方法は,競技での優勝や異議があった場合の検証や判定への参加&投票のほか,友達にGOLを紹介し,その人が新たなユーザーになることなどが挙げられる。また,政府や有名人主催のイベントに参加することでも取得できるという。
説明の後半では,GOLのチームメンバーの一部が紹介された。メンバーは,さまざまなバックグラウンドを持つスタッフで構成されており,スタートアップ企業やフォーチュン500に名を連ねる有名企業の人,プレイヤー出身のゲーマーなどだ。
アドバイザーとして,金融や法律関係に強いスタッフも参加しているとのこと。また,北米で最も有名なeスポーツのプロバイダーである,NGEのメンバーも名を連ねている。
トークンの販売については,一般販売が2018年5月に開始される予定だ。ハードキャプ(配布上限)は2000万USドル。トークンの発行制限枚数は「12億6500万枚」となっているが,常にアップデートされるので,ぜひサイトをチェックしてほしいとのこと。
GOLは5月にβ版を公開予定
続いて,Tang氏,GOLの共同設立者であるMan Kin Fung氏,コインオタクのCEO 伊藤健次氏による座談会が行われた。そのなかから気になるポイントをピックアップしてお伝えしよう。
まずは「GOLの構想をどのように思いついたのか」。
Tang氏によると,eスポーツがプロを中心に展開しており,プロは全体のプレイヤーの0.02パーセント足らずだ。そのため,残りの大多数のプレイヤーを対象にした活動をしたいと思ったのがきっかけだという。GOLの開発は順調で,5月にはβ版を公開予定とのこと。リリースは第3四半期の後半を目指しているそうだ。
現在直面している課題についてFung氏は,アマチュアの規模としては最大規模のトーナメントとして成長させてきたものの,まだ地域限定で,北米,欧州,アジアなどをカバーできていないことを挙げた。そのため,グローバルなオープンリーグとして,ブロックチェーンにより信頼を得ながら,地域をまたがって拡大させていきたいとした。
また,伊藤氏はグローバルな展開について,どんなビジネスにおいても同じような思いがあるとコメントした。ただ,GOLが掲げるアマチュアをターゲットにしたものは,とくにビジネスになりづらい分野での挑戦であるという。
一方,仮想通貨のビットコインは,まさにこういった課題をクリアした成功事例であるとも述べ,そのため,プラットフォームを活用してeスポーツをグローバルに展開させ,新しいステージに行くというのは,すごく魅力的であると述べた。
話はスポンサーや広告主との関係性についてもおよんだ。
Fung氏曰く,eスポーツの市場は急速な勢いて成長を続けているという。今日は子犬であったものが明日は象,その翌日には恐竜ほどの大きさになっているのだとか。これまでeスポーツのスポンサーと言えば,エレクトロニクス関係の会社が多かったが,現在は,ほかの多くの企業が予算を割いてスポンサーになっているという。
eスポーツは,ミレニアム世代のプレイヤーに最もリーチしており,友達と一緒に,数多くの時間をeスポーツに費やしていると話す。これは1つの国に限った話ではなく,世界すべての国でこのような状況が見られるという。
Tang氏はすでに強固なパートナーシップを多くのブランド各社と築いているそうだ。GOLとしても,そのようなパートナーシップをぜひとも活用していき,スポンサーとの構築に頑張っていきたいとFung氏は述べている。
「GOL」(Global Open League)公式サイト
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