オーストラリアの海岸にクジラが大量に打ち上げられる

西オーストラリア州政府の担当者によると、約75匹のクジラが既に死んだという Image copyright WESTERN AUSTRALIA GOVERNMENT
Image caption 西オーストラリア州政府の担当者によると、約75匹のクジラが既に死んだという

約150匹のクジラがオーストラリア・パースの南にある海岸に打ち上げられ、地元西オーストラリア州当局などによって大規模な救助活動が行われている。

クジラは23日早朝、西オーストラリア州の州都パースから約300キロ南にあるハムリン・ベイの漁師が発見した。

西オーストラリア州の担当者によると、打ち上げられたクジラのうち約半分は既に死んでいるという。

同州で動物保護を担当する職員は、まだ生きているクジラたちを保護しようと努力していると語った。

西オーストラリア州の生物多様性・保護および自然公園局のジェレミー・チック氏は、「生きているクジラの体力や風の状態、降雨の可能性が、いつどこでクジラを海に返すかに影響する」と語った。

同氏によるとクジラは、「集団で」ビーチに乗り上げてくることで有名なコビレゴンドウ種だと考えられるという。

クジラが打ち上げられた理由はわかっていない Image copyright WESTERN AUSTRALIA GOVERNMENT
Image caption クジラが打ち上げられた理由はわかっていない

豪ABCによると、ビーチには数十人の救助隊員がいるという。

州担当者は、付近にはサメ出没警報も出ているといい、同区域から近づかないよう人々に警告している。

州漁業局の担当者は文書で、「死んだり死にかけたりしている生き物は誘引物となり、湾岸付近にサメを引き付ける可能性がある」と述べた。

担当者によると、コビレゴンドウは多くの場合体長5メートル以内で、熱帯や亜熱帯の海域で見られるという。

科学者たちはまだ、なぜクジラがビーチに自ら乗り上げてきたのかの正確な理由を見つけられていない。

クジラが大量に打ち上げられている西オーストラリアの海岸、ハムリン・ベイ
Image caption クジラが大量に打ち上げられている西オーストラリアの海岸、ハムリン・ベイ

専門家によると、打ち上げはクジラが病気になったりケガをしたりした場合、また特に水深がなだらかに浅くなるビーチにおいて、群れが航行ルートを間違えた場合に発生する可能性があるという。

ビーチに乗り上げたクジラが信号を発し、集まった他のクジラが打ち上げられる原因になることもある。

1996年に起きたヒレナガゴンドウクジラ約320匹の打ち上げが、西オーストラリア州で史上最大のものだという。

(英語記事 Whales in mass stranding on Western Australia beach

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