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一部ユーザーが帯域の半分を占める

 次に、「OCNモバイルONE」のネットワークについて、NTTコミュニケーションズ オープンネットワークサービス部門 主査の半田篤志氏が解説した。

 OCNのトラフィック特性については、ユーザー1人あたりのトラフィックは年間20%で伸びているとした(写真7)。総務省の統計によればモバイル回線のトラフィックは42%増加しているが、「OCNには無制限プランがなく、節約志向のユーザーが多いことから伸びは低めになっている」(半田氏)との見方を示した。

写真7●OCNのトラフィック特性
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 料金プランではデータ容量の大きなコースが増えており、容量の伸びは年間10%。契約しているコースの容量を超過しているユーザは2割程度で、8割のユーザーは容量内に収まっているとした。

 利用傾向としては、大量利用する少数のユーザーが全体のトラフィックの半分を占めており、逆に利用の少ない半数のユーザーが占めるトラフィックは数%に過ぎないとした(写真8)。

写真8●少数の大量利用ユーザーが半数を占有
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 この場合の大量利用とは、30Gバイトなどの大容量プランではなく、容量超過時に200kbpsに制限された状態で常時通信しているユーザーがいるのだという。具体的な用途は通信の秘密があり把握できないが、「カメラなどの機器で常時通信しているのではないか」(半田氏)と語った。

 トラフィックの種類について、詳細は非公開としたが、全体の半数以上をHTTPS通信が占め、残りをQUICとHTTPが同程度の比率で占めているという。QUICはYouTubeアプリなどが利用しているプロトコルである。

 OCNによるトラフィック対策としては、要因を「回線あたり利用量の増加」と「大量利用による帯域占有」に分け、前者については自助努力や設計帯域の見直し、Wi-Fiへのオフロードなどを対策として挙げた(写真9)。

写真9●OCNによるトラフィック対策
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 大量利用については、固定回線とは異なり、モバイルではまだ対策ができていないという。参考事例として、米国では無制限プランであっても、一定の量を超えた場合には速度を「落とすかもしれない」との規定があることを示した。