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【電卓持って世界一周!】マダガスカルなう―怒らない毎日のコツ―アフリカが教えてくれたアンガーマネジメント

アフリカで、人は何に腹を立てることになるのか

ではアフリカで、人は何に腹を立てることになるのか。大別すると2つである。

1)物事は基本的にうまくいかない

2)人は働かない

 

1)物事は基本的にうまくいかない
アフリカの途上国では物事は基本的にうまくいかない。それは現地の人が原因ではない。アフリカに先進国の人間がやってきて働いたとしても、同じように事はうまくいかない。日本で物事が9割方予定通りに進むとしたら、アフリカでの物事の進捗は、3割といったところだろうか。

たとえば、何か新しいビジネスプロジェクトを立ち上げて、「明日からがんばろう!」という雰囲気にチームがなったとしよう。しかし、翌日いきなり停電になる。電気がないと、パソコンはただの箱である。ゆえにチームリーダーは、プロジェクトのことよりも、電気の復旧のために奔走することになる。チームメンバーは、ただぼーっとするしかない。

その翌日、取引先から「お金が振り込まれてないんだけど」と連絡が入る。オンラインバンキングで払ったはずだけど、と確認をすると、銀行から「不審な取引だったので決済していない。契約書を送ってくれ。こちらで判断する」と返答がある。えっ、銀行ってそんなことしていいんだ!?  いやいや決済してないって。なぜ銀行側に事情の釈明が必要なのか分からないが、とりあえず契約書を用意して送る。そんなこんなでまたもう一日が経ってしまう。

アフリカでは簡単なことを進めるのに途方もない努力を要する。だから人々の間に「急ごう」という概念が、あまりない。なぜなら自身が急いだとしても、災害になったり、妨害が入ったり、プロジェクトを遅滞させる事件がいくらでも勃発するからだ。そういう環境下では、たとえ先進国から来た人間であっても、「スケジュール通りに進めよう」という気持ちが少し希薄になる。

(希薄にならない人は、ある日突然アフリカのすべてが嫌になって、2~3ヵ月で国を出て行ってしまったりする)

余談だが、アフリカの電気・水道・銀行・建設事業等のインフラは、総じてあまり質がよくない。コネがものをいうレソトでは、こういった規模の大きなビジネスは、政府の関連会社によって運営されているからだ。顧客によいサービスを提供しなくても、彼らには売上が入るので、トラブルが起きた時にそれを解決しようという発想が、サプライヤー側にそもそもないように思う。

レソトでは嵐が来ると、よく唐突に停電になる。先日は夜中に停電になったので、懐中電灯の光で夕ご飯を食べた。キャンプみたい。

2)アフリカ人は働かない
アフリカの人は働かない。アフリカ出身の方、ごめんなさい。でもこれは人種差別でもなければ、悪口でもない。いち日本人による、8か月の観察に基づいた、比較論である。

アフリカの人は、もしかしたら自身のことを「毎日一生懸命働いている」と思っているかもしれないが、なんかもう単位がまったく違う。アフリカ人の「一生懸命」がセンチメートルだとしたら、日本人の「一生懸命」はメートルだ。アフリカ人が「今日は100センチメートルも働いた。長い!」と言ってうれしそうな顔をしている横で、日本のサラリーマンが「それはたったの1メートルで、長くもなんともないわっ!」と、歯ぎしりをする姿が目に浮かぶ。

特にレソトの人には働くのが遅い人が多い。グローバル平均の半分くらいの速度だ。勤務時間の2/3くらいは、ぼーっとしているか、You Tubeを見ているか、誰かとおしゃべりしている。

この「おしゃべり」が、また外国人を悩ませる。レソトでは、雑談は「社会的にマストな行為のひとつ」だ。人口が200万人しかいないこの国では、小さなムラ社会内での良好な人間関係の構築こそ最重要課題。レソト人は「フレンドリーな挨拶」や「他人との歓談」を、とっても大切にする。

その価値観は会社であっても適用されるため、職場にいる時間の大部分を、彼らは「雑談」して過ごす。「夕飯の話」「同僚の噂」「昨日見たドラマの話」「子どもの話」。よくそんなに話すトピックがあるな……と感心するほど。もちろんその間、仕事はまったく進んでいない。

にもかかわらず、レソトには企業側に賃上げやボーナスを要求する従業員が、とてもたくさんいる。多分「一生懸命働いているのにわれわれの給与は低すぎる」と思っているんだと思う。でも彼らが同じ勤務態度でアメリカや日本で働いてたら、間違いなく解雇されている。先進国の従業員の半分以下のサービスしか提供してないから、彼らの給与が先進国の半分以下なのは、おそらくアンフェアではない。

今のレソトが戦後の日本と同じ状態にあったと仮定して、レソトが日本と同じスピードで発展していくことは、国民の生産性を鑑みるに、まずありえない。だから「アフリカの貧困に対し、国際社会はもっと目を向けるべきだし、成長をサポートするべきだ!」と主張するアフリカの政府に関して、私は首をかしげてしまう。他の国に助けを求める前に、アフリカの人自身でできることは、たくさんあるはずだ。

アフリカの貧困層の人全員が、ユニセフのポスターみたいに「かわいそう」なわけではない。本当に気の毒な人も、もちろんいるが。

今回マダガスカル旅行で案内をしてくださった、現地ガイドのマミさん。日本人顔負けのおもてなしの心と、迅速で正確な仕事ぶりで、私を驚嘆させた。

マダガスカル人すごーい!って思ったけど、

「マダガスカルにはいい加減な人が多いので、暮らしていくのが時々辛いです」(日本語)
と、マミさんは言っていたので、彼だけが特別だったのだろう。マミさんありがとうございました。

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