オイコノミア[終]「10代に伝えたい経済学」[解][字] 2018.03.21
次回は塩麹を使った絶品料理をご紹介します。
(テーマ音楽)
(又吉)僕がテレビに出してもらう前につい最近まで住んでた…。
美女じゃないですね。
2012年に放送開始した「オイコノミア」。
これまで通算262回。
又吉さんはさまざまな視点で経済学を学んできました。
(光浦)いいですね。
ああ気持ちいい!
(安藤又吉)オイコノミア!6年を経た今日ついに最終回。
今日が「オイコノミア」の最後っていうのはちょっとさみしいですね。
(大竹)そうですね。
はい。
どうでしたか?6年間学んでみて。
ホントに勉強になりましたしいろんなところで役立ってると思います。
どんどん若い世代にもね知ってもらいたいなという事がいっぱいありました。
将来の事を考えるっていうのは経済学的ですよね。
ああそうですか。
はい。
そして将来の人に伝えたいっていうのはやっぱり大事な考え方ですね。
大事ですよね。
そう。
大事なのは未来です!今日は又吉さんが「オイコノミア」で学んできた事を10代の皆さんに伝えていきます。
(吉村)ど〜も〜!経済学芸人の吉村でございます!よろしくお願いいたします。
いやどうもどうも。
いややって参りましたよ。
マッタン。
あっこっちだったこっちだった。
マッタン。
やって来ましたよ私が。
おお吉村君。
今日は吉村君がMCをしてくれるということで…。
番組のまあMCというかいよいよこの「オイコノミア」も乗っ取ろうというかね。
前からやりたかったんです。
この番組のMCを。
そうなんですか。
はいはいはい。
残念ながら今日で最終回なんですよ。
ギェギェギェー!やりすぎです。
やりすぎですか?やりすぎです。
やりすぎですか?やりすぎです。
なんかやっぱ皆さんと距離感感じますね。
(笑い声)ビックリしました今。
ハハハッ。
今日の舞台はこちら。
渋谷区にある代官山ティーンズ・クリエイティブ。
小学生から高校生までが放課後過ごせる施設です。
又吉さんが6年間学んできた中でぜひとも10代に伝えたい経済学は3つ。
又吉直樹の10代に伝えたい経済学1つ目は?はいこちらです!「競争」。
ほお。
これ競争っていうのは割とこう…なんかネガティブなイメージがあったりすると思うんですけど競争によっていろんなことが発見できたりえ〜気付けるんだという。
自分を成長させてくれることでもあるんだということがまあ経済学的に考えると分かるんですよね。
そうなんですか。
はい。
(ゆうすけ)う〜ん…勝ち負けが常に付きまとうものなので。
そうですね。
負けたら嫌だなっていう思いを意識しながらやることが多いのであまり好きではないですね。
(あじ)そうですね。
僕もあんまりその競争いろいろありましたけど人生で。
その勝ってきた経験があんまりないので。
なんか競争苦手そうな感じだもんね。
この見た目から。
あんまりそうか。
いい思いがないと。
なるほど。
あのね経済学で……っていうことがあるんですよね。
でそういう研究結果も実際あるんです。
競争することで実力が上がる?スポーツや試験就活など何かと競争にさらされる10代の皆さん。
競争の効果が分かる「オイコノミア」流の実験やってみましょうか!よし!用意!さあそれではいってみましょう。
あずき箸つかみ大会!
(拍手)又吉さん含めた12人で2回ずつ行います。
1回目は全員1人ずつ個室で行いました。
難しいな。
2回目はAグループは同じく1人ずつ行いBグループは6人一緒に競争します。
ではBグループの2回目いってみましょう!皆さん1位を目指して頑張って下さい。
それではいきましょうか。
よ〜い…。
ちょっと待って。
ちょっと待って。
はい。
(吉村)もう準備できましたか?はい。
もう始まってますよ競争は!
(吉村)いきますよ!はい。
よ〜いスタート!
(吉村)あっ落としたらアウトだからね!
(あやね)うっそ。
(吉村)やばい。
全然つかめてない。
さわさん。
先生かつてテレビでこんなに地味な競争あったでしょうか。
(笑い声)
(吉村)54321…。
あ〜。
(吉村)終了〜!
(吉村)さあということで。
どうだろう。
結果発表!1位はなんと28個の又吉さんです。
ちょっと自分の番組で1位取るのこれご法度ですよ。
いやうれしい。
ホントこういうとき負けず嫌い出すよね。
ハハハハッ。
勝ちたいから。
まあそうですね。
でもすごい結果でございますね!すごいですね。
別に先生1位を取ったことがすばらしいじゃなくてこの全体の結果ってことですか。
これは?そうなんですよ。
(吉村)あ〜なるほど。
結果はAとBそれぞれの平均を見ます。
1人ずつ2回やったAグループは1回目より2回目のほうが1.2個増えています。
これは経験値が増えたことの効果。
Bグループは1人ずつやった1回目より6人で競争をした2回目のほうが2.8個増えています。
つまり経験に加えて競争をしたことの効果が出たといえます。
だから増え方がBグループのほうが大きかった。
なるほど!ちょっと僕の頑張りが大きく左右…。
これはちょっと先生どうでしょうか!しすぎてないかが心配なんですけど大丈夫ですか。
う〜ん。
僕置いといても割と伸びて。
伸びてますよね。
3人は伸びてますね。
でマッタンもやっぱ個別というかあれだったら結構ダラダラやるタイプなんですよ。
でもこの競争をするとやっぱ闘争心というか昔のサッカー出てくるんでこのぐらいの伸びはやっぱ競争によって得られてるという結果になってる気はしますけどね。
1回目はもう途中で手しびれたんですよ。
むずむずして。
あ〜ってもうこのイライラで。
ちゃんとつかめないという。
それ2回目やっぱなかったですね。
やっぱり集中力が高まったっていうことですか。
こんなにはっきりと!うまく出るもんなんですね。
競争によって。
そうですね。
なんか最初は1人でやって無だったんですけどなんか周りに人がいたときはもう絶対負けたくないと思って気合いがあって…。
だいぶ伸びてますもん。
7個伸びてますもんね。
そうですね。
(シュート)まあだいぶなんかやんなきゃっていう気になって頑張りました。
確かにだって1回目1ケタでしたもんね。
全体合わせても1ケタって1人しか…これは恥ずかしいですよね。
確かにでも9個から15個にってかなり上がってますよね。
(吉村)うん…。
ということなんですね。
競争が生み出した結果と。
うん。
そうなんですね。
それからねもうひとつ……とかっていうのがないですか?なるほど。
ありますね。
でねこういうの経済学で名前が付いててこう言うんですよ「ピア効果」。
ピア効果っていうんですよね。
ピアとは仲間や同僚という意味。
一緒に競争したり作業したりする仲間の影響を受けることをピア効果といいます。
又吉さんと吉村さんも同期で同僚ですからやっぱりね吉村さんも又吉さんが同期でいらっしゃったら結構頑張らなきゃっていうのあったんじゃないですか?ありましたね!うちらの期って結構残ってる人が多いんですよ。
だからそれもそうかもしれないですし例えば野球で「松坂世代」ってあるじゃないですか。
そうなると何かその世代強い人結構いたりするんですよね。
それもこの効果のひとつ。
ピア効果ですね。
ピア効果には能力の高い仲間から影響を受けて実力が上がる正のピア効果と能力の低い仲間からの影響で実力が下がる負のピア効果があります。
うん。
(のり)テストで自分は英語がメチャクチャできないんですけど同じ頭悪い友達がいるんですけどその子が急に点数上がったんですよ。
自分もなんかちょっと危機感感じて一緒に勉強しようやってなってそしたら自分も赤点抜け出して結構高い点数とれた。
へぇ〜!なるほど。
窮地を脱したってことですね。
はい。
…っていう研究もありますね。
ああ。
ああ。
なるほど。
それ分かりやすいですね。
やっぱり私たち…どこまでやったらいいか分かんないところがあるけど…だからほかの友達はこのくらいやってるんだったらそれが標準かなぁとかっていうふうに思うと。
なるほど。
ここで難しいのがものすごい合理的に考えて今まで友達やったのにお前は今ちょっと駄目な状態やから俺はもうお前とは遊ばへん!とかそういう話じゃなくてそういう時はむしろ自分の正のパワーでこっちを引っ張ってもらいたいというか。
こう持ちつ持たれつで成長していくこともあるやろうから。
自分でも引き上げることができるし。
はぁ〜。
お笑いの世界でも実感されてきた。
いやあると思いますよ。
例えば御飯食べに行ったりしてもず〜っと愚痴ばっかり言ってる会。
っていう人たちは伸びないでしょうね。
ハハッ!伸びないですね。
一方でそのあんまり愚痴というよりは何か面白い事とかこんな事したいあんな事したいと言ってる人たちのほうがその後何となく仕事が増えていってるような印象はありますしなんか引っ張られるんですよ。
ホントに。
もう何かこの世の終わりみたいな話をずっとする人と。
誰と飯行ってるんすか!
(笑い声)そして競争にはもうひとつ効果があるそうです。
なんかかんた君はこちらの卓球大会に参加したことで卓球に目覚めて中学で卓球部に入ったということでございます。
それもやっぱりちょっといろんな大会とか競争があったりしたんですか?トーナメントに出たりとか。
(かんた)そうですね。
ここも1か月に1回卓球大会があってそこにも出れる自由参加で出れる機会があってそこにも積極的に。
それで結構いい成績だった?優勝はしたことあります。
それで自分は卓球に向いてるんじゃないか。
ちょっと自信が出ましたね。
出てきたんですね。
これ競争のメリットのひとつなんです。
…っていうことなんですよね。
オーストリアの経済学者フリードリヒ・ハイエクはこんな言葉を残しています。
うんふん。
それから……ということなんですね。
はい。
でも確かに僕らは同期であの競争があったわけですよ。
1年目のとき。
みんな又吉君みたいなキャラだった訳です。
僕も含めて。
あっそうなんですか!?ボソっとしゃべったりとかなんかふられてとがったとかエッジの効いたひと言で笑いをとろうという人が集まった中でやっぱ一番それ優れてたわけです。
僕がその競争に負けたから今みたいなキャラになったりとか。
え〜例えば同期でいう大西ライオンとかも最初多分そうなんですけどもそれに負けたからあのキャラになるっていう。
多分競争の果てなんですよね。
僕らここにいるのは。
又吉さんがいなかったら吉村さんが今の又吉さんみたいになってた?おとなしい感じで。
こんな感じで面白くないやつがここに座ってた可能性がありますから。
っていうので僕はこのボソって言うというかひと言で勝負を決めるお笑いは苦手だっていうのが分かったんでこういうようなキャラになったりっていう。
なるほど。
それもやっぱ競争の果てでしょうね。
そうなんですよ。
やっぱり…ほうほうほう。
そうですよね。
だからそういう競争の中でこの人がこういう感じでやってるから自分は違う方法でやろうとか。
それ…そうなんですよ。
(田中)はい。
(吉村)ちょっと待って下さい。
しっかり大人が1人。
お〜っと10代に紛れていたこの方芸人で漫画家の田中光さん。
「オイコノミア」では「又吉学習帳」のイラストを担当しています。
競争のイメージを描いてくれました。
このような…。
(笑い声)
(田中)自分の座標を知る術。
うん。
はい。
まあ勝ったり負けたりいろんな…。
やっぱ対自分以外の人に反射させないと自分の立ち位置っていうのが分からへんのちゃうかなという。
深い絵です。
(吉村)深いですね〜!彼は自分の立ち位置がもうアリがいっぱいおるとこやった。
(田中)たまたまアリがいっぱいいた。
(吉村)これは悲しいですね!それを知った時。
俺のとこアリがいっぱいいるんだってって。
でもこれが得意なわけですから。
何か得意だったんでしょうかね。
自分の適性を探すために1回負けてるだけで1回も負けずに人生終わるまでトーナメント勝ち続ける人ってもうほんまにいないから。
ただこの1回のね思春期の1回の負けっていうのはこうなかなか立ち上がれない立ち上がれないぐらいのなんか傷つき方するんですよね。
それはねだからもうこれでなんか人生が決まっちゃうんじゃないかっていうぐらい。
思うんですよ。
実はもっと長いから何度も何度も競争があるんですよね。
それがやっぱり10代ではなかなか持てないですよね。
うんうん。
はい。
スポーツでもそうですよね。
トーナメントで勝っていった決勝の二組だけでよかったんちゃうかと。
1回戦で負けるぐらいやったらやらんほうがよかったんちゃうかと思うかもしれないですけど決勝に進んだこの2チームしか例えばサッカーやってなかったらこの決勝戦ってレベル絶対高くないです。
22人しか国内にサッカーする人がいませんの11人がずっとやり続けてるのはたかが知れてます。
レベルとしては。
いっぱいいる中でどんどんレベルが上がってきてその二組やからこのサッカーができた。
この決勝の面白い試合はこのみんなで作り上げてるものっていう。
なるほど。
これはお笑いの世界もそうですけどどんな世界でも僕そうやと思うんですよ。
出会って18年たつけどしっかりしたね!いいこと言うようになったよ!これはだから夢ありますよ。
もっとね皆さんの年ぐらいの時もっとすれててね。
こんな立派な人間になれるんだから!なんか今の話を聞いてそんなに負けることが怖くなくなったというか。
もっと負けても大丈夫だなっていう心が少し持てるようになりました。
(吉村)これはいいですね。
競争ってすばらしいですね。
(ピストル音)どうだ?駄目ですね。
この時競争すればよかったかも。
さあそれでは又吉さん続いての経済学理論何でしょうか?はいこちらです!「機会費用」。
(吉村)機会費用。
はい。
これはもう「オイコノミア」の中でも一番よく出てきたかもしれないですね。
そうですね。
どういうことなのか吉村さんが実演します!「ああなんか喉が渇いたな!ジュースでも買おうかな!ここに自販機がございますからえ〜とジュースを買うからまずはポケットから10円玉ですね!この10円です。
この10円を自販機に入れようか…。
あたたたたっと!参ったな!10円を落としてしまいました!」。
ハハハッ。
さあここで皆さんに質問です。
何だったんですか?今のお芝居は。
いやいやもうここでねちょっとコメディーも交えた。
私は怖くてもう誰の目も見れない。
(笑い声)こんな時どうする?それとも拾いませんか?取り出すのに1分?1分かかってしまいます。
このとき10円の呪いとかは考えなくていい?
(吉村)考えなくていいです。
やめてください。
1分かけて拾うって方?ああ結構拾いますね。
では拾わないよって方は?ああ。
すごいホントに喉が渇いてたら探してる暇ないんですぐ買って飲みたいです。
飲んでから探します。
飲んでから探す!飲んでああよしって思って探します。
1分かけて。
そしたら1分かからないかもしれないです。
飲んだ事によってパワーが補充されてますから。
15秒ぐらいで。
そういうのいらないのよ!パワー呪いそういうのはない!単純な計算でお願いいたします。
このときに何をしてたかによるとは思いますね。
なんであの…でもあのなかなか仕事に入れる状況ではない時に…
(吉村)ほ〜!賢いなあ!どっちですか?結論からすると。
拾います。
拾うのかよ!気になって寝る前とか思い出してしまうから。
あの10円どうなったかな。
すっげえお金欲しいじゃん!夜中気になって見に行ってまうかもしれない。
金欠じゃんもう!これはやっぱりゆうすけさんの言うとおりなんですよ。
厳しい職場だったら1分遅刻でやっぱり減給されるかもしれないじゃないですか。
20円減給されるんだったら拾わないほうが得ですよね。
ほ〜なるほど!はい。
拾いたくなるけれど経済学的に考えると拾わずに働くほうが合理的な選択なのです。
うん。
時給が1200円ということは1分あたり20円の賃金。
1分かけて10円拾うよりも働いたほうが多く利益を得られますよね。
うん。
結局…働かなかったら…それとも……になるわけですよね。
(トミー)自分は高校が商業高校なんで機会費用については授業で学んだんですけど。
(吉村)もう知ってたの!?はい。
…っていう例としては自分高校3年生なんですけど進路を考えるときにまあそれもすごい含めていろいろと考えましたね。
(吉村又吉)はぁ〜。
普通ね大学に行く費用って言ったら授業料っていうのを考える。
授業料だけだって思ってるんだけどそうじゃなくって…
(吉村)はぁ〜!…ということなんですよね。
それをもう高3の時点で考えてる訳ですか!?機会費用を。
授業で一応習ったんでそこは一応考えておこうかなって思ってて。
無視できないですもんね?それね聞いちゃうと。
(ニナ)いつもは何もしてなかったんですけどなんか先生からその朝の時間も単語を10個例えば覚えたりとか毎日すればそれがこう1年間やったらすごい数になるから少しの時間でもいいから覚えなさいっていうふうに言われてからは朝電車の中で英単語覚えたりとかするようになりました。
うん。
なるほどね。
(吉村)これ先生機会費用?機会費用ですね。
うん。
はぁ〜!すごい分かります。
もう僕「オイコノミア」で機会費用の話聞いてから機会費用が気になってしかたがなくて。
でも確かに昔この「オイコノミア」やる前結構仕事一緒になったとき移動するときこう寝てたじゃないですか。
結構車で寝てたけど今なんかこうメモったりとか本読んだり音楽聴いたりするようなのもそれもちょっと機会費用を意識してってことですか?そうかもしれないです。
一緒に旅行行くんですけどよく。
旅行中に僕がメモとったりするとすごい怒るんです。
こっちは楽しんでる。
こっちが仕事するからちょっとやめてくれと。
もうこれ以上才能伸ばさないでくれっていう意味で怒ってる。
何も思いつかないでくれってお願いされる。
(吉村)同じ景色見てんだから。
俺思いついてないんだからお前も思いつくな。
(笑い声)
(吉村)はい。
…というか無駄を完全に排除してしまうようになっちゃってその線…あっそういう覚悟をすることが大事なんですよ。
だからこれをやってるっていうことはこういう事を切り捨ててるんだよっていうことを覚悟して行動をとる。
そうするとやっぱり無駄なことはあんまりしなくなるっていうのがありますよね。
いや分かる。
まあなんか新しく始めようと思ったらすごい時間かかるじゃないですか。
それこそ楽器とかやろうと思ったら。
それ考えるとやっぱ機会費用っていう言葉が頭よぎってできないんですよ。
又吉さん何か楽器始めようとされてるんですか?やりたいんですよ。
何の?トランペット。
うん。
トランペット?…をやるんですか?街角で吹きたい。
どうして一歩進められないんですか?買いに行かないと駄目じゃないですか。
一緒に買いに行ってくれる人探さんと駄目じゃないですか。
まあいきなり街なかは恥ずかしいんで何かスタジオ借りんと駄目じゃないですか。
これすごい時間かかりますよね。
今この時期に僕もやっぱり仕事があったりして。
やるべきことがあるから。
その重みで仕事を選んでしまってるんですよ。
それは機会費用を学んだから一歩前へ進めなくなったと?そうですね。
いうことで「オイコノミア」のせいでトランペットができない。
そうです。
「オイコノミア」やってなかったら僕はトランペット吹いてた。
「オイコノミア」のおかげでトランペットしなくて済んだんですよ!絶対向いてないから!2つ可能性あるなと思うんです。
ああ!先生ちょっとなんかすげえロマンチックな…。
何ですか。
トランペットの愛が足りない?どうしてかというとそんなにトランペットが好きだったら小説書く時間を減らしてちょっと所得減らしてでもやればいいじゃない。
(2人)あ〜。
確かに仕事減らしてトランペット趣味で吹き始めるっていうのはなかなか勇気がいりますよね。
そうですよね。
だからそれがひとつ。
もうひとつはですねやってみなきゃ分からないっていうとこもあると思う。
これ経験財って言ってね経験してみないとその価値が分からないモノってあるじゃないですか。
デートすることでよりその人の事が好きになるみたいな。
そう。
結構恋愛で例えるの好きよね!?みんな分かりやすいから。
(吉村)そうですね。
やり始めてみたら実は想像したよりももっと楽しくてああちょっとぐらい所得減ってもいいなと思うかもしれない…。
なるほど。
お笑い始めたときはそういう気持ちありましたもんね。
多分お金なんてもらえないでしょうけどそれでもやりたいっていう気持ちが…。
確かに僕のトランペットへの愛が足らなかったかもしれない。
(トランペット)10代に伝えたい経済学3つ目は何でしょうか?はい。
3つ目はこちらです!「サンクコスト」。
もう僕は分かりません。
サンクコスト。
カバンも全然捨てれないんですよ。
2013年の放送では又吉さんの使わないのにもったいなくて捨てられないものを見せてもらいました。
かぶってみるとですねこれをかぶっていいタイミングが1つもなかったっていう。
中でも大物がこれ。
10年以上は使っている僕のソファーです。
捨てられません。
高かったり手に入れるのに苦労したものだと使わないのに手放せない。
それはサンクコストにとらわれているんですよね。
これをこう持つわけですね。
結構怖いっすね。
やっぱりどうしても私たちね後ろ向きになりがちなんですよ。
だから…忘れたほうがいいと?過去のことは忘れる。
それはもうホントに経済学的な考え方ですよね。
そうなんですよ。
だけどこれはホント難しいですよね。
考えるっていうのは。
中古でエレキギターを買ったんですね。
お店でかなり安い値段で買って。
家に持って帰ってきたら音が出なかったんですよ。
直さなきゃと思って一生懸命あれ調べてこれ調べて直したら新品買うのの2倍ぐらいかかっちゃって。
えぇ〜!ことはありましたね。
(吉村)ほうほうほう。
それもそこで買ってきたけどサンクコストに気付いてやめていたら新品を半額の値段で買えたかもな。
それはでも無駄ではなさそうですけどね。
そうですね。
仕組みとかは学べたんでいいですけどそれだけで見たらやっぱり損だったかも…。
そうか。
確かに。
まああの芸人です僕も。
(吉村)はい。
大体10年ぐらいでやっぱりこれはすっごい考えちゃいましたね。
あ〜!
(吉村)う〜ん!
(田中)10年って重いじゃないですか。
辞めようってできるやつも周りにいっぱいいたんですよ。
(吉村)いましたね!いました。
すげえなと思って。
僕も一瞬だけ辞めたんですよ。
10年やったしもったいないから辞められへんで続けるのはそれこそもったいないって思ったんで。
で2か月ぐらい辞めてみてやっぱり居ても立ってもいられなくなってもう1回始めちゃったんです。
1回だから考えれました。
こういうことは。
なるほど。
なるほどね。
だからポイントは…だからこれから先面白いかどうか。
成功するかどうか。
又吉さんそういうタイプじゃなかった?僕はそうです。
親には「なんか2年後売れそうな気がする」ってずっと言ってました。
うん。
怖いな。
その言い方!来年って言ったらアカンかったってなるから2年後。
1年後また2年後って言い続けることで親も安心させて。
なるほど。
なんか意識するというよりこれを自然に身についてたら強いんだろうなとは思いますよね。
うん。
(吉村)僕なんか10年やったから芸人をやめれねえよ。
というよりは「よし来年売れよう!再来年売れよう!」というほうが強いというか元気な健全な感じがするんで。
ああそうそうそう。
それを身につけたほうがなんかチャンスもこっちに来そうな感じしますね。
そう。
なんかだからみんなでいっつもその話ばっかりなんですけど御飯食べてるときにず〜っと愚痴を言うてる…。
ちょっと待って。
それ数十分前も聞いた話じゃないよね!?ず〜っと愚痴を言ってるのってある意味僕サンクコストにとらわれてるのかなって。
なるほど!もちろん反省したり修正点さがすのはいいんですけどどうやらそうじゃない愚痴とか人の悪口とかって僕時間のすっごい無駄やなって。
早くこの話終わって「次のライブどうする?」とか「来年何しようか?」とかそういう話をしたほうが絶対自分のなんて言うんですか仕事が面白くなっていく可能性も上がるじゃないですか。
だからそっちにしたいんですよ。
そうやったほうがいいんじゃないかな。
たまにあっていいと思うんですけど。
周りの人の不幸を願うとか。
そんな夜もまあたまにはあっていい…。
(吉村)たまにはですよ!もう終わってしまった話をねいろいろ言ってもやっぱり変わんないですからね。
これから変えられることをやればいいと思うんです。
(吉村)なるほど。
親とかにも言われて集中力がないって言われたり思ったりするんですよ。
なんかすぐ1時間で勉強とかやっててもああなんかめんどくさいなと思ったり。
卓球やってても1時間ぐらいしたらああ疲れちゃったなとか。
又吉さんとかって芸人何年もやってたり「火花」とかも書かれてたりして…はぁ〜!なるほど。
これは聞きたいですね僕も。
集中力。
集中力…。
でもねそれこそ僕もあれですよ。
好きなことしか集中できないんです。
面白いネタを作ってライブとかでウケたいとか小説を書きあげたいみたいなものがあると持続するのかなと思うんですよね。
ゴールがちゃんとあると。
舞台で面白いのを作らないとスベるっていうのはものすごい怖いからそれはもう締め切りとしてすごく僕に力があるんです。
あの締め切り力が。
舞台でネタをやるっていうのは。
それを設定するのがもしかしたら集中力が現時点よりは増すかもしれないですね。
だからかんた君が卓球の大会をここでいついつ開きますって自分で設定して…それに参加者を募ったら今1時間卓球を漠然とやるよりも多分15分20分は集中力がもつと思いますよ。
勉強にしても多分そうやと思う。
これコミットメントってやつですよね。
そうですね。
はい。
(吉村)これも経済学?経済学で。
もうやっぱり締め切りを作っていくという。
あんまり遠い将来の目的だったらあんまり意欲湧かないんですよね。
ある程度…8時間集中力続く人なんていないですよね。
なかなかいないですね。
だから1時間続けられたら十分で。
25分でも30分でもいいんですけど。
その間に何を達成するかっていう目標を事前にきちっと立ててそれを達成していくと。
(吉村)なるほど。
(りさ)経済学とちょっと離れちゃうかもしれないんですけどそのどうやったらうまくしゃべれますか?なんか私あんまりなんかしゃべるのが得意じゃなくて。
なんか意識してるところとかありますか?でも僕もねあの…難しいことあんま分からなかったりするんで。
自分のなんかこう…それで例えたりすることが多いですかね。
サッカーやってたんですけどサッカーで言うとどういうことなんやろうとか。
で考えて自分がそれをなんか理解できるとそれを自分の中で例えた話をなんかこう外でできるんですかねぇ。
どうなんやろう。
僕もねまあ難しいですけど。
僕声を大きくすりゃいいかなと思いますなんか。
大きくやったらもうなんか…。
自信というか乗ってくるんで。
やっぱちょっと小さかったりとか低めでいくとなんかこうネガティブになっていくわけですよね。
苦手だ苦手だってなるから。
もう何の内容もなくてももう大きくうなずく。
「あっそうなの!」だけでもいいですし。
そうするとリズムできてくるんで。
しゃべれる。
しゃべりやすいというか。
これもコミットメントですね。
(吉村)これもですか。
はい。
だから最初から自分のいろんな選択肢を排除しとくんですよね。
あしたから学校でも入っていったら「ちょっと聞いて!」から始めるのもいいかもしれないですよね。
そう。
試しにね。
はい。
将来のことなんですけど今自分は将来安定したいなってすごい思ってて。
自分の周りでも安定したいから公務員になるとか言う人もすごいいて。
お笑い芸人ってやっぱ安定しない職業じゃないですか。
高校時代就職するとかいろんな道があったと思うんですけど不安定な道にどういうきっかけで踏み出したのかなっていう。
すごい勇気がいることだと思うんですよ自分も。
どうでした?どうでした?いや僕はもう小学校ぐらいからお笑い好きで中学校のときにもう芸人になろうと決めたんですよ。
中学校でもう決めてたんで確かに不安はあったんですけどもしこれ芸人にならずに他の職業に就いたとしたら高校卒業してすぐ吉本入ったんですけどもし大学とか行ってたらずっと同い年で芸人になってる人たちがおるっていうことが頭によぎるなとか。
あともし芸人にならなかったら年取ったときとかにテレビで見ながら絶対俺のほうがおもろいわとかそういうことを言ってしまう言いそうやなと思って。
なんか精神的に耐えれなそうやったんです。
だからあんまり迷わんかったというか。
芸人になるっていうこと自体は。
そこからどうなるかは別として。
吉村君は?僕多分ねトミー君みたいな選択肢がなかったんですよ。
大学も行ってない。
勉強もそんなできなかったし体力もあるわけじゃない。
けど欲はあるんですよね。
モテたいお金持ちになりたい。
いいとこ住みたいっていう欲があった中でその芸人っていうのがもう当時ものすごいみんなテレビ出ててキラキラしてて。
すごいカッコよかったんですよね。
でこれ多分難しいなってことで難しい順から行ったのかもしれないです。
芸人が駄目だったら次違うものもあったのかもしれないですけど。
だからそのここ行ったらこれがあるんだろうなっていうニンジンと難しいものからやってみようかなっていうのはあったかもしんないですね。
たまたまよかったというだけで。
やっぱり自分の仕事を楽しめてるのがいいんでしょうね。
大工さんの友達同級生いますけどすっごいもうこれが楽しくてしょうがないって言っててそいつの話聞いてると僕もやる気出てくるんですよ。
だからそういう働き方できたらええやんな。
そう。
それぞれ。
売れてない同期の芸人も楽しそうですもんねなんか。
うん。
金はないけど楽しいみたいな感じはしてますからね。
こういうのトレードオフなんですよね。
だから安定してて楽しい仕事があったらいいけどなかなかないわけですよ。
だからすごく楽しいけど不安定っていう組み合わせかすごく安定だけどあんまりお金持ちになれないかもしれないっていう道もあるかもしれないけど。
それはやっぱりそれを覚悟する。
トミー君が言うように僕たちはまだその不安定なさなかにいますからね。
ホントだよ!来年どうなるか分からへんっていう状況やから。
確かにおっしゃるとおりですよ。
安定は全くしてないですよ。
安定のほうが幸せだなとは思いますけどでもこれはこれで楽しいですよね。
これはこれで。
はい。
覚悟さえしとけば。
そうなる可能性があるってことを。
「まさか!」とは僕ら思わないんで。
そうなっても。
思うか?うん。
思うかな。
(笑い声)10代に伝えたい経済学。
最後に又吉さんから皆さんに贈る言葉。
僕はあのホントに経済学っていうものに触れたことがなかったんですよ。
最初大丈夫かなと思ってたんですけど。
やっぱり経済学のいろんな今日やった例えば競争とか機会費用とかサンクコストとかああいう言葉を知ることによってなんとなく自分のなんかこう実生活で感じてたことがああこういうことやったんやっていう。
明確に見えるというか。
こういうことやったんやって整理できるというか。
それはあの文学とかと一緒で。
自分が言葉にできなかったでもなんとなく思ってたことがパキッともうこうですって形教えてくれるから。
すごいそこから考え方がしっかりしていって。
そこから更にいろんなこと考えられたりするっていうことで。
こんなにも実用的な学問やったんやなって思ったんで。
皆さんもぜひあの経済学ももちろんそうやし経済学に限らずなんて言うんですかね。
勉強って結局自分の生活に何が関係すんねんっていう一番思ってた僕がこんなにも実用的なんやって思ってるわけですから。
なんか…。
でもみんなのほうが絶対勉強してるやろうから何かこんなん言うのも恥ずかしいんですけど。
何かその前向きにいろんな事を興味を持っていってもらえたらなと思います。
はい。
ということでございます。
ホントに6年間お疲れさまでした。
お疲れさまでした。
(3人)ありがとうございました。
(拍手)「オイコノミア」最終回。
6年間学んでみてどう感じましたか?2018/03/21(水) 22:00〜22:45
NHKEテレ1大阪
オイコノミア[終]「10代に伝えたい経済学」[解][字]
又吉が経済学を学び始めて6年。最終回ということで、将来を担う10代の皆さんにこれだけは伝えたいという経済学の考えを3つ取り上げ、力をこめて伝授する!
詳細情報
番組内容
経済学は人を幸せにするための学問だと聞いて興味を持ったという又吉。6年間でさまざまな考え方を身につけてきた。その中で10代にぜひ伝えたいのが「競争」のメリット。受験やスポーツ、就職活動と競争にさらされる機会が多く、負けるのは嫌だと思いがち。しかし経済学で見ると競争には、自分の特性がわかったり、競い合うことで実力を伸ばせるといったメリットがある。ほかにも又吉が勇気付けられた、という経済学を伝えていく
出演者
【ゲスト】吉村崇,【出演】又吉直樹,【講師】大阪大学教授…大竹文雄,【語り】朴ろ美
ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – その他
趣味/教育 – 生涯教育・資格
情報/ワイドショー – 暮らし・住まい
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
サンプリングレート : 48kHz
2/0モード(ステレオ)
日本語(解説)
サンプリングレート : 48kHz
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