(「市原幹也氏のセクハラについて(1/4)」より) 3.市原幹也氏のこと
市原幹也氏が主宰しているのこされ劇場≡の舞台を初めて観たのは、2005年3月に上演された のこされ劇場≡・horamiriダンス研究所「レモンヱロウ」だったと思う。 http://f-e-now.ciao.jp/20050301.html
のこされ劇場≡は2003年5月の活動開始だから、けっこう初期の時代から10年以上、主だった舞台は観ている。 市原幹也氏は2009年から、劇団員らによって枝光本町商店街のなかに枝光本町商店街アイアンシアターを立ち上げて5年にわたり芸術監督を務めた。そこでは「えだみつ演劇フェスティバル」等の充実した企画が多かったので、枝光までほんとによく通った。
ブログ「えだみつ演劇フェスティバル」 https://blogs.yahoo.co.jp/naginon/62601878.html
枝光本町商店街アイアンシアターの芸術監督のあいだにのこされ劇場≡の本公演での一晩物の舞台の質は次第に落ちていき、公演数も減っていった。その代わりに、商店街を巡るお散歩演劇がヒットして、「枝光本町商店街」がCoRich舞台芸術まつりの準グランプリとなって、市原幹也の名は全国に知れ渡った。 市原幹也氏が枝光本町商店街アイアンシアターの芸術監督を解任されたのは2013年5月だが、その理由は説明されなかった。fringeは「枝光本町商店街アイアンシアターは市原幹也氏退任の理由をきちんと開示すべき」 http://watch.fringe.jp/2013/0515005615.html という記事を書いている。
今となれば、解任の理由にセクハラがあっただろうと容易に想像がつくが、当時はそんなことは考えもしなかった。だからわたしは、その年の9月に「『枝光本町商店街アイアンシアター』の、顔が見えなくなった」 https://blogs.yahoo.co.jp/naginon/63892788.html という記事をブログに書いている。 市原幹也氏が関係する舞台はよく観たが、市原幹也氏との関係は劇団主宰者と観客という関係でしかなく、個人的なつきあいはなかった。
だから、市原幹也氏のセクハラはかなり以前から演劇人のあいだでは知られたことだったようだが、わたしは今回のことで初めて知った。市原幹也氏のセクハラを知っていれば、彼の舞台への対応や評価も当然変わってきただろう。 市原幹也氏のセクハラがかなり以前から演劇人のあいだでは知られていながら、それが放置されてきたことについての演劇人の責任は大きい。 枝光本町商店街アイアンシアターの芸術監督を解任されたあと、市原幹也氏は拠点を横浜に移し活動範囲を全国とした。
横浜で、多田淳之介、野村政之、藤原ちから、横井貴子の諸氏と“ 演劇センターF”を立ち上げて、イベントの企画やワークショップの講師などの活動を続けていることは知っていた。 4.社会の反応 (1)報道
「演出家の市原幹也氏、セクハラ告発され謝罪」日刊スポーツ2/20(水) 11:46配信 https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171220-00081729-nksports-ent *** 演出家の市原幹也氏が、セクハラ行為を告発され「心当たりがあります」と認めて謝罪した。 市原氏は19日、公式サイトに謝罪文を掲載。「Twitterにおいて、私が過去に何人かの女性に対して立場を利用し性的な関係をせまるなどして恐怖を感じさせ、また演劇界に抱いていた夢に対して失望させたという告発がなされました」と経緯を説明し、「告発された内容と、また告発がなされるまで自分の側からは沈黙していたことについて、心から重大に受け止め責任を感じております。多くの方にご迷惑、ご心配をおかけして大変申し訳ございません。告発されているような私の言動は決して許されるものではありません。告発の内容には、心当たりがあります。現在、ご本人に謝罪の意思をお伝えする準備をしています」とした。 市原氏は「当時自分の認識が未熟でありましたが、当世の流れや皆様からのご指摘からも学び大変反省しております。これを機に改めて自分を見つめ直し、このようなことが起きないようにしっかりと考えていきます」と反省。また、「誠に恥ずかしいことながら、まだ告発に及んでおらぬ方々の中にも、私から精神的苦痛を被った方がおられる可能性を、私は否定できません」とし、被害者からの連絡先を設けるなど対応していくとした。
*** 「演出家の市原幹也氏、セクハラ「心当たりある…」 告発され謝罪」 産経新聞 12月20日 15時52分
(この記事は2017年12月28日に追記)
*** 演出家の市原幹也氏が、過去に立場を利用して女性に性的な関係をせまるなどセクハラ行為に及んだとして、謝罪した。
市原氏はツイッターでの告発を受けて19日、自身の公式サイトに「お詫び」と題した謝罪文を掲載。「Twitterにおいて、私が過去に何人かの女性に対して立場を利用し性的な関係をせまるなどして恐怖を感じさせ、また演劇界に抱いていた夢に対して失望させたという告発がなされました」と記した。
その上で「告発の内容には、心当たりがあります。現在、ご本人に謝罪の意思をお伝えする準備をしています。」として、今後は被害者向けに連絡先を設けるなどして対応していく意向を示した。
市原氏は劇団のこされ劇場を主宰。2013年からは「横浜トリエンナーレ」サポーター活動の年間講師を務める。
最近は、作家でブロガーのはあちゅうさんが、広告会社電通に在籍していたときにセクハラを受けていたことを暴露したことが注目されている。SNS(交流サイト)などを通じてセクハラを告発する、米国発の運動「me too」の日本版ともいえ、日本でも今後多くの女性が声を上げる可能性がある。 ***
「劇団演出家が複数女性にセクハラ行為 横浜市がイベント契約解除」NHK 12月21日 18時20分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20171221/k10011266991000.html
*** 福岡県の劇団を主宰する演出家からセクハラ行為を受けたという複数の女性が、ツイッターで告発する事態が相次ぎ、この演出家と大規模なイベントで契約していた横浜市などは契約を解除しました。 契約を解除されたのは、福岡県にある劇団を主宰する演出家の市原幹也氏で、横浜市によりますと、横浜市で開催される現代アートの祭典「横浜トリエンナーレ」でイベントを支援する「サポーター活動」の講師を務め、4年前から横浜市が委託したNPOと契約していました。
しかし、今月になって複数の女性がツイッターで、過去に仕事上の立場を利用してセクハラ行為を受けたなどとする内容の発信が相次ぎ、市などが確認したところ、事実関係を認めたことから20日、契約を解除したということです。
これについて、トリエンナーレを担当する横浜市文化プログラム推進課の野田日文担当課長は「セクハラ行為はあってはならないことで、厳正に対処していきたい」と話しています。
演出家「十分に謝罪したい」
市原氏はホームページ上でコメントを発表し、「ツイッターで、私が過去に何人かの女性に対し、立場を利用し性的な関係を迫るなどして恐怖を感じさせ、演劇界に抱いていた夢に対して失望させたという告発がなされました。告発の内容には心当たりがあります。まだ、告発に及んでおらぬ方々の中にも、私から精神的苦痛を被った方がおられる可能性を、私は否定できません。与えた精神的な被害については十分に謝罪をしたいと考えています」としています。
*** (2)炎上
アクセス集中で読めないサイトはあったようだが、ツイッターなどでの意見の表明は決して多くはない。
(3)意見
「#MeToo が嫌いなあなたへ」小島慶子 BuzzFeed Japan 12/24(日) 11:02配信
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171224-00010000-bfj-soci&p=1 *** (抜粋) #MeTooは男性排斥運動でもなければ、女性だけのものでもありません。力の差を利用して口を塞ぐものへのNOであり、苦しい思いを口に出せず、理不尽な目にあっても泣き寝入りするしかない世の中へのNOです。 つまりはあなたがこれまでに受けたあらゆる支配や暴力へのNOでもあるのです。
男らしさの押し付けだって、長時間労働だって、パワハラだって、みんな#MeTooと根っこはつながっています。
もしもあなたが男性で「女ばかりが被害者ヅラか」と思うなら、暴力の連鎖の果てで声をあげた女性を責めるのではなく、自分を痛めつけたのは誰かを思い出してほしい。それを生み出した構造を疑ってほしいです。
そして、身近な男性と「性的いじめやセクハラトークや合意のないセックスは今どきありえない」をシェアして、当たり前にしてください。最も女性たちの声の届かない場所の近くにいるのは、あなたなのです。
*** (4)契約解除 「劇団演出家が複数女性にセクハラ行為 横浜市がイベント契約解除」NHK 12月21日 18時20分 https://www3.nhk.or.jp/news/html/20171221/k10011266991000.html
「トリエンナーレ講師、契約解除」読売新聞 2017年12月22日 http://www.yomiuri.co.jp/local/kanagawa/news/20171222-OYTNT50119.html *** 横浜市は21日、今年開催した現代美術の国際展「ヨコハマトリエンナーレ」で講師を務めた演出家の市原幹也氏が、過去にセクハラ行為をしていたとして、契約を解除したことを明らかにした。解除は20日付。 市によると、市原氏とはトリエンナーレの市民ボランティア事務局を担当するNPO法人が契約し、市原氏はボランティアに助言する講師を務めた。 最近になって、過去に市原氏にセクハラ行為を受けたとする告発がインターネット上で相次ぎ、市原氏がNPO法人の聞き取りに対してセクハラ行為を認めたため契約を解除した。市原氏は「ボランティアなどトリエンナーレの参加者にはしていない」と話したという。
市原氏は自身のホームページで「何人かの女性に立場を利用し、性的な関係を迫ったという告発があり、告発の内容には心当たりがある」とコメントした。
*** (5)ネット上の情報削除
市原幹也氏のホームページ http://ichiharamikiya.wixsite.com/ichihara は、次のようなメッセージを出して、過去活動歴の掲載を自粛じている。
*** 多くの方にご迷惑とご心配をおかけしており大変申し訳ございません。現在、過去にお世話になった皆様にもご迷惑が及び始めておりますので、過去活動歴の掲載を自粛しております。恐れ入りますが何卒ご了承のほどよろしくお願い致します。 *** そのほか、市原幹也氏がからんだ記事のネット上からの削除が進んでいるようだが、詳細はわからない。
(「市原幹也氏のセクハラについて(3/4)」へ続く)
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