2018年3月23日更新
こんにちは、ウエコレ編集部の飯島です。 ブライダルの仕事に携わってもう何年、いや十何年と時が立ってしまいましたが、何年経っても変わらずに読者の方やカップルの方たちからご相談いただくのがやっぱりお金の話。結婚にはいったいいくら費用がかかるのか、支出する予算と節約ポイントもご紹介します。
●エンゲージリングの相場
結婚にまつわる指輪には、「エンゲージリング(婚約指輪)」と「マリッジリング(結婚指輪)」があります。「エンゲージリング」の相場はピンキリですが、CMで見るような指輪の中央にダイヤモンドが載ったデザインのものでおよそ25~35万円程度。この相場の10万円の開きは、選ぶダイヤモンドの大きさやアームと呼ばれる丸いリングの部分にどんな素材を選ぶかで価格が変わってきます。
●みんなはどんなのを選んでいるの?
お店としてはなるべく高価なものを選んでほしいから、広告には1カラット以上の大きめのダイヤモンドが載った写真が扱われますが、実際に多くの方が選ばれるのは小ぶりでも大きすぎでもない0.25から0.35カラットのダイヤモンド。初めてダイヤモンドが載った指輪を購入する時になんとなく「1カラットないと小さそう」と思う方も少なくありませんが、1カラットの直径は6.5mmもあり、希少なため価格も倍以上。エンゲージリングは結婚式までつける期間限定のものではなく、マリッジリングとセットでつけたり、記念日やお出かけの日など特別な日につけるなど、ずっとつけられるものなので、時間をかけてじっくりと探してもえたらなと思います。
●エンゲージリングは買わなくてもいい?
ちなみに……結婚にまつわる指輪のご相談を受ける時に「エンゲージリングは買う予定はありません」とおっしゃるカップルの声をこれまで実に多くうかがってきました。おふたりで納得してそういう結論にいたることもあれば、彼女が彼に連慮して「いらないよ」という言葉にほっとして買わないというケースもあります。これは男性にお伝えしたいのですが、彼女に「指輪欲しい?」というセリフは禁句だと思ってください。「指輪欲しい?」と聞くよりも「エンゲージリング買いに行こうよ」と積極的にリードする気持ちをお忘れなく!
●マリッジリングの相場
マリッジリング(結婚指輪)の相場もピンキリで、指輪の幅や厚み、ダイヤモンドなどの宝石がつくかつかないかでも変わってきます。マリッジリングは日常的につけるものなので、選ぶ時のポイントはなんといっても「飽きのこない」デザインであったり、素材であること。マリッジリングの平均といわれる幅が2.5mmでプラチナ素材のものを選んだ場合の相場は、ペアで20万円程度。強度の高いプラチナ素材や幅を広げたり、ダイヤモンドを加えたりしていくことで価格は上がっていきます。
●マリッジリングは「デザイン」で選ぶカップルが圧倒的!
ブランド力・価格・デザイン・飽きのこなさを5段階評価にして「マリッジリングは何を重視して選ぶ?」というアンケートを行った際に、圧倒的な支持を得たのが「デザイン」でした(2018年2月 ウエコレ コンセプトウェディングイベント来場者アンケート調べ)。「結婚指輪とファッションで使う指輪は選ぶポイントが違う」という意見ももちろんありますが、ふたりが気に入ったものじゃないとつけていても楽しくないですよね。食べず嫌いじゃないですが「私たちはこれが似合う」と決めてかからずに、いろんな指輪のデザインを試してみてくださいね。
●歳を重ねるとともに指の厚みも変わってくる!?
ブライダル雑誌やWEBなどで「結婚指輪は飽きのこないデザインを選びましょう」というアドバイスを目にすることが多いと思います。これはずっとつけるもので、ファッションリングのようにTPOでつけたり外したりできないものなので「その時の流行りで選ばないようにしましょうね」というメッセージです。また、これはウエコレ編集部にマリッジリング選びの相談をしていただいたカップルによくお伝えすることなのですが、歳を重ねるごとに指に厚みも出てくるので、ある程度幅があるもの、強度の高いものを選ぶことをおすすめしています。「ちょっと力んだら指輪が切れた」なんていうことも。幅は2.5mm~3.5mm、素材はプラチナに代表されるやわらかくて強度の高いものを見ていくといいでしょう。
●「結納」と「顔合わせ」の違い
お互いの親御さまのもとに出向いて「結婚させてください」「結婚します」という結婚の意思を伝えるご挨拶を済ませた後、両家が集まって結婚の約束を宣誓して家族同士の親睦を深めあうのが「結納」であり、「両家顔合わせの食事会」です。
●結納でやることと費用感
結納は、両家が結納品をやりとりすることで、結婚を大切な人たちに報告するのが「結婚式」だとすれば、結納はふたつの家が新しい婚姻関係を結ぶための約束のセレモニーで「婚約式」のようなもの。親御さまにとっては実は結婚式よりも緊張するものかもしれません。時代劇などで結納を交わすシーンを見ると、とても大変だなと思ってしまいますが、現代は料亭やホテルで儀式を簡略化して行うのが人気です。気になる費用の項目は次のとおりです。
●結納の費用
●両家顔合わせの食事会でやることと費用感
現代式の結納がさらに略されて、儀式的な部分は省き、両家の親睦を深めることを大きな目的としたのが、顔合わせのための食事会です。食事会に特に決まった流れや形式はありませんが、婚約の証として、婚約指輪などの記念品を交換するケースも多いよう。
●両家顔合わせ食事会の費用
●結婚式(挙式~披露宴)の費用について
「結婚式の費用」、なんといってもこれが一番気になりますよね。さまざまなメディアで70名のゲストを招待した時の費用は約360万円というのが平均費用として紹介されていますが、結婚式を挙げる場所(ホテル、ゲストハウス、結婚式場、レストランなど)や選ぶアイテムによって最終的な費用は変わってきます。とはいえ、70人360万円というのはかなりリアルな数字で、料理も飲物も会場に飾るお花などもスタンダードクラスを選ぶとこの価格帯で素敵な結婚式を挙げることが可能です。
●自己資金はどれくらい必要なの?
では、その360万円すべてを自分たちで用意しなければいけないのか、というとそうではありません。70名ご招待の場合、ゲストの方たちからいただくご祝儀を平均3万円で想定すると210万円をまかなうことができるので、実際には150万円の自己資金を用意することになります。ちなみに親御さまに支援していただけるおふたりなら、50万円くらいが平均といわれているので、約100万円のご用意が目安になります。
●予算重視派が気をつけるべき項目は「料理」と「お花」と「衣裳」
「最初にもらった見積もりと最後にもらった見積もりで100万円以上違った」というケースも少なくなく、その要因は主に「料理」と「お花」と「衣裳」です。最初の見積もりで料理のコースを一番リーズナブルなもの、もしくは一番人気のあるスタンダードコースで組み込むウェディング会場が多く、ワンランク上にするとそれだけで人数分の差額が発生します。お花もこだわればこだわるほど用意するテーブル分の差額が発生するので価格アップのポイントに。また、衣裳もSNSなどで情報を見ていくうちに、夢がどんどん膨らんで会場側で用意しているプランの上限をゆうに超えてしまうことも。
●最近の2次会ってこんな感じ
挙式~披露宴の結婚式にお招きできなかった方や結婚式とは違う雰囲気でもっとゲストと楽しい時間を過ごしたいという目的で開催されるのが2次会です。2次会は幹事を自分たちで行うか、ゲストにゆだねるかによって用意するものや費用も変わってきますが、最近は「ゲストに楽しんでほしいから」とおふたり自身が幹事になって準備するケースも多いようです。そうはいっても結婚式の準備と2次会の準備を同時に行うのはとっても大変なこと。そのため2次会の幹事を代行して行う会社に相談しながら進めるスタイルに人気が集まっています。結婚式場からのアクセスがいい会場を選んでもらえて、司会やプログラム作り、景品なども用意してくれるところがほとんどです。
●2次会の参加費はどうやって決める?
2次会を検討し始めて最初に悩むのがやはりお金です。参加費をいくらに設定すればゲストが来やすくなるか、というのがおふたりのお悩みポイントだと思います。2次会の費用は、70名のゲストを招待しての立食形式のパーティの場合、会場使用料や料理、飲物などを含めておおよそ50万円程度。2次会の会費は、全員が着席してコースまたはビュッフェ形式でもてなすのか、または立食スタイルで行うのかで変わってきますが、ほとんどの場合、立食のビュッフェ形式が選ばれています。その場合は、会場の規模やクラス感、もてなす料理やドリンクメニューのバリエーションによって異なってきますが、相場は男性9000円、女性7500円。参加費には料理と飲物だけでなく、会場使用料や景品代なども含んで算出することで、おふたりが捻出する金額も軽減されます。
●新婚旅行の費用の目安
新婚旅行は国内、海外で費用も日数、時期や選ぶツアーによって価格が違ってきます。日本の場合、沖縄や北海道が人気で、アクティビティ代を含んで1週間でふたりで50万円程度(お土産代除く)。海外の場合は断トツでハワイが人気で、4泊6日でちょっといいクラスのホテルを選んで80万円程度。新婚旅行という一度しかない機会だからとお休みを多く取って、アフリカやヨーロッパでゆっくり過ごす方も増えています。時期でいうともっとも高くなるのがゴールデンウィークやシルバーウィークなどの大型連休シーズンとお盆や年末年始の長期休暇期間、また卒業旅行シーズンです。お休みの融通が効く、または旅行代を軽減して少しでも自分たちのために使いたいというおふたりなら、ハイシーズンといわれる時期を外してオフシーズンを狙ってみてください。
<海外挙式・国内挙式別の結婚費用のケーススタディ>
これまでの総まとめとして、実際にかかかった費用をケース別にご紹介します。
(ウエコレブライダルサロン調べ)
(1)海外挙式編
ケーススタディ① エンゲージリング未購入、グアムで海外挙式&1.5次会開催
エンゲージリングは買わないでマリッジリングのみ購入。顔合わせの食事会を行い、挙式はハネムーンを兼ねてグアムで家族と。帰国後に結婚報告を兼ねて1.5次会スタイルの披露宴を開催。
【費用内訳】
合計:225万円
ケーススタディ② エンゲージリング未購入、ハワイで海外挙式&1.5次会開催
新婦にはエンゲージリングを兼ねたエタニティリングをマリッジリングとして購入。顔合わせの食事会を行い、挙式は家族や親族、親しい友人を招いてハネムーンを兼ねてハワイで。帰国後に結婚報告を兼ねて1.5次会スタイルの披露宴を開催。
【費用内訳】
合計:620万円
(2)国内挙式編
ケーススタディ③ エンゲージリング購入、東京で前撮り・結婚式・2次会、グアムに新婚旅行
エンゲージリングとマリッジリングを購入。料亭で結納を行い、結婚式は挙式~披露宴、2次会も開催。結婚式前に和装で前撮りも行い、結婚式後は海外に新婚旅行へ。
【費用内訳】
合計:385万円
ケーススタディ④ エンゲージリング購入、東京で前撮り・結婚式・2次会、スペインに新婚旅行
プロポーズ用の指輪とエンゲージリングを別で購入し、マリッジリングも購入。ホテルで結納を行い、結婚式は挙式~披露宴、2次会も開催。結婚式前に和装で前撮りも行い、結婚式後はスペインに新婚旅行へ。
【費用内訳】
合計:330万円
結婚式の準備って本当に大変ですが、それだけに終えてみると達成感があって、ほとんどのカップルが「もう一回結婚式をやりたい!」とおっしゃるほど。あれだけ気にしていた結婚式のお金も、すべてが自分たちだけで用意しなくても実現できたと、安心されるカップルも多いようです。なににこだわりたいかをはっきりさせて、足し算引き算をしながら上手にやりくりしてくださいね。