どなたかが書いていたので、私もこっそり書いてみる。田舎まじやばい。やばい人は都会にもいるけど、田舎のやばい人からは逃げられないという構造を知っておいて欲しい。
全ての田舎が悪いわけではない、たまたま悪人に巻き込まれただけという論法は「全ての憲兵が拷問するわけではない」と同じだと思います。憲兵であったり人事権を握られた官僚であったりナチスの兵隊であっても一人残らず全員が悪人ではないのでしょう。同じ状況でも踏みとどまることができる人はたくさんいるということと、劣悪な環境はどんな善人も鬼畜にするということは両立する事実ですし、環境が人の行動や倫理を規定するという事実から目を逸らすことは問題を悪化させ関係者を追い詰めます。
こちらの方は性被害にあったようだけど、私は刑事事件でした。目の前で火サスみたいなことがおこって危うく犯人にしたてあげられかけた。全員が犯行現場を目撃していて、凶器の包丁にも真犯人の指紋がべったりだったけど、あの場から逃げなかったらたぶん私が犯人ということになっていたと思う。下手すると警察すら呼ばれず座敷牢に閉じ込められていたかもしれない。
こちらの方の記事でリアルだなと思ったのはこの部分です。
慌ててキッチンに向かうと友人が食事の準備をしていたので、それを手伝ってまたみんなで一緒に昼食をとる。昨日は様子がおかしかったけど、おじいちゃんも機嫌が良さそう。
そんなことを考えていたのも、つかの間だった。
突然、友人が家から飛び出したのだ。食べかけの食事も荷物も、なにもかも置いて走ってそれを追いかける。
犯行の後に何事も無くみんなで昼食をとる、起こったことを隠滅する行為を被害者自らが行ってしまう、そこがすごくリアルだなと。
私の場合、半狂乱になって必死で大声で助けを呼びました。街灯もない田舎道めっちゃ怖かったけど、近所の人が来たら助けてくれるんじゃないかと思って子供達をかかえて隣の家まで裸足で掛けていきました。都会であれば普通に考えて、夜中に突然悲鳴を上げて女子供が逃げ込んできたらとりあえずかくまうとか保護するとかそういう方向に行くじゃないですか普通なら。でも田舎ではそうなりませんでした。
結局彼女は、標高700メートルの山奥から、たった一人で町へ降りたらしい。見知らぬ土地の、地図もあてにならないような道を、たった一人で、自分の足で。
よかった…
友人さんが逃げれてほんとによかった…
知らない山道ほんと怖い。虫とか熊とか崖とか物理的に怖い。私はわりと平地だったけど夜中に子供つれて普段着で獣道走って逃げるのかなり死を覚悟しました。標高700mの山なんてどれだけ怖いだろう。
治安が悪くなったとか文句つけつつも、でもやっぱり日本の警察は被害者を保護してくれるっていう絶対の安心感があるじゃないですか普通。襲われたらとりあえず警察行けば最低限の安全は守られるってなるじゃないですか。
でも田舎ではそれは通用しない。目の前に血のついた包丁を握った人がいるのに、それをスルーしてヨソモノが犯人にされるのが田舎の力学です。悲鳴を上げても誰も助けてくれません。私の悲鳴は私が気狂いであり犯人であることの証明でしかない。
確かにあのときの私は気狂いだったでしょう。本当に恐慌状態のときの悲鳴は理性を無視して喉から迸ります。でもその悲鳴を押し殺すことができなかったらおそらく次は私が殺されていました。
あのときの恐怖、いや、恐怖を自分一人で殺さなければならない孤独、世界中が敵に回る絶望、そういったものが田舎の正体です。