既掲載の活動状況
安全系電動弁(MOV)設計関連サブワ-キンググル-プの活動概要について
BWR事業者協議会においては,米国原子力規制委員会(NRC)が発行したGeneric Letter89-10、95-06を踏まえて,「安全系電動弁(MOV)設計関連サブワーキンググループ」を立ち上げ,安全系電動弁の設計性能評価と定期的検証方法に関する情報共有を図るべく,“駆動力量の評価手法”及び“今後の保全プログラム案”について検討を行ってきました。
この度検討結果が纏まりましたので,その概要について以下に掲載いたします。
この度検討結果が纏まりましたので,その概要について以下に掲載いたします。
- 1.駆動力量評価について
- ・今回検討した仕切弁の力量評価式(1970年代後半に見直されたもの)については、適切な保守性を有していることが分かった。しかし,それ以前の評価式については非保守的な部分を多く含んでいる可能性があることから,1980年代以前に建設したプラントについてMOV駆動力量評価を実施することを目的として、評価手法の標準化・電力間共有を図った。
- 2.保全プログラムについて
- ・弁棒摩擦係数が駆動力量評価に与える影響が大きく、その値はグリスアップの状態で大きく左右されること等、今回の検討により得られた技術的知見について、電力間で情報共有を図った。
中央操作室居住性確認方策サブワ-キンググル-プの活動概要について
BWR事業者協議会においては,中央操作室居住性試験実施方策に関する情報共有を図るべく,中央操作室居住性確認方策サブワ-キンググル-プを設置し,同試験方策に関する議論を重ね、これまでに実施してきた試験結果について知見の整理・共有を進めて参りました。
この程、本サブワ-キンググル-プの活動結果について、今後発電所にて試験を実施していくにあたり、同試験に対する理解を深めるとともに、試験実施時における留意事項等を整理することで、今後の円滑な検査実施の一助とすることを目的として整理致しました。
今後も引き続き、BWR事業者間でwin-winの関係を維持しながら、円滑な検査実施に向け得られた知見の整理・共有を進めて参ります。
この程、本サブワ-キンググル-プの活動結果について、今後発電所にて試験を実施していくにあたり、同試験に対する理解を深めるとともに、試験実施時における留意事項等を整理することで、今後の円滑な検査実施の一助とすることを目的として整理致しました。
今後も引き続き、BWR事業者間でwin-winの関係を維持しながら、円滑な検査実施に向け得られた知見の整理・共有を進めて参ります。
変圧器及び変圧器防災設備信頼性向上サブワ-キンググル-プの活動状況について
BWR事業者協議会においては,新潟県中越沖地震による柏崎刈羽原子力発電所の所内変圧器ダクト火災を踏まえ,変圧器及び変圧器防災設備信頼性向上サブワ-キンググル-プを設置して,変圧器及び変圧器防災設備の被害状況・対策等の情報共有を行うとともに,変圧器の耐震性・防災性向上,大規模な地震後における変圧器の健全性の評価方法について検討を進めました。この度検討結果がまとまりましたので,その概要について以下に掲載します。
- 1.中越沖地震等による変圧器及び変圧器防災設備の被害状況・対策等の情報共有
- ・新潟県中越沖,宮城県沖,能登半島地震における各社被災状況を集約するとともに,兵庫県 南部地震(阪神大震災)の知見である,変圧器基礎ボルトの保有強度の再評価及び必要に応じた補強について各社の対策実施状況を確認した。
- 2.変圧器の耐震性,防災性向上に関する検討
- ・変圧器本体の耐震性向上のためには工場での修理が必要なものの,現行設計を大幅に変更することなく設計地震力の向上が可能であることを確認した。
- ・相分離母線/相非分離母線接続部に関する相対変位対策について取りまとめた。
- ・変圧器と相分離母線/相非分離母線基礎は一体もしくは岩盤支持の基礎から支持することとした。
- ・火災発生防止対策(相対変位対策),火災の検知及び消火対策(総合資源エネルギー調査会原子力安全・保安部会中越沖地震における原子力施設に関する調査・対策委員会中越沖地震における原子力施設に関する自衛消防及び情報連絡・提供に関するワーキンググループにおけるアクションプラン等)を実施することにより速やかな消火が可能であると考え,火災の影響の軽減(防火壁,類焼防止装置の追加設置等)は必須対策としないこととした。
- ・新潟中越沖地震による絶縁油の地下漏洩状況と対策案をもとに,変圧器絶縁油の構外拡散防止策選定の判断フローを作成した。
- 3.大規模な地震後における変圧器の健全性評価方法の検討
- ・大規模な地震後における変圧器の標準的点検箇所,点検方法の策定と健全性評価手法を検討し,設計値未満の地震加速度に対しては点検不要であり,その判断のために変圧器エリアへの加速度計設置が有効であることを確認した。
制御棒引き抜け事象に関する対策と対応状況の概要
BWR事業者協議会においては、プラント停止中における予期せぬ制御棒の引き抜け事象について、BWRプラント共通の重要な事象であるとの認識のもとに、本事象の対応を検討するサブワ-キンググル-プを昨年設置して、原因究明と再発防止対策について検討を進めました。
本事象は、プラント停止中に制御棒駆動機構等の点検や各種検査のために制御棒駆動機構へ駆動水を供給する水圧ラインの弁を多数閉める操作を実施した際に、水圧ラインの系統圧力が上昇することが要因となっています。現在、BWRプラント所有の各電力会社においては、既に本事象の対策として、水圧ラインの圧力上昇防止のためにリターン運転(※1)などを実施しております。
当協議会では、この対策が有効であること、および対策の実施が徹底されていることを確認しておりますが、プラントの安全管理に係る一層の信頼性向上の観点から、以下のとおり運用面(ソフト)、設備面(ハード)の両面から更なる再発防止対策を抽出・実施しています。
(※1)リターン運転
水圧ラインから原子炉給水系等に連絡している配管の弁を開けて水圧ラインの圧力上昇を防止する運転。プラント運転中はこの弁を閉めている。
本事象は、プラント停止中に制御棒駆動機構等の点検や各種検査のために制御棒駆動機構へ駆動水を供給する水圧ラインの弁を多数閉める操作を実施した際に、水圧ラインの系統圧力が上昇することが要因となっています。現在、BWRプラント所有の各電力会社においては、既に本事象の対策として、水圧ラインの圧力上昇防止のためにリターン運転(※1)などを実施しております。
当協議会では、この対策が有効であること、および対策の実施が徹底されていることを確認しておりますが、プラントの安全管理に係る一層の信頼性向上の観点から、以下のとおり運用面(ソフト)、設備面(ハード)の両面から更なる再発防止対策を抽出・実施しています。
(※1)リターン運転
水圧ラインから原子炉給水系等に連絡している配管の弁を開けて水圧ラインの圧力上昇を防止する運転。プラント運転中はこの弁を閉めている。
- 1.抽出した運用面(ソフト)の対策
- ・水圧ラインの弁操作においては、水圧ラインの圧力や制御棒位置等の監視を確実に実施する。
- ・水圧ラインの弁操作手順を見直し標準化を図る。
- ・水圧ラインの圧力上昇を示す警報が発生した際の対応を明確化する。
- ・水圧ラインの弁を多数操作する機会を減らすための手順等も含めてプラント停止中の作業を検討する。
- 2.抽出した設備面(ハード)の対策
- ・水圧ライン圧力の「高」またはと「低」を検出した際に発生する警報が「高/低」の一つになっているプラントは、制御棒引き抜け防止の対応に重要な「高」警報を明確化するために警報を分離する。
- ・一層の信頼性向上のために、仮に水圧ライン圧力が何らかの原因で上昇した場合に自動で圧力上昇を防止するよう詳細検討を実施した上で設備改造を行う。
- 3.BWRプラント所有の電力会社における対応状況
- ・手順書の改訂等の運用面の対策については、各社実施済み。
- ・設備面の対策のうち警報の分離については、警報が分離されていないプラントは至近の定期検査で実施する。
また、水圧ラインの圧力上昇防止に向けた設備の改造は、各社の設備や運用への適合性を勘案し適切な対策を選択した上で順次行う。