ライフコラム

子どもの学び

慶応大に進学した“ビリギャル” その後の物語

2014/5/6

 小林さやかさん、26歳。名前を聞いてピンと来る人は少ないだろうが、彼女があの“ビリギャル”だ。30万部を超えるベストセラーとなっている「学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話」(坪田信貴著、KADOKAWA刊)で取り上げられた、ギャル本人である。放蕩(ほうとう)娘の面影は今はなく、どこにでもいるOL風のいでたちでインタビューに現れた。慶応に入ったビリギャルの、その後の物語とは―。
ビリギャル 小林さやかさん
高校時代の小林さやかさんのプリクラ

 「君はね、人間のクズだよ」。名古屋では有名な中高大エスカレーター式のお嬢様学校でさやかさんが中学3年の時、こんな言葉を校長から投げつけられた。髪を金色に染めてクルクルと巻き、スカートをたくしあげた格好でタバコをふかす。異性との交際も見つかっての無期停学を言い渡された際。「母を悲しませたことは反省したけど、あんたは関係ないだろ、クズと言われるほどのことか」と反発した。

 そもそも中2までは「赤い縁の眼鏡をして地味な方だった」。ソフトテニス部で毎日真っ黒になるまで練習、遊ぶ時間もない。道を外れ出したのは、中3でギャル風の子が同じクラスになり、仲良くなったことが大きい。自分も取り残されまいと派手になった。また、男女を問わず他校の友達との交遊が広がり、タバコをはじめとするいろんな遊びも覚えた。夏に部活を引退すると、一気に「はじけた」。

 もうひとつ、グレた理由としてあったのが、両親の不和だ。起業した父は仕事で忙しかったうえ、弟を溺愛し、さやかさんと妹をほったらかしにした。高校まで野球をしていた父の夢は、弟をプロ野球選手にすること。そのため野球チームのコーチとして、弟を厳しく指導する。母はそうした教育方針に反発、やりたいことを自由にやらせたら、と進言したが、「俺に任せとけ、お前は黙っていろ」と言うばかり。

 両親の溝は広がり、さやかさんも「家に帰りたくなかった」。父と顔を会わせれば必ずけんか。夜中に、友人とのたまり場へ迎えに来た父を「くそじじい」と罵ったこともある。

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