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ペルー大統領が辞任表明 汚職疑惑、罷免採決前日に
2018年3月22日 7:35 発信地:リマ/ペルー
【3月22日 AFP】(更新)ペルーのペドロ・パブロ・クチンスキ(Pedro Pablo Kuczynski)大統領(79)は21日、国民に向けた演説で、辞任を表明した。同国議会では翌日、同大統領の罷免決議案が採決される予定だった。
ニューヨークで銀行員として働いた経験を持つクチンスキ大統領は、ブラジル建設大手オデブレヒト(Odebrecht)から賄賂を受け取ったとの疑惑で批判を浴びていた。同大統領は演説で、収賄疑惑を否定しつつ、自身の辞任は「国にとって最良のこと」だと述べた。
ペルーでは各政党に対する有権者の不満が広がっており、選挙の早期実施を避けるため、現在駐カナダ大使を務めるマルティン・ビスカラ(Martin Vizcarra)副大統領が新大統領に就任する可能性が高い。
クチンスキ氏に対しては、買収により罷免決議の反対票を集めようとしているとの疑いが野党側から掛けられ、辞任圧力が高まっていた。
ケイコ・フジモリ(Keiko Fujimori)氏が率いる野党フエルサ・ポプラル(Fuerza Popular)は、同氏の弟ケンジ(Kenji Fujimori)氏らが公共事業契約について政府職員と交渉している場面を捉えたとみられる動画を公表し、買収を示す証拠だと主張していた。
この動画は、昨年12月に行われたクチンスキ氏に対する前回の罷免決議案採決より前に録画されたもの。クチンスキ氏はこの採決で、ケンジ氏の助力を得て罷免を免れていた。
クチンスキ氏はその数日後、ケンジ氏の父親で、人権侵害の罪により収監されていたアルベルト・フジモリ(Alberto Fujimori)元大統領の恩赦を発表。恩赦は自身への支持に対する見返りだったとの見方が広がっていた。(c)AFP