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 資生堂が今後3年間で約520億円のデジタル関連投資をすると発表した。2018年3月5日に発表した2020年度までの中期経営計画で明らかにした。同日に開催した記者説明会で、魚谷雅彦社長はビジネスや業務のデジタル化を「今後3年間の最優先事項として進めたい」と意気込んだ。

資生堂が中期経営計画で発表した主な数値目標
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 投資の内訳はデジタルマーケティング関連が250億円、EC(電子商取引)基盤確立や各国のシステム統合などが270億円だ。2017年度のEC事業は全体の売上高に占める割合が8%程度。これを2020年度に15%にする。2020年度の連結売上高見込みは1兆2000億円超。達成すれば1800億円をECで売り上げることになる。中国市場に限ればEC化率の目標は40%だ。

資生堂は「世界で勝てる会社」を目指し事業のデジタル化を急ぐ
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 デジタルマーケティングには「テレビや雑誌向け以上に投資を増やしていく」(魚谷社長)。具体的には世界統一基盤のCRM(顧客関係管理)システムを構築する。「ブランドごとに顧客の興味関心や購買状況が一瞬で分かり、それらの数字をブランドごとに追跡できる仕組みを作る」(魚谷社長)。モバイル機器の活用や情報共有システムの整備を通じた働き方改革も進める。