独バイエルのモンサント買収、欧州委が承認

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2018/3/21 21:34
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 【ブリュッセル=森本学】欧州連合(EU)の欧州委員会は21日、医薬・農薬大手の独バイエルによる種子大手の米モンサントの買収を承認した。バイエルは2016年9月に買収で合意したが、EU競争法(独占禁止法)に違反する懸念があるとして欧州委が調査に入り、買収完了が遅れていた。世界的な農薬・種子業界の大型再編が実現に向けて前進する。

 バイエルのヴェルナー・バウマン最高経営責任者(CEO)は欧州委の承認を受けて「大きな成功であり、重要な節目だ」との声明を公表した。18年4~6月期の買収完了を目指す方針を示した。

 バイエルは16年9月にモンサントを約660億ドル(約7兆円)で買収することで合意していた。だが農薬や種子などの分野で競争が妨げられ、販売価格の上昇や技術革新の停滞につながる懸念があるとして、欧州委が17年夏に本格的な調査に着手。バイエルが当初は17年中とみていた買収完了が大きく後ずれする事態となっていた。

 欧州委の懸念に対応するため、バイエルは17年10月、ライバル企業である欧州化学最大手の独BASFに農薬・種子事業の一部を59億ユーロで売却する譲歩案を提示。それでも欧州委が十分でないと判断し、18年3月はじめにはBASFにさらに野菜種子事業も売却することを表明。欧州委はこうした事業売却を条件に買収を承認した。

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