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割安中古マンション買う前に 「隠れ借金」こう見抜く 修繕積立金不足で数百万円の追加負担も

2018/3/22

都内のリノベーションマンションの一例。築31年の物件にリノベーションを施した(写真提供:ハウスマート)

 中古マンションを大規模に改修した「リノベーション(リノベ)マンション」が人気を博している。設備は最新、価格は割安ということで、若い子育て世代などから引き合いが強い。ただし、安いからといって飛びつくと、思わぬ損をする可能性もあるという。中古マンション仲介サービス「カウル」の運営を手掛けるハウスマート代表取締役CEOの針山昌幸氏に、リノベマンション購入時の注意点を解説してもらった。

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 不動産業界では今、空前の「リノベーションブーム」が巻き起こっています。間取りを含めてマンションの居室を大きく改築し、新築マンションと同じような快適性、新しさを手に入れた「リノベーションマンション(リノベマンション)」が数多く流通するようになっているのです。

 リノベマンションの魅力は、何と言っても価格の安さ。築20~30年の物件であれば、新築マンションの6~7割程度の価格で手に入れられることも珍しくありません。都心部の新築マンションは値上がりが続いていることもあり、割安で手に入るリノベマンションが注目を集めているのです。

リノベマンションの一例。築31年の物件を大幅に改装した。東京23区内、駅徒歩10分

 また昨今は、大規模な新築マンションを建てられる土地が減って、駅近などの好条件の物件が出にくくなっています。ですが、まだ土地に余裕があった時代に建てられたマンションは好立地の物件も多く出回っています。こうした点からもリノベマンションに着目する方が増えているようです。

 しかし、そんなリノベマンションも選ぶべきポイントを知らないと、後で大きな出費を迫られることがあります。キーワードは「隠れ借金」「1984年」「55平方メートル」の3つ。それでは詳しく見ていきましょう。

■借金マンションだと数百万円の追加負担も

 さて、1つ目のキーワード、「隠れ借金」。実はリノベマンションの中には、これまでの管理が不十分で、管理費や修繕積立金などに滞納があったり、修繕積立金が不足しているなど、外からはわかりにくい「借金」を抱えているケースがあるのです。

 一般に分譲マンションでは、管理会社などが住民から管理費と修繕積立金を毎月集め、日々のさまざまな管理に使ったり、将来の大規模修繕に備えています。ただマンションによっては、経済的な問題などからこれらの支払いを滞納している入居者もいるのが実情です。滞納金はマンションにとっては「負債」……わかりやすく言えば「借金」ですが、この借金は中古マンションの購入者が背負うことになります。買うときにはなかなか気づかないため、「買ってみたら『隠れ借金』マンションだった」というケースが起こりえるのです。

 
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