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希少種の再発見も 中池見湿地で研究報告

中池見湿地で確認された生物について説明する中池見ねっとの担当者=敦賀市樫曲で

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 ラムサール条約に登録されている敦賀市樫曲の中池見湿地でフィールドワークをしている研究者らが二十一日、同湿地内のビジターセンターで、生息する動植物などについての成果を発表した。

 湿地を管理するNPO法人「中池見ねっと」のメンバーは、近年再発見された生物を報告。国内で初観測されながら、一九九九年以降採集できていなかったナカイケミヒメテントウが今年三月に見つかり「すみかのヨシを維持していたからだろう」と分析。九〇年代以降見つかっていなかったハッチョウトンボとネアカヨシヤンマも見つかったという。

 ラムサール条約の登録要件にもなっている渡り鳥「ノジコ」など鳥類を十九年観測している日本鳥類標識協会員、吉田一朗さん(57)=金沢市=は足環を付けたり、見た目や鳴き声から判別したりする自身の手法を紹介。湿地近くを今後、北陸新幹線が通ることなどに触れ「同じ条件で調査を続けることが大切」と訴えた。

 報告会は市が主催し、約七十人が参加。県内外の大学教授や大学院生らも成果を報告した。

 (米田怜央)

 

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