米Facebookのマーク・ザッカーバーグCEOは3月21日(現地時間)、17日にメディアが報道した5000万人分のユーザー情報がデータ解析企業Cambridge Analytica(CA)に不正に利用された問題について、自身のFacebookで初めて触れ、対策を説明した。
900ワード以上の長文だが、謝罪の言葉はない。CAの手に渡ったレベルの個人情報収集は2014年の段階で既にできないように制限済みだが、「われわれは過ちを犯した。さらにやるべきことがあり、改善する必要があるのでそれを実行する」と語り、今後の対策について説明した。
ザッカーバーグ氏は投稿の前半で事の経緯を説明し、「これは(Facebookアプリで収集した情報をポリシーに反して第三者に売却し、2015年に削除したと言いながらデータを削除しなかった)アレクサンドル・コーガン博士と(同じくデータを削除しなかった)CAによるFacebookに対する背任行為だが、Facebookで自分のデータを共有し、Facebookがそれを保護すると期待したユーザーに対するFacebookの背任行為でもある。われわれはそれを修正する必要がある」と語った。
その後、3つの対策について説明した。対策についての詳細は関連記事を参照されたい。
まず、2014年のデータ入手制限以前に個人情報にアクセスしたすべてのアプリと、疑わしい行為のあるすべてのアプリを調査し、この調査に応じない開発者はFacebookから締め出す。不適切な個人情報利用が判明したアプリについても提供を停止し、それらのアプリのユーザーに報告する。コーガン氏のアプリ経由で個人情報をCAにわたされたユーザーにも報告する。
次に、開発者がアクセスできる個人情報にさらなる制限をつける。例えば、ユーザーが3カ月アプリを使わなければ、そのアプリからはユーザー情報にアクセスできないようにする。また、アプリにサインインする際に必要な情報を、ユーザー名とプロフィール画像、メールアドレスだけにする。開発者に対しては、アプリごとに契約書に署名させる。
3つ目は、ユーザーに自分がどのようなアプリを使って、どんな情報を提供しているかを自覚させるために、ニュースフィードのトップに利用アプリ一覧を表示する。これは向う数カ月中に実施し、この一覧から不要なアプリを手軽に削除できるようになる見込み。この機能は既にユーザーの[設定]→[アプリ設定]にあるものだが、これを全ユーザーに見せるための対策だ。
ザッカーバーグ氏は、個人データ流出はFacebookの非ではなく、ポリシーに違反したコーガン氏に問題があるという見解のようだ。だが、2015年に個人データがCAの手に渡った段階でなぜユーザーにそれを報告しなかったのかなどの疑問が残る。米国では上院議員やニューヨーク州など複数の州司法長官らがFacebookに対し、この件について説明するよう要請している。
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