アプリストア停止という制裁。
イラン在住のiPhoneユーザー達は、アプリストアからアプリをダウンロードすることができない状況にあるようです。このことを、米Gizmodoが確認しています。
Bleeping Computerがイラン在住のセキュリティ専門家に取材して報じたところによると、現在はVPN経由でのみ、アプリストアにアクセスが可能なんだそう。ユーザの位置情報をマスクするVPNを使うとアクセスができるということから、地理的な条件によって停止措置がとられていると推測されています。
米Gizmodoも独自にテストを行なった結果、アプリストアの停止を確認することができました。これがApple(アップル)によるものなのか、Appleがこの状況を認識しているのか、確認のコメントを求めていますが返答はなく、実態はまだ明らかになっていません。Appleのサポートチームに質問をしたところ、地域ごとの利用可能な機能リストのページを参照するように指示されました。が、そもそもこのページにイランが載ったことはないんですよね…。
アメリカの制裁によって、Appleはイランで製品の販売を行なっていません。出回っているApple製品はほとんどが香港から輸入されています。これまでの報道によると、iPhone 8とiPhone 8 Plusが発売されたとき、グローバル・ローンチから24時間以内にはイランで入手可能になっていたそうです。Apple製品に関しては制裁があろうとなかろうと、国に入ってくるわけですね。しかし、これまでアプリストアは制裁の影響を免れていたのでした。そんななか、アプリストアの停止ということで何らかの動きがあったのかもしれません。ただし、イラン政府が課している検閲もあって、イランのインターネットユーザーたちはVPNをよく使っているため、今回のストアの停止もそれほど大きな影響はないだろうとのこと。まさかこんな形で検閲が役に立ってしまうとは、まさに怪我の功名です。どんな状況でも人はたくましくサバイバルするものですね…。
Image: ymgerman/Shutterstock
Source: Bleeping Computer, Apple, Financial Tribune, The New York Times
Dell Cameron - Gizmodo US[原文]
(塚本 紺)