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セキュリティ・キャンプの審査基準について個人的に思う事

twitterのDMで以下のような質問を頂いたのだけど、多くの学生さんが似たような事を思ってるだろうな、と感じたので、こちらに転載させてもらいました。(質問者の方の同意を得ています)

原文ママです。

 

はじめまして。seccampについてです。様々な価値観の人に出会える、成長ができるというところに惹かれて参加して見たいと思ったのですが、審査の用紙を見て見たところ、僕はseccamp参加できるような基準に達していないのではないか、と心配になってきました。
最近流行りの(?)「応募課題晒し(審査に使う応募課題をネットに公開すること)」を見てみると、サーバーを作ってたり天体シミュレーションを作ってたり...。
僕は自作パソコンやhtml/cssの簡単なサイト、自作OSの本を読んだくらいの経験しかないのですが(今まで何をやってきたんだという話ですね...)、seccamp に参加できるレベルに達しているのでしょうか...?
というより、seccamp に参加するための審査では、「今まで作ってきたもの」が大きな審査基準になるのでしょうか?
(この質問をしている時点でseccamp に参加できないと言われてしまいそうですが、その通りです)
(この質問が不適切だと思った場合、無視してください。僕の勝手な質問なので)

 

これに対する僕の回答。

 

こんにちは。ご質問ありがとうございます。
「どのレベルならセキュキャンに参加できるだろうか?」という事ですよね。
個人的な意見として答えさせてもらうので、その点はご了承ください。

 

まず、「セキュキャン参加に必要なレベル」という基準は存在しません。選考を担当する講師の裁量による部分が大きく、「学生のこういう側面を評価する」という評価基準は、講師ごとに異なります。
なので「どのレベルだとキャンプに参加できるのか」というのは、自分の興味のあるゼミの課題文を読んでみて、「この講師はこういう事を学生に求めているのだ」という事を分析してみると手がかりが掴めるかもしれません。
僕が思うに、多くの講師の方は「今の実力」よりも「これからどれだけ伸びるのか=伸びしろ」を基準にしているように思います。講師も人間なので、自分が教えた学生が凄く成長してくれる様を見たいわけです。
もちろん、実力がある人は将来性もあるので、自然と審査に通りやすくなるでしょう。でも、熱意/やる気もまた、重要なファクターだと思います。

 

次に「熱意/やる気をどう評価するか」ですが、「僕はやる気があるんです!」よりも「僕はやる気があるので、こんな物を作ってみました!」という応募用紙の方が講師の目にとまりやすいのかな、と思います。
やりたい事を頭の中に思い描いているだけの人と、実際に手を動かしている人とでは、熱意に差があるわけです。そういう意味で、「今まで作ってきたもの」が審査の際に考慮される事もあるかもしれません。
こう書くと、「自分は大した物を作った事がないから...」と落ち込んでしまうかもしれませんが、大事なのは「何を作ったか」ではなく「どうしてそれを作ったのか」だと思います。
「○○が良く分からず、作ってみたくなったので作りました」「自分だったらもっと良い○○が作れそうなので作りました」というような知的好奇心を感じさせるような文章は、作った物の凄さはさておき、講師にとって魅力的に感じられると思います。
もう一度繰り返すと、大事なのは「今の技術力」ではなく、「今後の伸びしろ」です。

 

プログラミングやコンピュータに対する熱意が伝わるような(「講師に伝わるように」書くのも大切ですね。心の中の熱意を講師がテレパシーで読み取る事はできないので)応募用紙を書けば、十分キャンプに参加できると思いますよ。

 

追伸:
僕がセキュリティ・キャンプに参加した時は、自作パソコンと簡単なサイトと自作OSの本を読んだくらいの経験しか無かったです。あ、あと多少ゲームを作った事がある、くらいかな。
是非今年のキャンプに応募してください。


 追記:

セキュリティ・キャンプなのに、セキュリティの話をするのをすっかり忘れてました。
僕がキャンプの話をする時に、何時もセキュリティのコンテキストを抜かしてしまうの良くないですね。
応募者の皆様におかれましては、セキュリティへの熱意に溢れた応募用紙を書いて頂ければと思います。

 

更に追記:
一部編集しました。