ちょっと国債って難しそうだけど、前回の記事で債券全般について簡単に基礎的な部分をまとめてみた。
国を運営するっていうのは、会社運営や俺らの家計の運営と一緒で、支出があって、それをまかなうための収入があるという点は全く一緒。日本の問題は収入よりもはるかに多い支出があるため、収入以外に借金しないとやっていけないのが現状で、そんな日本は多くの国債を発行している。
今回は日本の国債ってどんな感じか簡単にポイントだけまとめてみた。
債券全般については以下に簡単にまとめたことがあるが今回は日本の国債について。
oredatte.hatenablog.com
日本国債は誰が買えるのか?
個人向け国債というものは普通の証券会社でわれわれ一般人が買えるけど、ふつうの日本国債は入札方式により銀行・証券会社・生損保等の金融機関が購入し、これがその他の機関投資家や個人に販売されるようだ。
新規に発行されるもの以外に市場で流通している国債を買うこともできる。中古のパソコンや車とはちょっと違うが転売市場という形で需給で国債の価格が決まって売買が行われている。日銀による買いオペレーションも流通市場では大きな存在だ(最近は日銀はETFというようは株もガンガン買っているけど)。
昔はリアルな紙で発行していたらしいけど、現在は国債のペーパーレス化により、証券での受け渡しはされなくなっているようだ。リアルな国債も銀行とか証券会社で保管してくれるみたいだけど保管料はとられるし基本は株と同じく電子データでの取引みたいだ。
日本はどれくらい国債を発行しているか。
日本政府は今年は150兆円ほど新規の国債を発行する計画のようだ。単位が実感が湧かないけど、2017年は145兆円だったようでこの数年間徐々に下落傾向にはあるみたいだ。このうち、一般会計予算という支出の財源不足を補うための新規国債発行額は33兆円程度で、結構税収が増えているということで国債の発行額が少なく済んだというような状況らしい。今年は上記の150兆円の新規国債のほかにも、既に発行した国債の償還資金に充てるための借換債が103兆円あるようだ。
ちなみに日本の支出は97兆円だけど、税収が63兆円しかない。差額は34兆円は国債を発行するなどして資金を調達をしているのが現状だ。この63兆円の大部分が3つの支出から成り立っている。1つは社会保障費で年金、医療、介護の費用。2つめは国債費で発行した国債の元本を支払ったり利払い。3つ目は地方交付税の交付金。これは税収が少ない地方が最低限の生活が送れるように政府の支援。
この税収が今の見立てよりも少なくなれば、より借金に依存した家計になってしまうので、例えば大幅消費税の増税をして経済が冷え込んだり、例えばリーマンショックのようなものがもう一度起きてしまうと、さらに借金を積み増して家計をやりくりする必要が出てくる。あとは円高で企業が儲からなくなると法人税も減ってしまうリスクがある。
日本の国債の世界的な格付けは何位くらいか
日本はおもな格付け会社3社の格付け会社からの評価でだいたい25位くらいにつけている。実は中国、韓国、イギリスなどよりもだいぶ下である。格付け一位はドイツ。そのあとに北欧勢がきて、シンガポールやカナダがきて、アメリカは10位くらい。その下に中国や韓国やイギリスがあって日本は25位近辺をうろうろしている。メキシコ、スペイン、イタリア、インドらよりは格付けは高いが、25位というのは感覚的にあっていただろうか?もうちょっと上かと思っただろうか。
最近の格付けトレンドはどんどん下がっている。S&P、ムーディーズ、フィッチっていうのがおもな格付け会社だけど、過去10年間下げる傾向にある。
2007年10月 米S&Pは、日本国債の格付けを、最上位から2番目の「AA」、ムーディーズは21段階中4番目の「Aa3」。
2009年5月 ムーディーズは円建ての日本国債の格付けを「Aa2」に格上げ
2011年1月 米S&Pは、財政悪化懸念を理由に1段階引き下げて「AA-(ダブルAマイナス)」
2011年8月 ムーディーズは日本国債の格付けを1段階引き下げ「Aa3」とした[51]。
2012年5月 フィッチは日本の財政再建への取り組みが遅れているため1段階引き下げ「A+」
2014年12月 ムーディーズは財政赤字の中期的な削減目標の不確実性UPで1段階引き下げ「A1とした。
2015年4月、フィッチは日本政府が消費増税を先送りしたが、穴埋め策を講じなかったとして1段階引き下げ「A」
2015年9月、米S&Pはさらに1段階引き下げ「A+」
現在はムーディーズがA1、S&PがA+、フィッチがAという格付けになっている。これはどれくらいかというと上から3つ目くらいの格付け。これ以下になるとAではなくBになるような水準感と理解して良いと思う。
このまま日本の国債の格付けが下がると、国債に高い金利をつけなくては誰も買ってくれなくなる懸念はあるだろう。
ただし現在日本の国債の引き受け手は日本人だ。だからこの格付けにどれだけ意味があるか分からないのも事実。ギリシャのように海外の国や金融機関が国債をもっていたら、格付けが下がったら一気に売るだろう。そうして金利が大幅に上昇する懸念が湧いてくるのだ。
いつまで今の体制で日本もいけるか次第だろうけど、簡単ではない問題だといえるね。
今日も忙しいところありがとうございます。
何となく国債について知識ゼロの状態から理解が深まってきた気がする。
次はアメリカの財政についても少し基礎的な部分を理解しておこうかな。
またお立ち寄りください。