2018-03-21

幸色のワンルーム実写化について

幸色のワンルーム

https://twitter.com/89hakuri/status/778170639035330560

『幸色のワンルーム』は、はじめはTwitterで『世の中いろんな人がいるという話』というタイトルで発表された漫画作品であり、

誘拐された女の子誘拐犯の男に恋愛感情を抱き、自らすすんで誘拐犯のもとに留まる」というストーリーだ。

1話の発表は2016年9月20日である

このストーリーから想起されるのは、朝霞市女子中学生が2年にわたり監禁されていた事件について

インターネット上で一部の人間が得意気に語っていた「誘拐監禁ではなく同棲である」という説だ。

この実在事件の発覚は2016年3月27日

2016年8月24日には監禁致傷罪での起訴が決定し

2016年9月27日には初公判が行われている。

作者本人は事件との関連について以下のように語っている。

https://twitter.com/89hakuri/status/780717186537000960

この漫画は実際の犯罪肯定するものではなく、あくま物語世界の話であるので、現実とは切り離して見ていただけると嬉しいです。

不快にさせてしまったのならすみません



本人はおきまりのように「この作品フィクションです」とは語っているが、実際の事件とそれを取り巻くセカンドレイプ的言説から影響がないとは断言していない。


もちろん影響の有無など本人の心の中の話だし、

作者に「私は2006年全くニュースを見ていなかったし、Twitterなどからもそういった言説を見なかった、そんな話があったなんて全く知らなかった」

と言われたらそれを否定する材料はない。

だが、明らかに、あの事件とそれを取り巻く言説がなければ、

この作品話題にはならなかったと思われる。

というのも、この作品漫画としてのレベルは決して高くないからだ。

顔のアップが多く表情がワンパターンで、

すべての感情冗長モノローグ吐露され、

「私とお兄さん」以外の人物ほとんど悪意しか持ち合わせないゾンビのように描かれて作品世界に奥行きがない。


それでもなぜ持て囃されてしまたかと言えば、

第1に「実在事件を想起させたから」であり

第2に「家族からの逃避と二人だけの世界への耽溺」というテーマが、思春期少年少女一部の人間に心地よいものだったからと思われる。


私はフィクションへの逃避を否定するものではないが、

しかし第1の理由がある限りこの作品肯定できない。

(実在事件を扱うこと事態否定するのではない。

 影響されていようがいなかろうが、まだ判決さえ出ていない事件について

 あまりに無思慮で軽薄で周囲への影響を考えない浅はかな発表のしかたを否定している。

 あの内容で、同じ年に起きたあの事件ほとんどの人が全く思い出しませんでした、

 関連づけて考えられるなんて思いもしませんでした。と読者も作者も口を揃えていうのなら

 感染性の記憶障害かなにかを疑わなければなるまい)

ここまでは苦々しく思いはしても個人のことだから諦めはつく。

だが、出版社から書籍化、そして実写ドラマ化をするにあたっては

いい大人が揃いも揃って何をやっているのだと言いたい。

実際に被害者がいる事件を、まだ解決さえしておらず被害者が療養を強いられている真っ只中の事件を、

ツイッター上できゃっきゃと浅はかなネタにするばかりでなく、ドラマ化する?

まさかテレビ放映なのか?

バズったから、ファンがついて漫画が出てるから

次はドラマしましょうというのだろうか。

それはあまりにも、あまりにも、バカ所業ではないだろうか。

せめてネット放映など、見たい人しか目に入らない仕組みであることを願うばかりだ。

  • anond:20180321152456

    確かにあの漫画キモいし見た瞬間不快になる要素いっぱいだけど、 それ言ったらTwitterから人気が出た漫画のほとんどがキモいんでいちいち噛み付いててもしょうがないかなと思う。 い...

  • anond:20180321152456

    醜いねえ

記事への反応(ブックマークコメント)

 
 
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