私が18歳で警察官として社会に出た時、
まるっきり無知で無防備な状態でした。
ほぼほぼ全裸。
社会は厳しいとは聞いていましたが・・
「あっ死んだな・・・」
そう思う場面が何度もありました。
しかしそれは『警察』という
特殊な環境下だったからではありません。
社会に出ると本気で殺しに来る大人がいる。
きっとどこの会社にもいる。
それは怒れる上司か?
嫉妬に狂う先輩か?
無能で無責任な同僚か?
無理難題を要求してくる顧客かもしれない。
やる気と才能溢れる若者が、
社会に出た瞬間、
人を殺したことの無い殺人鬼が
目の前に現れて・・
そいつにグサリ!と
やられてしまう。
若者の明るい未来が
そこで幕を閉じるわけです。
今年も恐らく日本のどこかで人知れず、
潰されてしまう若者はきっと何千といる。
・・こうしてなんやかんやと
つらつらと文章を書いていると、
これから働きだす若者から
連絡を貰う事も増えました。
▼先日もこんな相談(笑)が来ました。
やはり特に警察官志望の若者に
このブログは読まれているようだ。
ありがたい。
けっこー諸所から連絡来ます。
ああっ・・・・・・・・
このブログが及ぼす
日本警察への影響力の強さよ・・・・・
(ごめんなさい。)
まぁまぁ・・・そんなワケで、
これから社会に旅立つ
若者の気持ちになってみた。
今から10数年前・・・
警察官になったばかりの
18歳の自分へ、
今どんなアドバイスを言うか?
『1つ』考えてみた。
これから社会に出る若い自分に、
1つアドバイスをするならコレだ。
『正しさにこだわるな』
社会やら人の為になる仕事をしよう。
『正しいことをしよう』
そう志を持っている若者は多いと思う。
警察官を目指した私も、
少なからず正義感が強い人間でした。
しかし社会に出てみると・・・・
うーんなんでかなぁ?
正義が負けるんだよなぁ・・
おっかしーなぁー・・・・
18歳の自分に対して、
わかりやすく説明してみよう。
高校生3年生の時に部活動で、
イジメられてる後輩を助けたね?
それがキッカケで部活仲間から
仲間ハズレにされたろ?
後輩をイジメていたのが、
強い権力を持った部長だったからだ。
部長は何も言わずイジメを辞めた。
でも・・・・他の部員を引き連れて、
私を無視するように部長は仕向けたね?
結局『イジメが止まった』んじゃなくて、
イジメの対象が自分に移っただけだった。
同じように社会に出てから、
無暗に正義を振りかざすと・・・・・・
もっと酷い目に合う。
社会で 正論を言う新人なんて、
しょせん『団結を乱す邪魔者』でしかない。
職場で自分が正しい意見をハッキリ言えば、
表面上は先輩たちも褒めてくれると思う。
「自分の意見をしっかり言えるんだな!」
「若いって良いなぁ~気に入ったぞ!」
「おう、なかなか骨のあるやつだな!」
なーんてね。はは・・・・
でもこれは・・・
自分の器の大きさを示すため、
口でそう言ってるだけ。
内心は
「生意気なヤツだ!」と憤慨して。
「こらしてめてやろう!」と、
そう思う人が大半なんだ。
先輩や上司にこう思われてしまうと、
ただじゃすまない。
徹底的にイジメられて。
会社を去るだけでは済まされない。
パッカーン
あと、イジメから助けた後輩。
その後10年に渡って、
「せんぱい~女紹介してくださいよ~」
としつこく連絡してくる。
あげく自宅にまで電話をしてくるぞ。
あの時にイジメから助けたこと、
一切お前に感謝なんてしていない。
別に感謝されるためにしてないよな。
わかってる!だけど・・・・
『いつでも自分を助けてくれる都合の良い人』
ずーっとそう思われ続けるのは辛いぞ。
この社会は
『理不尽』オブ『理不尽』
『不条理』オブ『不条理』
正しいと思ってしたことが、
自分に悪影響を及ぼすことは多い。
例え間違っていても権力者には逆らわず、
媚びて、媚びて、媚びて、媚びて。
少しづつ力を蓄えるしかない。
正義中毒のお前は・・・・・・・
職場で理不尽な目にあってる人を見かけると・・
『正しいと思ったこと』をしたくなるだろう。
でもお前に・・・・
その場を覆せるような能力は無い。
いやぁまぁ・・そんな人間そうそういない。
せいぜい高校の時と同じように、
理不尽な目に合ってる子の代わりになって、
『理不尽の矛先を自分に向け直す』
それくらいしか出来ない。
正しいことは、静かにそっと
『出来る範囲』でやれば良い。
大きな声をあげず・・・・・
理不尽な目にあった子の所に行って、
コーヒーでも差し出して
愚痴でも聞いてやれ。
それがお前の正義の限界。
で・・・・ 18歳の私よ、
10数年後の私が何をしてると思う?
最近はエライ人の前にひざまずいて、
クツの裏に張り付いたガムを、
ぺろぺろ舐めて剥がすのが仕事だ。
情けないと思うか?
うーん、私もそう思う。
えへへへ
で・・・私が若い頃、
『踊る大捜査線』
という刑事ドラマが流行っていた。
その劇中にこんなセリフがあった。
「正しいことをしたければ偉くなれ!」
自分が30を過ぎた今、
このセリフの重みがよくわかる。
これから警察官になる人、
そのほか新社会人の人達も、
いつかこれを読むかもしれない。
何度も繰り返しますが、
その場限りの正義感のようなモノで
身を崩さないで欲しい。
小さな悪と戦い続けても、
無意味にボロボロになるだけなんだ・・
媚びて、へつらって、生き残って、
いつか、えらくなって、
ちゃんと意義のあることをしてほしい。
さてさて・・・・・では、
私はクツぺろぺろの仕事に戻りますよ・・
強い力に歯向かって堕とされて続け・・
結果、迎えた結末がコレだ。
こうやって自分の恥を晒して、
どうにか生きるだけで精いっぱいさ。
こんなピエロにはなりたくないだろう?
下らない小さな恥は忍んで、
ずっと明るい場所で幸せに暮らしてくれ。
おわり
クツ鍋パ。