勘違いしないでほしいが、僕は「ネット世論」なるものがあると思う。
そこに匿名掲示板など「便所の落書き」が微妙に絡んでいるから面倒臭いのだ。

アニメ業界は特に「ネット世論」に弱い。目も当てられないくらい弱い。
ある制作会社では(今もそうかは知らんが)出勤したら皆まずすることが「やらおん!のサイトを開くこと」だったという。

それだけじゃない、TV業界も、法曹界も、そして政治も「ネット世論」を無視できなくなった。


アベ自民党に唯一「先見の明」があったとすれば、これにいち早く気付いたことだ。
ネットに沸々と潜在していたインドア系「ネトウヨ」を自分達のバックに付け、「今日もデモだビールが旨い」の体育会系サヨクを出し抜き、政権を奪った。
対する民主党政権は、全くなす術なかったと言える。

それを先の総選挙で、立憲民主党がやり返した。
僕も演説会に一度行ったが、まさにおびただしい数の「声なき声」が集まった、感動的な瞬間だった。

立憲民主党は選挙期間中、その「声なき声」をネットを介して集めることに成功した。
やればできるのだ。
結党から時間もなく、不眠不休だっただろうが。


一方アニメ業界、まだ聞こえてくる。
「Twitterでやいやい言ってる暇があるなら作品作れ!」

これだけ「ネット世論」に左右される、無様な業界が、もはやネットの目を抜きに作品を作れる訳ないだろう?
知り合いのクリエイターもFBで言ってたが、これからは「セルフプロモーション」の時代だ。
物をシコシコ作ってるだけでは流れに乗れない。どんどん声を出し、顔を出す必要があるのだ。

僕は『薄暮』ではプロデューサーを兼任している。そして自分を「広告塔」に使っている。
「ヤマキャス」を80回以上やったのも暇だからではない。

これからはむしろ「クリエイターがSNSでやいやい言う」時代なのだ。
でなければ生き残れない。
それを多くの事例が示している。


だから、ポタクの価値基準の古さにはいつも参る。
たぶん年齢的にもそうなのだろう。
僕は日曜の講演で自信をつけた。頑張れば、お年寄りも若者もいける。
ありとあらゆる場所で頑張るしかないのだ。