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鉄道の切符を西暦表記に 本紙調査、改元で中部16事業者

西暦と元号表記が混在している鉄道各社の切符

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 来年五月に予定される平成から新しい元号への改元を機に、中部九県の十六の鉄道事業者が、切符に表記する年月日を元号表記から西暦に変える。急増する外国人旅行客向けに分かりやすい表示にするのが主な理由で、さらに次の改元でシステム改修費の負担減を目指す社もある。

 本紙が中部地方(愛知、岐阜、三重、長野、滋賀、福井、静岡、石川、富山)で鉄道と、路面電車などの軌道を運行する全四十六事業者に実施したアンケートで分かった。

 「(平成)30・3・19」などの元号だけか、券売機のコンピューターシステムの違いで元号と西暦がまざっているのは計三十五事業者。このうち東海道・山陽新幹線を運行するJR東海とJR西日本、北陸新幹線のJR東日本、名古屋市交通局など十六事業者は西暦に変えると回答した。

 JR西は「インバウンド(訪日旅行)のお客さまの増加や東京五輪などの国際化も踏まえた」と説明。伊豆急行(静岡県伊東市)は「(将来の)急な改元でも影響がないように」とした。

 改元に近い時期の混乱を避けるため来年五月を待たずに切り替える社も。京阪電気鉄道(大阪市)は今年四月までに変更する計画だ。

 名鉄、近鉄、天竜浜名湖鉄道(浜松市)など十一事業者は「未定」と回答。ただ、愛知環状鉄道(愛知県岡崎市)が「西暦化の方向で検討中」、樽見鉄道(岐阜県本巣市)が「JRに合わせる」とするなど、西暦表記にする事業者は増えるとみられる。

 地下鉄駅に置く約三百五十台の券売機などのシステムを西暦にする名古屋市交通局は、二〇一八年度に一億円を予算化した。改修費は安くないため、長良川鉄道(同県関市)など八事業者は元号を維持する。同社の担当者は「費用が負担できない」と語った。

 「リニモ」の愛知高速交通(愛知県長久手市)、あおなみ線の名古屋臨海高速鉄道(名古屋市)、えちぜん鉄道(福井市)など、平成になって開業した社を中心にした十一事業者は既に西暦。改元後は、新たに切り替える事業者と合わせて二十七事業者が西暦になる。

 (中野祐紀、久野賢太郎)

 

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