ダイソン、1時間動くコードレス掃除機

エレクトロニクス
2018/3/20 15:50
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 英ダイソンは20日、スティック型コードレス掃除機の新たな旗艦モデル「V10」シリーズを日本で発売すると発表した。従来の最上位機から吸引力を底上げし、バッテリーも最長で60分続けて使えるように刷新した。隙間時間で手軽に使うサブの掃除機としてだけでなく、1台あれば全ての部屋を一気に掃除できる機種として、従来のコード付きキャニスター型から買い替えを促す。

新型の掃除機を発表するダイソン創業者のジェームズ・ダイソン氏(20日午後、東京都品川区)

新型の掃除機を発表するダイソン創業者のジェームズ・ダイソン氏(20日午後、東京都品川区)

 「コード付き掃除機の開発はもうやめる」。20日、都内で開いた新製品発表会で創業者でチーフエンジニアのジェームズ・ダイソン氏はこう宣言した。「V10はコードレス史上最高の吸引力。コード付きの全ての掃除機に取って代わる」と自信を見せる。

 理由は設計から抜本的に見直したモーターにある。新型モーターはスチールの3倍の硬度があり、重さが半分のセラミックを採用した。重さを従来の半分にしながら、毎分の回転数を1万5000回多い12万5000回に引き上げた。最高時速193キロメートルでサイクロン内の空気を動かしてほこりを吸い込む。1時間の連続運転は従来の最上位機「V8」から20分伸び、「家中を1台で掃除できる」(ダイソン氏)。

 さらに同社のスティック型コードレス掃除機では初めて吸引力を3段階で変更できるようにした。従来は「強」「弱」の2段階だったが、3段階で細かく調整できる。ゴミの詰まりを知らせる機能も付けた。

 20日に直営店で発売し、28日から全国の家電量販店で販売する。V10シリーズで付属品などの違う3機種を用意。価格はオープンだが、想定7~10万円前後となる見込み。

 調査会社の英ユーロモニターによると、国内の掃除機市場でダイソンのシェアは10年前の2倍の10%近くに増えた。ダイソンの代名詞となったスティック型掃除機の市場は右肩上がりで成長し、17年の販売台数全体のうちシェアは37.8%を占める。

 「これが掃除機の未来だ」とV10を紹介したダイソン氏。伸び盛りの市場でV10が消費者にコードレスへの買い替えを促す契機となるか。(池下祐磨)

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