ワインスティーン社が破産法適用申請 共同創業者にセクハラ告発
米映画会社ワインスティーン・カンパニーは19日、破産法の適用を申請したと発表した。同社はアカデミー賞も獲得した大物映画プロデューサーのハービー・ワインスティーン氏が弟と共同創業した会社で、ワインスティーン氏の性的加害行動に対する複数の告発が行われたから数カ月の出来事だった。
ワインスティーン・カンパニーのこの行動は、未公開株式投資会社からの買収提案を受けやすくすることを意図しているという。
同社はまた、ワインスティーン氏が疑われている違法行為の被害者が、自らの被害を口外することを妨げていた守秘義務契約を解除すると発表した。
66歳のワインスティーン氏は、性交渉は同意の上だったと主張している。
ワインスティーン氏は、疑惑が初めて報じられた昨年10月、会長を務めていたワインスティーン・カンパニーを解雇されている。
かつてエンターテインメント業界の大手企業として知られた同社は、有名企業で初めて職場における性的加害行動の直接的な結果として破産した会社として名を残すことになると、BBCのニューヨーク特派員ニック・ブライアントは伝えている。
ワインスティーン・カンパニーが発表したこと
ワインスティーン・カンパニーは19日、連邦破産法11条の適用を申請した。組織形態の再編を可能にするための行動だ。
ハービー・ワインスティーン氏と弟のボブ氏によって2005年に共同創業されたワインスティーン・カンパニーは、未公開株式投資会社のランターン・キャピタル・パートナーズと「ストーキング・ホース」契約を結んだことも明らかにした。
「ストーキング・ホース」契約は、破産裁判所の認可が下りた場合、ランターン・キャピタル・パートナーズがワインスティーン・カンパニーの資産を買収することを意味する。
ボブ・ワインスティーン会長は声明で「我が社は裁判によらず自社の売却が成立することを望みますが、経営陣は今後も資産価値を最大化し、可能な限り雇用を保ち、すべての被害者のために正義を追求します」と発表した。
「英国王のスピーチ」や「アーティスト」などの映画を世に送り出してきたワインスティーン・カンパニーは、共同創業者ハービー・ワインスティーン氏の性的加害疑惑を受けて激しい圧力にさらされている。
守秘義務契約はどうなる
声明で同社は「昨年10月以来、ハービー・ワインスティーン氏は彼の告発者に沈黙を強いる秘密兵器として守秘義務契約を使ったと報じられてきた」と語った。
「これらの『契約』は、即時解除する。もはや誰も、堂々と意見するのを恐れたり、沈黙を守ることを強制されたりすることはない」
米ニューヨーク州のエリック・シュナイダーマン司法長官は、長い間封じられて聞こえてこなかった声が、ついに発せられるようになるとして、重大な転換点だと評価した。
ただ、どれぐらいの数の人々が契約から解放されて声を上げられるようになったのかは依然として不明だ。
ワイスティーン氏は、強姦、性的暴行およびハラスメントで告発されているが、同氏は疑惑をかけられたいかなる行為にも合意に基づかないものはないと「明白に否定」している。
(編集部注――日本では「ワインスタイン」と表記されることの多いハービー・ワインスティーン氏の名前は、本人や複数のハリウッド関係者の発音に沿って表記しています)