お葬式のマナー本には書かれていない
弔電(お悔やみ電報)の安くて効果的な送り方について解説します。
この記事は、どなたかが亡くなったという知らせを受けて、これから急いで電報を打たなければいけないが、
- どの電報会社をえらべばいいのか
- 電報の種類はどれがいいのか
- どんな文章にすればいいのか
が分からないという方のために書きました。
現場の実践的な情報をお伝えすることで、実際に電報を打たれる方のお役に立てれば幸いです。
お得な電報業社の比較(2017年12月改訂)
をクリックしてください。
目次 [隠す]
弔電とは何か
人の死をいたみ悲しむ気持ちをあらわした電報、のことです。(三省堂大辞林より)
目に見えないものを見えるようにする役目がある(弔意を表すために頭を下げる、手を合わせる、など)
からです。
弔電の正しい打ち方
さてこれから、
実際の電報の「正しい」打ち方について
お話しします。
台紙の値段ではなく文章が大事
まず台紙を選んで印刷した紙をはさみこむタイプの弔電の選び方について。
ほとんどの弔電がこのタイプです。
そもそも弔電を受け取る遺族には
その弔電を送るのにいくらかかったのかなんて、わかりません。
「これ、誰なのかしら」
と弔電を見ながらつぶやいているケースが多々あります。
弔電の文章はこうやって決める
さて弔電の選び方をご理解頂いたところで
次は弔電の文章を具体的にどうするか?ですよね。
とは言っても初心者の方は、
そういう方は電報サービス会社のホームページ(VERY_CARDの弔電文例画面)
からとりあえず適当な定型文を選び出し
(例)
という定型文を使って、自分なりの文章を入れると・・・
ことでしょう。
ね、高い台紙を購入して無味乾燥な定型文を載せるよりもずっと有効なお金の使い方だと思いませんか?
115に電話して口頭で文章を読み上げるよりも
インターネットから入力することをおすすめします。
問題ありませんし聞き間違いも起きないし、
何より推敲できますので。
弔電あれこれ
次に参列者電報のすすめ、です。
会社関係や友人など一般の参列の方は近年、
直接会って話すと、何を言っていいか分からなくなってしどろもどろになっている人も多いです。
そのような方々に、参列者電報をお勧めします。
次に法事電報のすすめ、です。
またお葬式の後、49日法要、一周忌、三回忌という法事を執り行います。
お得な電報業社の比較
調べてみました。(2017年12月現在)
こんなに料金取らなくても・・・と思ってしまいます。
おそらくこの二社はネット以外に電話での口頭申し込みも受け付けているからでしょう。
ネットが使えないという人向きです。
またほっと電報は自社のサイトで私のこのブログ記事を盗作していました。
それを指摘すると該当ページを削除しましたが、外部のライターがやったこととして全く謝罪する姿勢を見せません。
「ほっと電報」に申し込むときは絶対に高いのを選んではいけない理由
「ほっと電報」の盗作疑惑
この点から私は企業として信用できないと考えています。
最安値の台紙で1,620円(税込)
最安値の台紙を選ぶと1,382円(税込)
私は会員登録していますが
弔電を送る頻度が低い人は会員にならなくても良いと思います。
非会員でも安いので。
(余談ですがVERYCARDは弔電といっしょに供花を送るサービスもやっていますので
弔電のついでに供花を送るかたにはお勧めです。)
アピールになる場合があります。
というのはほどんど意識されません。
電報に会社のマークが入っていないことも多く、
そもそも遺族がどの電報会社から送られてきたかを知っても
その弔電にいくらかかっているかというのは伝わりません。
インターネットで弔電を申し込むときのアドバイス
まずPCで申し込むかスマホで申し込むかですがどちらも使える状況であれば
画面が広くキーボードが使えるPCが少しだけ有利です。
しかし、数分時間がかかるだけでスマホでも特に問題なく申し込めます。
(参考記事:スマホで弔電を申し込んでみた<ハート電報編>
スマホで弔電(お悔やみ電報)を申し込んでみた<VERYCARD編>)
b 送り先(≒葬儀が行われる場所)の住所
を調べておいてください。
お葬式の開式時間を入力させられます。
b.自宅に弔電を送る方がいますが、遺族は(式中に代読してもらうために)その弔電をわざわざ葬儀式場に持参しているケースが多いのです。そんな手間をかけさせないために最初から葬儀式場にお送りするべきです。
縦書きで毛筆体
がもっとも格調高く見えるのでおすすめです。
前述したVERYCARDのサービスで申し込めば専用の外字入力方法が用意されています。(ただしPCの場合)
また心遣いとしては
というように読み方を()付で表記するのが親切です。
4.最終確認
最終の入力確認画面では特に
こうなってしまうと送らない方がマシということになってしまいます。
その他のアドバイス
この言葉は弔電で使ってはいけない
弔電を含めてお葬式などの不幸事で使ってはいけないと言われているのは
「忌み言葉」です。
例えば死(し)を含む言葉ですね。
4という数字を嫌がるのもそうですね。
もしくは同じ表現を重ねる言葉です。
不幸事の繰り返しを連想させるから、というのが使ってはいけない理由です。
例えば「度々(たびたび)」「益々(ますます)」「再び」などです。
以上の内容は葬儀のマナー本によく書かれています。
私は出版も経験した事があるので内部事情が分かるのですが、葬儀のマナー本は一定数売れるので、葬儀参列経験の無いライターさんが聞きかじった内容を寄せ集めたいい加減なものが結構出回っています。
正直申し上げてこれまで数万回弔電に目を通して、式中に読み上げてきた葬儀屋さんの立場からすると、
もう忌み言葉は特に気にしなくても構いません。
仮に使われていたとしても今は気に留める遺族はほとんどいないのです。
私も式中に読み上げた弔電を、遺族に渡すために整理しているときに、「あ、そういえばこれって忌み言葉だったな」と気づいたことがありましたが、プロでもこの程度の気に留め方なのです。
あえて使う必要はありませんが、失礼はないかと弔電を送る前に何度も見直すなど過剰に気にする必要はありません。
私の経験上、皆さんが一番失敗している弔電の言葉は「天国」です。
日本のお葬式の8割は仏教形式なのですが、天国は仏教の概念ではなくキリスト教の概念です。
たまに仏教形式のお葬式に「天国で幸せに・・・」という文章の弔電を送ってこられる方がいます。
式中に読み上げなくてはいけない場合は「これ、読んでいいですかね?」とお坊さんに都度確認しています。
逆に「ご愁傷様です」「ご冥福をお祈りします」は仏教の言葉だから、キリスト教のお葬式に送る弔電に使ってはいけない、ということを言う人がいます。
しかしこれは間違いです。
(困ったことにNTTの弔電のページの解説ですら、同様の間違いを犯しています)
ご愁傷様や冥福は仏教から派生した言葉ではないので、キリスト教のお葬式に送る弔電で使ってもかまいません。
(このあたりの詳しい事情は文末の参考記事を参照してください)
一方「成仏」や「極楽」は明らかに仏教用語なので、キリスト教のお葬式の時は使ってはいけません。
しかしそもそもこの言葉をわざわざ弔電で使うケースはありませんので、実際は気にしなくて良いでしょう。
故人はこう呼ぼう
忌み言葉と同様に、文中の故人の呼び方(敬称)についても、ああだ、こうだ言われます。
弔電の受取人と故人との続柄によって
父・・・ご尊父様
母・・・ご母堂様
夫・・・ご主人様
妻・・・ご令室様
妻の父・ご岳父様
妻の母・ご岳母様
よく使われるのはこんなところでしょうか。
細かいところでは、おむこさんを指す、ご令婿(れいせい)という言葉すらあります。
一度企業の総務部の方から質問を受けたことがあるだけで、
広辞苑には載っているというレベル。
実際に使われているのを見たことは一度もありません。
この「敬称」は必ず使わなければならないというものではありません。
最近は「○○様」と故人名をそのまま使うケースが増えてきています。
弔電の目的が儀礼的なものから、自分の弔意を伝えるものへとシフトしているからでしょう。
確かに会社同士の付き合いで総務部から弔電を送る場合、もしくは故人との続柄は分かっているが名前が分からない場合は、敬称を使うべきです。
しかしもう少し親しい関係なら、「三郎様」というように名前で呼びかけた方が、
むしろ送り手の弔意や気持ちが文章から伝わりやすくなると思います。
もし弔電の到着が間に合わなそうなら送らない
もし弔電の到着が間に合わなそうなら・・・
私は送るべきではないと思います。
仮に20日の12時開式の都内で行われる葬儀に間に合わせたいときは
19日(前日)の16時まで (註1)
19日(前日)の18時まで (註2)
(註3)NTTのサイトによると19日(前日)の19時までなら19日中、19日24時までに申し込むと20日の8時以降になるという記載があります。実際の葬儀現場では19日24時までに申し込むとほぼ20日の12時までに届いているようですが、申込は自己責任でお願いいたします。
弔電の替わりにメールを送るのは許されるのか
弔電の替わりにメールを送って済ますことはおすすめしません、
というのが私の意見です。
確かにメールは手軽です。
お金もかからず簡単に早く送ることができます。
さて、お葬式は儀式という「一見無駄で面倒なこと」をやっています。
参列者が手を合わす、頭を下げる
という行為で故人に対する弔意や感謝を表します。
このように目に見えないみんなの「気持ち」というものを、
儀式という行為で見えるようにすることで
遺族の悲しみを癒(いや)しているのです。
ああ、あの人はみんなに愛されていたんだなと。
多分遺族を経験した方には、私が言っていることがなんとなくお分かり頂けると思います。
だからもしなんらかの事情があって葬儀に参列できない場合でも
弔電(≒遺族への手紙)という、メールに比べて一見手間のかかる儀礼的な手段で、弔意を目に見える(手で触れられる)形にしてほしいのです。
同じ文章でも、メールではなく弔電という形式の方が、絶対あなたの気持ちが伝わると思います。
メールと手紙、大切な人からもらいたいのはどちらですか?
そういうことです。
もう一つメールをおすすめしない理由は
メールで、弔意を表すフォーマル度が高い文章を使うと違和感がある
ということです。
実際メールでお悔やみの文章を送ろうとした私の友人がそう言っていました。
例えばメールで
「この度はご母堂様の訃報に接し、誠に痛惜の念に堪えません。」
という定型文を打ってみれば分かりますが、(実際はコピペかもしれませんが)
言葉が軽くなる感覚があるはずです。
弔意を表す文章は、まだメールという媒体になじまないようです。
なにより受け取った遺族が、
「弔電の替わりにメールなんて・・・」
と気分を害する可能性が十分あります。
メールがもっと長い年月使われてくればこの感覚も変わってくるかもしれませんが
今はまだその時ではないのでしょう。
それでもがんばってメールにしっくりくる弔意を表す上手い表現をなんとかひねり出してみたら・・・
おそらくかなりの時間を費やさねばならないはずです。
文才も必要でしょう。
私にも思いつきません。
だったら最初から弔電というフォーマットを使った方が
送り手の負担が少ないと思うのです。
メールほどでないにしろ、ネットで申し込めばそれほど手間もかかりません。
以上の理由では私はメールより弔電をおすすめします。
お花(造花)や線香などの商品付の弔電は選んではいけない
オーソドックスな台紙を選んで印刷した紙をはさみこむタイプの弔電と
ここ数年で登場したお花(造花)などの商品付の弔電
があります。
(前述した、弔電業者が運営している15,000円程度の供花を送るサービスとは別の話です)
弔電に付いてくる送り主の名前が書いてある短冊みたいなものを
以上、葬儀屋さんが教える弔電の安くて効果的な送り方でした。
弔電を海外へ送る、海外から送る
支払いはクレジットカード払いでOK!
念のためVERYCARDのサイトから転記しておきます。
お申込みに当たり、お申込者情報で、ご住所・電話番号の欄のご入力が必須となっておりますが、こちらは日本在住の方が入力し易いようになっております。その為、郵便番号については日本の郵便番号しか受付けないようになっておりますので、海外在住の方は半角数字のゼロを7桁「0000000」ご入力ください。また、都道府県名のプルダウン選択は「その他」をご選択頂き、都道府県名以下の住所を入力する欄に、お客様の現住所をご入力頂ければ結構でございます。お電話番号は最初に0をご入力頂き、現地の番号をご入力ください。
しかし電子メールにしておいた方が無難。」
国によっては1週間見ておいた方が良い場合もあります。
日にちに余裕があります。
しかし弔電は訃報(亡くなった知らせ)を受けてからお葬式の日までに届くようにしなければならない、
というタイムリミットが存在します。
遅れて届く訃報はどうしても間が抜けています。
弔電ではなくお悔やみのメールを送った方が良いと思います。
(住所知っているけどメルアド知らない、というケースはほとんどないでしょう)
相手も海外なので事情は理解してくれるでしょう。
参考記事
ご愁傷様の意味と正しい使い方
「ご冥福を祈る」の意味と正しい使い方
「お悔やみ申し上げます」の意味と正しい使い方
葬儀屋さんが教える香典のマナー
弔電の送り方、非常に参考になりました。ありがとうございます。
win 様
お役に立てて良かったです(^_^)
非常に参考になりました。ありがとうございます。
Custom Bobbleheads 様
お役に立てて良かったです!
とても参考になりました。
私が無知で横書きで出してしまったのですが、失礼にはあたりませんか。
手配してからこちらのブログを拝見しました。
総務難しい 様
>とても参考になりました。
ありがとうございます。
>失礼にはあたりませんか。
縦書きが格調高く見えるのでおすすめししてるだけで、横書きがマナー違反というわけではありません。
全く問題ありません。