古田敦也さん,諸葛孔明になる。スクエニのスマホアプリ「破軍・三國志」のボイス収録現場に潜入
ちょっと意味が分からなかったので話を聞いてみたところ,なんでもスクウェア・エニックスが新作スマホアプリとして送り出す,対戦型タクティカルカードゲーム「破軍・三國志」(iOS / Android)のCV収録現場に古田さんが来るので,その様子を撮ったり,感想を聞いてみたりしてみないか,ということだった。
おいおい……。言うても,こちとらゲーム畑の人間なんですよ。いくら古田さんが有名だからって,母親が乳酸飲料を販売する職場に勤めていた関係から小さい頃によく明治神宮野球場に行っていてその当時の大スターが古田選手で実家にはいまだにサインボールが飾ってある程度しか知らないんです。というわけで,巧みなリードでどちらが本命かを先方には悟られないよう,ゲームの概要と収録の様子とを探りに行ってきた。
「破軍・三國志」公式サイト
「破軍・三國志」って,どんなゲーム?
古田さんが出演するという件の「破軍・三國志」は,言わずと知れた三國志をテーマにしたTCG×ボードゲームだ。将棋をモチーフにしたというバトルでは,大局的な戦略の役割をカードに,局地的な戦術の役割をボードに集約しており,“特定の形にユニットを配置して陣を作る”などの要素を駆使して,敵を打ち負かしていく。
本作は2017年10月にCBTが実施されていたそうで,ゲームとしてはすでにブラッシュアップの段階にあるようだ。
メインコンテンツの1つ,「戦記」では,ADV形式のシナリオパートと,武と知がぶつかるバトルを通じて,三國志の物語を追体験できる。挑戦できるシナリオは官渡の戦い(魏),関羽千里行(蜀),呉郡平定戦(呉)といった外さないラインナップをはじめ,リリース後には“赤壁の戦い”など,三國志ファンでなくとも知っている有名な大戦が追加されるという。
一方,カードゲームでは欠かせない「PvP」では,当然だが全国のプレイヤー同士で,ランクマッチやフリーバトルや月間イベントを楽しめる。もしアナログTCG界から慣れない上京をしたばかりで,「実物のカードがないのにどうやって対戦するの……?」という人がいたら困ってしまうと思うので,念のため,もう1度だけ伝えておこう。このゲームならスマホを持ってるだけで全国津々浦々の人達と対戦できてしまう。実に未来的だ。
そしてカードゲームにおける最大の邪悪と言わざるを得ない,最も時間と労力を取ってきて,最も頭を悩ませてくる楽しい楽しいデッキ作りは,「大将」選びがキモとなる。大将の“血盟”を意識しつつ,「将兵」と「宝物」で全30枚を構築したら,デッキが完成だ。これが多いのか少ないのかはプレイしてみないことには分からないが,デッキの中で“コスト4以下のカードは1枚だけ「先鋒」として初期配置”できるらしい。どの武将で先制攻撃を仕掛けるのかが重要になるようだ。
大将カード:プレイヤーのライフ
将兵カード:主戦力として活用
宝物カード:戦況を有利にする
なお,将兵カードはゲーム内通貨,または有料通貨を使って購入できる。ただし,宝物カードは購入ができず,将兵カードを分解すると入手できる“桃”との交換でしか獲得できないのだとか。使わない将兵を積極的に桃に変えていくかどうかは,各々の選択に任せるとしよう。
ゲームの基本的な概要を紹介し終えたところで,ここからは取材現場の様子に移っていく。ちなみに今回の収録では,古田さんが三國志イチの頭脳派“諸葛孔明”を演じるのだとか――。
頭脳派と頭脳派のマッチアップ
姓は諸葛。名は亮。字(あざな)は孔明。あだ名は臥龍。日本で最も有名な(イメージの)三國志の登場人物と言えばこの人。稀代の名軍師と評される,諸葛孔明である。
なお,当時の中国では人名を呼ぶ際,性と名,あるいは性と字の組み合わせが原則であったため,諸葛亮孔明と全部足しで呼んでいるのは,おそらく日本人だけらしい。まあ,日本では「諸葛亮」か「孔明」のどちらかのほうが馴染み深いのかもしれないが。とりあえず本稿では好みを加味し,以下【孔明】と記述していく。
史家には蛇足だったであろう注釈をした当の孔明を演ずるは,現役時代は東京ヤクルトスワローズ一本で選手から監督まで。“ID野球の申し子”と評された頭脳派正捕手にして,現在は野球の解説者やタレントなどで幅広く活躍している,元プロ野球選手の古田敦也さんだ。
古田さんがキャスティングされた理由は,「知的な印象」「将棋の名誉三段を所持」といった本人のパーソナリティが,孔明の雰囲気と本作のアプローチにうまく重なったからだという。個人的には「まさかの古田ボイス」の1点だけで,お釣りが出るんじゃないかと思っているが。
古田さんが声優業にチャレンジするのは,今回が初めてとのことだ。収録前の打ち合わせでは,「どういう雰囲気が自然なのか」「関西弁が出てしまってもいいのか」など,演技に関する質疑を,本作のプロデューサーやスタジオディレクターと詰めていく様子が見られた。
スマホゲームの1キャラクター相当のボイス量ということで,古田さんに要求された語句の総数は,10を超すくらいのものであった。収録中,傍で聞いていたかぎりは「まったく問題ないのでは」と感じられたし,実際に数テイクも重ねないうちに次へ次へと進んでいった。TVなどでコメントを武器にしている人ならではの地力がうかがえる。
しかし,古田さん自身はなにやら思うところがあるらしく,特定の語句の撮り直しを自ら希望し,1語1語を吟味していく場面もあった。中でも「わかった」の一言については,古田さんもスタッフも想像通りにいかなかったようで,たった4文字の「わかった」を収録するだけのことが,中々上手くいかない。
考えてみると,たしかに演技経験の薄い人が声に感情を込めるには,短い語句ほど難しいのかもしれない。我々がスマホゲームを遊んでいて,普段聞き流していそうな「うん」や「そうだね」など,キャラクターのちょっとした一言ほど,その本質は“プロの仕事”なのだろう。
時間が経つのは早いもので,予定どおりの30分後,収録は終了した。スタッフ的にも問題はなく,むしろ想像以上に良い素材が撮れたようで,古田敦也 52歳の初挑戦を盛大な拍手で祝っていた。
一方,ブース内に残っていた古田さんは1人,「すごく難しかったです……」「うまく出来てたのかどうか……」と苦笑いを浮かべていた。自身がどのような仕事をしたのかは,ゲームが配信されて,自身の声を自身の耳で聞いたとき,あらためて実感するのだろう。
なお,古田さんにはボイス収録後の感想もうかがってきたので,本稿ではその様子も紹介していく。話題は声優業の初挑戦からはじまり,野球選手とゲーム,洞察力を磨く実践法,さらにリアルスポーツとマインドスポーツを股にかけてきたということで,昨今機運が高まっている「eスポーツ」についての,個人的な見解も聞いてきた。
そういうのがあってこそ
――初挑戦となるボイス収録,お疲れさまでした。外で聞いていましたがカッコよかったです。イケボでした。
古田敦也さん(以下,古田さん):
やめてください(笑)。こういう仕事は初めてだったので,自分でもまだどうなっているのか全然分からないんです(笑)。
――実際にやってみてどうでしたか。今のご感想は。
古田さん:
基本は「~~みたいな感じで」という監督さんの指示に従って,声を出していきましたが,楽しい気持ちで収録できたのは良かったです。ただ,1番難しかったのは「わかった」ですね。台本に「わかった」と書いてあったので,そのまま「わかった」と声に出したら,監督さんに「なんか普通じゃない?」と言われてしまって……。長いセリフよりも,短い一言の「わかった」のほうが大変でした。
――ご自身の演じるキャラクターがゲームで動くことについては,いかがでしょう。
古田さん:
そうですねー,これまで野球ゲームの中では散々出てきたんですけどね。現役時代はそれなりに良い選手だったので(笑)。
――そうでしたね(笑)。
古田さん:
だから,ゲームキャラクターとしての「古田敦也」はそれなりに馴染みがありました。でも,それ以外のゲームのキャラになるなんて,想像もしていませんでした。とくに三國志はファンの多い題材ですから,皆さんの持つ孔明のイメージを,あまり壊さないようにできていたら良いなと思っています。
――古田さんにとって,諸葛孔明はどのようなイメージの人物ですか。
古田さん:
兵を引き連れて前線に立つのではなく,軍の後ろから全体を見通して,策を練る軍師ですね。まあ,本作のプロデューサーが「古田さんにピッタリですよ」と判断してのキャスティングのようなので,もしダメだったら,全部プロデューサーのせいにしてください(笑)。
――古田さんは将棋がお好きとのことですが。
古田さん:
子供の頃,親父とのコミュニケーションのために始めたのがきっかけでした。現役時代は僕の先輩,広澤克実さんも将棋が好きで,「やるぞ」と言われて,よく一緒にやっていましたね(笑)。野球でも捕手ということで「たぶん相手はこうくるから,こっちはこうやって」など,次の一手を考えたり,読んだりしていましたので,将棋の積み重ねもつながっていたと考えています。まあ,今はそれも変わって,老後の趣味です(笑)。年を取っても付き合えるものにしていきたいです。
――ビデオゲームの類はプレイされるのでしょうか。
古田さん:
僕はいわゆるスマホゲームを遊んだことはほとんどありませんが,「破軍・三國志」は将棋のような戦略性のあるゲームなんですよね? 若い頃はスマートフォンでポチポチとゲームをやれる時代ではなかったので,ちょっと羨ましいです。ビデオゲームにしても遊んでいたのは,最初の「ドラゴンクエスト」や「ファイナルファンタジー」でしたから。
――おおー,リップサービスもど真ん中を外してない。
古田さん:
大丈夫ですか? 合ってますか? 間違ってたら端折ってくださいね(笑)。ええ,20代の頃はドラクエやFFを遊んでいました。いつだったかな,(プロ野球の)キャンプ中に,ギャオス内藤(内藤尚行さん)って奴がね,買ってくるんですよ。「古田さん! ドラクエ出ましたー!」って。
――キャンプ中に遊んでいたんですか(笑)。
古田さん:
もちろんオフになってからですよ!(笑)。当時はそこで「よし! これを3日でやり遂げる!」と意気込んで,何十時間もプレイしていました。まあ,2年か3年くらいの習慣でしたけれど。
――となると,ゲームに馴染みがないわけではないんですね。
古田さん:
そうですね。ほかにも僕が監督をしていた頃は,選手達とのコミュニケーションのためにゲームを結構やっていましたよ。戦術のアレコレを指示しているだけだと,選手達も「はい」とか「分かりました」しか言わないので,彼らの内心がどうなっているのかを知るために「一緒にゲームやろう」と誘うんです。すると,本性が出るんですよ。
――プロの野球選手が野球ゲームをやる姿って,それだけで面白そう。
古田さん:
野球ゲームはあまりやりません。いろんな意味でリアル過ぎますから(笑)。そういうときはサッカーゲームとかにするんです。そして皆,僕よりも断然上手いので,遊んでいると「オラオラオラー!」ってなりだすんですよ。そういうとき,その選手の良さが見えてくるというか,心を開いてくれたのが分かるんです。
――ゲームをコミュニケーションを円滑にするためのツールとして活用したと。
古田さん:
まあ,でも,一時期ゴルフゲームが流行ったとき,ロッカールームで数人の選手がPS3で遊んでいるのを目撃したことがあります。彼らは半径数メートルの範囲で,複数人で一緒に遊んでいるにも関わらず,まったく喋らず,静かに遊んでいたんですよ。その場面を目撃したときは不思議に思いましたが(笑)。
――ゲーム好きなスポーツ選手の話はチラホラと聞きますが,そういう現場の雰囲気まで聞けることはあまりないので,新鮮です(笑)。
古田さん:
プロ野球選手ならロッカー内で,野球の戦術の話でもしているのだろうかと想像するじゃないですか? いやいや,皆でゲームをしてることもあるんですよ。当時のヤクルトのロッカールームも,大体これくらいの広さかな(※インタビューの収録現場を指して)。そこには選手用のロッカーがズラ―ッと並んでいて,部屋の上部に大きなモニターが3つありました。本来はそのモニターを使って,前の試合の反省会をしたり,対戦相手の対策を練ったりするのですが,いつの頃からか,1つは“ゲーム専用モニター”になってました(笑)。
――プロ野球の裏側の意外な一面。
古田さん:
今の若い選手達もよく,数人で一緒になってスマホゲームをやっていますしね。まあでも,ゲームを一緒にやるだけで選手達の間柄は深まりますし,僕も含めていろいろな人が参加していたので,こういうコミュニケーションでの活用の仕方はアリだと思っています。
――それでは真面目な質問を少々。古田さんは野球などのリアルスポーツ,将棋などのマインドスポーツ,これらの戦略性のあるゲームの面白さはどこにあると思いますか。
古田さん:
うーん,僕の場合は“相手がなにをやってくるのか”を,常に考えることが面白いかな。
――相手がいて,その動きに対応するのが面白い,という解釈でよさそうでしょうか。
古田さん:
それがすべてとは言いませんが,相手がなにをやってくるのかを考えて,そこから逆算し,こちらもどうするべきかを考える,そういう思考の流れは好きです。野球でも将棋でも相手がいるので,それぞれの戦略や最善を阻止し合います。すると,そこに駆け引きが生まれますので。
――先ほど少し触れていましたが,将棋で学んだ戦術が,野球の戦術に生かされるケースもあるんでしょうか。あるいはその逆も。
古田さん:
捕手には投手の投球を組み立てて,コースや変化球を指示する「配球」の仕事がありますが,これは将棋の戦術にも通ずるところがあると思っています。プロ野球のシーズン中は1回勝負ではなく,同じ打者と何度も当たりますから,さまざまな手筋を考えて,次々と変化させることが大事です。それこそ,将棋の一手を思考するような感じで。
――ここまでいくと余談かもしれませんが,それらの戦術眼が日常生活に活かされる,なんてこともありますか。「電車のあの席に座っている人がそろそろ立つから周囲をけん制しておこう」みたいな。
古田さん:
戦術の考え方というのは,基本的に“データの蓄積”なんです。どれがベターで,なにがベストなのか。それに思い至り,選択するには,知識が求められます。僕の場合は野球や将棋での実践もありますが,これらを日常生活で養う癖も身に付けていました。
――それは気になりますね。具体的に聞いてみても?
古田さん:
僕は若いころから「人を見る癖,聞く癖」を心掛けてきました。例えば,この場には僕がいて,2人のインタビュアーがいて,3人で話のやり取りをしていますよね。ですが,僕はその間,部屋の端にいるマネージャーやカメラマンといった人達の,ちょっとした言葉や仕草も気にかけるようにしているんです。
――(まるで聖徳太子。)それらの情報を拾ったとき,どのような推察をするのでしょうか。
古田さん:
ちょっとした妄想なんですよ。大体は間違っているんですが,「この人は何歳で,なにを考えていて,今その行動に至ったのか」みたいなことを考えるんです。僕ら捕手はよく,洞察力が必要だと言われます。そして,人や物を観察するのは難しくないのですが,そこからなにかを察するのは難しいんです。見て聞いた物事から,推測する力が求められますので。
――そのための「人を見る癖,聞く癖」だと。
古田さん:
子供の頃に捕手を始めてから,よく言われていました。「なにか1つを見て,勝手なことを思え」と。行動心理学などの考え方に近いかもしれません。日頃からデータを蓄積し,その積み重ねから自分なりに傾向を読み解き,自身のモノにしていく。これによって「あのピッチャーが少し肩を上げたときは,困っているときが多い」などと判断できるようになります。
――何事も雑情報と流すのではなく,洞察力を養う糧に変えたんですね。
古田さん:
とはいえ,なにも顔や視線をグルングルン回して,周囲をねめつけているわけではないですよ(笑)。普段なら気にしないことを,さりげなく気にするようにした。そういう話です。
――もう1つ,大きな話をさせてください。ゲーム業界では現在,ゲームプレイヤーが認定大会に出場し,賞金を獲得する,「eスポーツ」というプロシーンが台頭してきました。今では制度や定義や印象など,日々の話題が絶えない,盛んな界隈になっています。これらは元プロ野球選手である古田さんから見ると,どのように映りますか。
古田さん:
当然,競技としての仕組みが成り立っていることを前提としますが,リアルでもマインドでも,どのスポーツも「人ができないことに驚いたり,興奮したりするもの」であればいいと思っています。僕だって昔,「ストリートファイターII」ですげえ強い奴を「すげーなー!」って思いながら見ていましたから。ようはそういうことですよね?
――ええ,それ以上がないほどの答えになっていると思います。
古田さん:
すごい手の動きであったり,派手な必殺技であったりと,見てる人が思わず「ウオオー!」となってしまうような戦いを,プロのゲームプレイヤーが見せてくれるんですよね。どのような内容のゲームを競技にすべきか,それはきっとモノによるんでしょうが,個人的には演出さえうまくやれば,誰でも興奮できるイベントになると思います。
――実際,ショー的な見せ方を取り入れるイベントも多くなってきました。
古田さん:
昔,チームの皆と球場のでっかいスクリーンを指して,「あそこでゲームやりたいな」って言ってましたし(笑)。
――ファンイベントでやりましょう(笑)。それと外からのイメージの問題ですが,例えば私の親は「ゲームは悪いもの」との考えが根強いです。そこで,今の古田さんから見て,ゲームをやる人がどのように見えるのかも聞いてみたいです。
古田さん:
僕には子供がいませんので,もしもいたらの話ですが,子供がなにもせずにゲームばかりしていたら怒ると思います(笑)。人間,子供でも大人でも,学ぶべきことはたくさんあります。生きる力を育むことを疎かにして,ゲームに打ち込みすぎていたら注意しますね。ただし,面白いからゲームを遊んでいるというだけでなく,ゲームのプロ選手になりたいから,ゲームクリエイターになりたいから,そういう人生の先をしっかりと見据えての計画を持っているのならば,応援すべきでしょう。
――プロゲーマーの道は,ゲームを遊ぶという娯楽に対しての1つの答え,あるいは終着点になるのかもしれません。そこに至るまでは,決して簡単ではないものの。
古田さん:
新しい枠が出てきたってことですもんね。その新しい枠によって,世の中が変わっていく。全然アリですよ。僕も面白そうだと思います。ただ,本当に,もし自分の子どもが目的もなくゲームばかりやっていて,外にも出ず,家の中で「ご飯もってこい!」とか言い始めたら,それはさすがにぶっ飛ばします(笑)。
――穿った質問なのは承知のうえですが,元プロ野球選手として,プロゲーマーという立場の人達に抵抗はありませんか。
古田さん:
まったくないですね。逆に話を聞いてみたいです。ゲームで戦い,勝つためには,並々ならぬ特訓が必要なんでしょう? そのためには体力だって要求されるはずですよね。体力がなければ集中力が保てませんし,途中で息が上がることもあるでしょう。
――3日間連続で戦う世界大会に出るような人達は,ランニングを練習に取り入れて,フィジカル面を疎かにしていないと聞きます。
古田さん:
ですよね。そういうことまでやっているからこそ,その人達はプロという立場になれたはずです。そのようなプロゲーマーの方々となら,僕も意見が合うだろうと思っています。
――ゲームを練習している様子というのも,理解を得辛いのかもしれません。娯楽なのか,特訓なのか。そこに目的があったとしても,ゲームに本気になったことのある人以外は,線引きが見えづらいのかなって。目的ありきで考え過ぎるのも変な話ですが。
古田さん:
でも,昔は将棋の棋士だって“そういう見られ方”でしたよ。今でこそ知的な印象が付いて,将棋界の制度も確立して,期待の若手も生まれてと盛り上がっていますが,僕の子供の頃は,将棋をやっている人は「暗い印象」に見られがちでしたし。ゲームにしても,そういうイメージを払拭するきっかけは,なにか必要でしょうね。
――今が黎明期とはいえ,これから先,ゲームが日本の社会により浸透できるのかはまだ見えてきません。そこで,新たなシーンを牽引するのは現場であり,欲を言えば「スター選手の台頭」なのかもと考えています。野球界においてもスターが出てくる,出てこないは,その時々の盛り上がりを大きく左右するじゃないですか。
古田さん:
そのとおりです。スターが出てくるのが1番簡単ですよ。でも,スターの出現を待っていたら,プロシーンもそうだし,メディアさんの仕事だって成り立たないですよね?
――ええ,おっしゃるとおりで……(笑)。
それがなくても,いろいろな人に関心を持ってもらおうと活動していくのが,その業界の腕の見せ所なんですよ。
野球界も「ダメだダメだ」と言われる時期がありましたが,今でも各球団の球場には大勢の人達が詰めかけて,試合を観戦し,選手達を応援してくれています。選手達にしても,常にスターになれるような活躍を思い描いて練習をし,実践しています。
活躍できることを期待する人,活躍が見られるかを期待する人,その期待や活躍を伝える人,そして競技自体の魅力や本質を知ってもらうこと。そういうのがあってこそだと考えています。
――身が引き締まるお言葉です……(笑)。では,ものすごーく本題から逸れてしまったインタビューでしたが,最後に「破軍・三國志」を待つファンと,この機会にゲームを知ったという古田さんのファンに,今回の収録を終えての一言をあらためてお願いします。
古田さん:
正直なところ,うまくできていたのか,あれで大丈夫なのか,今も不安です(笑)。でも,今回の仕事は僕にとって初の試みなんです。だから,僕的にもゲームの出来上がりが楽しみです。ゲーム自体も面白く仕上がっているそうなので,気になっている人達も一緒に配信を待ちましょう!
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