プロフェッショナル 仕事の流儀「新しい仕事スペシャル」[解][字] 2018.03.19

193月 - による admin - 0 - 未分類

大ホールに続々と集まる10代や20代の若者たち。
そのお目当ては…。
アイドルでも歌手でもない今人気絶頂のユーチューバーだ。
ユーチューバーとはネット上にさまざまな動画を投稿し収入を得るプロ。
ヒカキン!更にこんな新たな仕事が。
観客は熱狂し固唾をのんで見守る。
ゲームで対戦する事を仕事とするプロゲーマー。
優勝賞金は時に億を超え人気は世界規模のものとなっている。
しかし最初の一歩を踏み出すのは決して容易ではなかった。
注目の「新しい仕事」。
だがその裏側はほとんど知られていない。
今夜は新しい仕事に挑むプロの格闘の日々に密着するスペシャル版。
取材を始めたのは今時代を席巻するユーチューバー。
物腰低い28歳。
人気…制作した…お金を突き刺すとパタパタパタパタ…カタカタカタ!イヨ〜…イヨ〜…。
ああっ動いてる動いてる!10円玉の大合唱だ!すげえ激しいぜこいつ元気いいね君。
小さい頃夢見たあのチャレンジを。
おおっ!スローでもう一度。
今入ったよ絶対!日本一だ。
2005年に動画投稿サイト「YouTube」ができた事でさまざまな動画を投稿し収入を得るプロたちが現れた。
大食いを売りに食べ物を紹介したり。
大規模な実験をしたり。
この日握手会のため福岡空港に降り立ったヒカキン。
若者を中心に認知度は圧倒的だ。
いい事ありますよ〜。
いいですよえ〜…じゃここで。
いきます。
動画を作る上でヒカキンが常に大切にしている事。
それは元気な自分を見てもらい元気になってもらうという極めてシンプルな事だ。
ユーチューバーヒカキンの動画。
一体どのように作られるのか?去年冬ヒカキンの仕事場兼自宅の密着取材が初めて許された。
(取材者)こんにちはどうぞよろしくお願いします。
玄関先には動画の中で使ってみようと買い集めたグッズが山と積まれていた。
企画から出演撮影そして編集。
膨大な作業をヒカキンは一人で行う。
徹夜になる事はざらだという。
ヒカキンが専業で動画の投稿を始めたのは6年前。
ゲームの実況や体を使って音楽を奏でるビートボックスなど4つのチャンネルを運営している。
投稿した動画とともに流れる広告の再生回数などによってヒカキンの収入は決まる。
一番人気が高いのは話題のグッズを使ってみるというチャンネルだ。
メガたこ焼き器!巨大なたこ焼きを作るというこの動画は…だしのいい香り。
すんごいグジャグジャだけど味たこ焼きです。
味100点レベルほんとに。
でも見た目がこんな感じになっちゃったんで86点。
いつかリベンジしたい。
シャワーを浴びたヒカキン。
翌日の夜公開予定の動画制作に取りかかった。
今回は金箔が施された高級トランプで遊んでみるという。
商品について間違った事を言うのを避けるため事前に情報を得る。
だが一方で…。
トランプの画像は極力見ないようにする。
初めて実物を見る時の素朴なリアクションは大事にしたいからだ。
ブンブンハローユーチューブ。
どうも金が大好きヒカキンです。
今までもね確かこう…。
こだわっているスタンスがある。
正解が定まっていないこの新しい仕事でヒカキンが見いだした身近さというスタンス。
それを実践する撮影が今日も始まった。
いでよ純金箔トランプ!やばいこれはやばい!う〜わやばい…これやばいね!内容を事前に決めずあえて思いつきでどんどん展開させていく。
ウェ〜イ!突然「貴族」という言葉について調べ始めた。
ユーチューバーの中には過激な発言や表現で再生回数を伸ばそうとする人もいる。
だがヒカキンはそれはしない。
そこには見る人を喜ばせようと自ら楽しんでいるヒカキンとそんな自分を冷静にチェックするヒカキンがいた。
2時間ほどで撮影が終わり次に編集作業に取りかかる。
映像選びから効果音更にはテロップ入れまで。
ここ1年で投稿した動画は500本以上。
周りからは分業制にしないと体がもたないと言われている。
だがそれでは自分の思いが伝えきれない気がし全て一人で行う。
編集を始めて6時間。
7分の動画が完成した。
だが。
この日の仕事はまだ終わっていない。
翌日別チャンネルで公開するゲームを体験しながら実況する動画の撮影だ。
あれ?こんなとこ来たっけ?まだ来てない…危な危ない…。
氷が苦手…あっ出てきた何だ?おおちょっと待て…。
どうやってよけんの?これ。
ヒカキンの一日が終わった。
翌日午後7時。
動画が公開される時間が来た。
はい7時でございます。
いでよ純金箔トランプ!やばいこれはやばい!ここ1か月ほとんど全ての動画が100万回以上再生されている。
今回も100万回を超える事が目標だ。
見ていたのはこの「グッド」の評価の数。
この数が公開直後飛躍的に増えると最終的な再生回数は多いという。
「グッド」の数は思うように増えていなかった。
だがその後ジワジワ再生回数を伸ばし1か月後には190万回を超えた。
本日もご視聴ありがとうございました。
バーイ!ヒカキンさんは平成元年新潟の雪深い町に生まれた。
小学生の時テレビで見た体を使って音楽を奏でるビートボックスに興味を持った。
そして高校時代。
当時アメリカで誕生した「YouTube」の存在を知りビートボックスの動画を投稿し始めた。

(ビートボックス)当時の夢はビートボックスのミュージシャンとして有名になる事。
クラスメートのほとんどが大学に進学する中夢への資金をためるため就職の道を選んだ。
高校を卒業すると上京し食料品店に就職。
そこで働くかたわらビートボックスのライブ活動や動画の投稿を続けた。
そんなある日。

(ビートボックス)人気ゲームのBGMをビートボックスで奏でるという映像を投稿した。

(ビートボックス)翌日の事だった。
1日で再生数が20万を超え一気に世界から注目された。
そして翌年海外で大人気のユーチューバーの講演を聞いた時心は定まった。
22歳だったヒカキンさんは食料品店を辞めユーチューバー一本で生きていく事を決めた。
以来6年。
これまでに3,700本以上の動画を制作してきた。
その間休みはほぼゼロ。
毎日1本から2本のペースで生み出してきた事になる。
ユーチューバーという仕事ははじめに思っていたほど楽ではなかったという。
去年冬ヒカキンさんは新たな試みを始めた。
一人ではなく人気のユーチューバーたちと一緒に最近はやりのグループでの動画に挑む。
更に投稿する頻度を減らし完成度を上げる事も模索している。
満腹中枢まひ!
(笑い声)ヒカキンさんはこれからもこの新しい仕事と走り続けてみようと考えている。
続いては世界各地でファンを熱狂させている新しい仕事。
コンピューターゲーム上での対戦をなりわいとする「プロゲーマー」だ。
「エレクトロニックスポーツ」と呼ばれオリンピック種目の候補に挙がるほど注目されている。
この新しい仕事に早くから挑み世界にその名を知られる日本人がいる。
(拍手と歓声)ありがとうございます。
世界最高峰の大会で2回優勝し「格闘ゲームの神」と呼ばれる。
その勝負哲学はビジネスの世界からも注目を集める。
新しい仕事プロゲーマーに挑む梅原。
一体どんな日常を送っているのか。
まず梅原が週に4日は通うというある場所についていく事になった。
そこはプロゲーマーやアマチュアの上級者が集う練習場所。
対戦相手を求め国の内外からここに集まってくるという。
梅原が得意とするのは格闘ゲーム「ストリートファイター」だ。
30年前に発売され今なお世界中で愛好者の多い人気ゲームだ。
梅原は変幻自在の戦い方で約10年にわたり世界トップクラスに君臨している。
この日の梅原の対戦相手に「ときど」というプロゲーマーがいた。
東京大学出身。
去年夏の世界大会で優勝し今最も波に乗っている一人だ。
梅原が操るのは右のガイルというキャラクターだ。
梅原はときどにさんざんにやられた。
結局3回対戦して全て負けた。
その3日後自宅を訪ねた。
(犬のほえる声)負けた相手にどう立ち向かうか。
梅原はその戦略を考え続けていた。
それぞれのキャラクターはゲーム開発者によって強みや弱みが設定されている。
ときどの使う…パワフルで攻撃力が非常に高く最強のキャラクターの一つだ。
だが梅原はあえて最強のキャラクターを使おうとはしない。
梅原のガイルは防御力が強みで攻撃を仕掛けるよりは受けを得意とする。
もともとの設定上プロ同士が戦うとガイルは豪鬼の攻撃に耐えきれず劣勢になりがちだという。
だが。
最強ではないキャラクターの方が予想外の戦略で戦う面白さが生まれやすいと梅原は考える。
梅原にはプロゲーマーが勝利とともに絶対に大事にすべきと考える事がある。
梅原は自分のキャラクターが苦手とする積極的な攻撃を試し始めた。
相手が足を出した瞬間にカウンターのキックを放ってダメージを与え試合を有利に運べないか。
僅か60分の1秒でもキックのタイミングがずれればダメ。
その一瞬を見逃さないために梅原は1分以上まばたきしない。
その日の夜。
再びときどと対戦する事になった。
梅原は編み出した新たな戦略で積極的に攻めた。
結果は負け。
だが見ていた周囲の反応は。
この日梅原の対戦を見ていた若手が相談を持ちかけてきた。
最近なかなか勝てずキャラクターを強いものに変えようか悩んでいた。
(チャイム)この日梅原さんは都内の実家に帰った。
両親は退職するまで医療の分野で働きゲームとは無縁の人生だった。
梅原さんがコンピューターゲームと出会ったのは11歳の時。
友達と行った駄菓子屋さんで当時ブームだった格闘ゲームを初めてやった。
「波動拳!昇龍拳!波動拳!」。
すぐにのめり込み連日のように通い詰めた。
両親は心配した。
しかし梅原さんはめきめき腕を上げなんと僅か17歳で世界一に輝いた。
でも素直に喜べなかった。
大好きだけど恥ずかしい。
そんな矛盾した思いを抱きながら数年がたった頃。
海外でゲームの対戦をなりわいとするプロが出現したと知った。
だけど自分がそれになりたいとは夢にも思わなかった。
27歳の時だった。
いくつかの仕事を転々としたあと梅原さんは資格を取り介護の仕事に就いた。
ところが。
働いてみると失敗する事が多くこの分野に自分は向いていないと気付いた。
ある思いが募ってきた。
介護の仕事は「意義深いやるべき仕事」だけれど自分にとっては唯一無二の仕事ではないのかもしれない。
そんなもやもやしたストレスもあり梅原さんはしばらく控えていた格闘ゲーム通いをまた頻繁にするようになった。
1年後の28歳の時だった。
招待されて行ったラスベガスでの世界大会。
優勝した。
するとアメリカの大手ゲーム機器メーカーからスポンサー契約の話が舞い込んだ。
それはまさにプロゲーマーになる事を意味していた。
最初は断った。
両親の顔も浮かんだ。
でも悩みに悩み抜いて数か月。
梅原さんはプロゲーマーになる事を決意した。
そして3か月後海外の大会に赴いた時の事だった。
優勝した梅原さんのもとに次々と皆が集まってきた。
それから8年がたった。
今では両親も梅原さんの仕事を応援している。
「新しい仕事スペシャル」。
続いては一見ごく普通のサラリーマン。
実はこの人…。
アメリカで「今世紀最も魅力的な職業」と言われている仕事を担う。
それは…ネットの発達などにより日々生まれる膨大なデータ。
「ビッグデータ」と呼ばれるこうしたデータを分析しビジネスに革命を起こすアイデアを生み出すのが「データサイエンティスト」だ。
日本における先駆者が…関西の大手ガス会社データ分析部門のリーダーだ。
河本さんの手腕がいかんなく発揮されたのが例えばこのシステム。
ガス機器の修理サービスを劇的に変えた。
客からの電話で故障状況を聞き取りその内容を入力。
すると数十万点あるガス機器の部品の中から故障の可能性が高い部品5つを自動的に割り出してくれるというものだ。
河本さんたちチームはこのシステムを作るために過去400万例に上る修理のデータを徹底解析。
その結果一度の訪問で修理を終わらせる割合を大幅に増やした。
河本さんはこうした業績が高く評価され気鋭のデータサイエンティストとして業界を超え注目されている。
今そんな河本さんたちデータサイエンティストに押し寄せる大きな波がある。
それは人工知能AIの導入だ。
AIによるデータ分析はこれまでの方法に比べ圧倒的にスピードが速い。
だがAIには大きな課題がある。
この日AIを使いこの会社が力を入れる家庭用燃料電池の故障箇所を割り出す新たなシステムを作っていた。
故障箇所を見つけ出す確率は100%と完璧だった。
しかし…。
AIは解析のスピードがあまりに速いためなぜその答えが導き出されたのか人間が理解するのは不可能なのだという。
つまりAIを使うと人間には理解できないブラックボックスが生まれてしまうのだ。
実際AIを使って作った今回のシステムを現場に説明すると…。
結局今回はAIを使ったシステムを採用せず別の解析方法を使ったシステムを採用する方針が決まった。
河本さんは今後AIがどれだけ導入されても人間の役割はやはり残ると考える。
「新しい仕事スペシャル」。
(犬のほえる声)去年秋1か月後に年間チャンピオンを決める大会を控えていた。
世界各地の大会でポイントを積み重ねた強豪たちが一堂に会する。
今回5回目となるこの大会。
梅原は準優勝はあるもののまだ優勝を手にできていなかった。
梅原は自宅と練習場所を往復しながら大会に向け準備を進めていた。
11月下旬の事だった。
(取材者)えっ静かに?4年半つきあい同棲していた彼女が別れを切り出し家を出て行ったという。
う〜ん…何なんすかね。
う〜んまあどうですかね。
12月。
梅原は大会の地アメリカ・アナハイムにやって来た。
ホテルの部屋で直前まで後輩たちと練習を続ける。
プロゲーマーという新たな世界で先頭を走り続ける梅原。
その経験の全てが後に続く者の礎となり指針となる。
世界大会が始まった。
梅原は1戦目2戦目を順調に勝っていく。
しかし3戦目。
ドミニカ共和国の18歳との戦い。
(歓声)緊張感みなぎる接戦となった。
にもかかわらず梅原…。
観客をいかに楽しませられるかが最も大事という梅原。
そのために不可欠な事を梅原は経験から見いだした。
梅原は僅差で敗北敗者復活戦に回る事になった。
相手は4年前にこの大会を優勝した後輩ゲーマーだ。
相手が攻撃に出る直前。
絶妙なタイミングのパンチを繰り出し積極的な攻撃に出た。
梅原らしい予想外の技だった。
そして…。
(歓声と拍手)観客を沸かせトップ8に勝ち上がった。
だが翌日の戦い。
相手は22歳の日本人プロゲーマー。
梅原は負けた。
会場を去ろうとした時…。
梅原の戦いぶりをたたえる声が上がった。
(拍手)
(主題歌)自分の仕事っていうかそういうものに感謝の気持ちを持ってそれをちゃんと口で言うだけじゃなくって態度や行動で示すっていう事かなって思ってますね。
常にやっぱり素直な心で周りからの意見を聞き自分を正していったりよくしていくというのがすごくプロフェッショナルには大切な事かなっていうふうに思っています。
継続した人でかつその中でチャンスをつかんだ人。
継続してるとチャンスがやって来るんでその中で努力してるとつかめると思うんで継続です。
2018/03/19(月) 19:30〜20:43
NHK総合1・神戸
プロフェッショナル 仕事の流儀「新しい仕事スペシャル」[解][字]

時代が生んだ新しい仕事のプロたちを特集。日本トップのユーチューバー、HIKAKIN(ヒカキン)に、初の密着が実現!さらに世界的な「プロゲーマー」の日常に迫る!

詳細情報
番組内容
時代が生んだ新しい仕事のプロたちを特集。動画総再生回数79億回以上、チャンネル総登録者数1100万人を超えて日本トップを誇るユーチューバーのHIKAKIN(ヒカキン)に初の密着が実現!そこにはこだわりを追求するために、企画から出演、撮影、編集までを一人で行い、1年365日、ほぼ1日中自宅で仕事をする地道な日々が。世界的な「プロゲーマー」、梅原大吾(36)が、新しい道に踏み出した理由とは?
出演者
【出演】ユーチューバー…HIKAKIN,プロゲーマー…梅原大吾,データサイエンティスト…河本薫,【語り】橋本さとし,貫地谷しほり

ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – ドキュメンタリー全般
ドキュメンタリー/教養 – 社会・時事
ドキュメンタリー/教養 – カルチャー・伝統文化

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
サンプリングレート : 48kHz
2/0モード(ステレオ)
日本語(解説)
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