ロシア大統領選、プーチン氏が圧勝
18日に行われたロシアの大統領選挙で、現職のウラジーミル・プーチン氏が勝利を確実にした。中央選挙管理委員会によるとプーチン氏の得票率は76%で、2012年の前回選挙の64%を上回った。
プーチン氏は2024年まで大統領職を務める。開票速報が発表された直後の記者会見で同氏は、有権者が「ここ数年の成果を評価してくれた」と語った。
一方、6年後の大統領選に立候補するかとの質問には「その質問は少しおかしい。私が100歳までここ(大統領職)にいると思うか?それはない!」と答え、一笑に付した。
またプーチン氏陣営は「素晴らしい勝利だ」とコメント。「得票率が全てを物語っている。プーチン氏が今後、政策を決定を下すために必要な信任であり、決定すべきことは山積している」と述べた。
投票率は60%超だった。一部の地域では、投票所近くの小売店で食品がふるまわれたり、商品の割引きが行われた。
大統領選には7人が立候補していた。共産党から立候補し、次点となった富豪のパベル・グルジニン氏は12%を獲得。テレビ司会者のクセニア・ソプチャク氏と退役将校のウラジーミル・ジリノフスキー氏はそれぞれ2%、6%だった。
また、最有力とみられていた野党勢力の候補、アレクセイ・ナワリヌイ氏は立候補を阻まれていたおり、プーチン氏の勝利は確実視されていた。
プーチン氏が再選確実と聞いたナワリヌイ氏は、怒りを抑えきれないと発言。ツイッターで「今はレント(キリスト教徒がイースター前に節制生活を送る期間)の期間だ。私は今年、こ怒りで声を荒げないことを自分に課した。まぁ、来年また挑戦することにする」と述べた。
投票当日、選挙監視団体ゴロスは何百もの不正を報告した。
- 投票開始より前に投票箱に投票用紙が入っていた
- 複数の投票所で監視団体の立ち入りが禁止された
- 投票所にバス輸送された人々がおり、強制投票の疑惑が浮上している
- 投票所に設置されたウェブカメラの前に障害物が置かれた
ある投票所では、選挙スタッフが投票箱に投票用紙を詰め込んでいる様子が撮影された。
ただ中央選挙管理委員会のエラ・パムフィロバ委員長は、これまでに重大な違反行為は報告されていないとしている。委員会の会議でも「われわれの元に集まった全ての情報について、できる限りの監視と分析を行った。今のところ、大事は起こっていない」と述べている。
パムフィロバ委員長は先に、違反した者は逮捕されるだろうと話していた。
今回の大統領選は、ロシアがクリミアを併合してから初めての選挙。プーチン氏は投票日と同じ18日に開かれた併合4周年の記念式典に参加した。
クリミア併合はウクライナから激しい非難を浴びているほか、ロシアと西側諸国の緊張を高める原因ともなった。一方、ウクライナ政府は在ウクライナ・ロシア人がロシアの政府機関に接触することを禁じており、ウクライナに住むロシア人は投票できなかった。