「ゲーム」といえば、かつてはゲームセンターを始めとするアーケードゲームや、家庭用コンシューマーゲーム機が一般的でしたが、現在ではオンラインゲームやスマートフォンのゲームアプリ、ソーシャルゲームをイメージする方の方が多いのではないでしょうか。
「小さい頃からゲームが好きで、ゲーム業界に興味がある」
「ゲーム業界で働きたかったが、無理だと諦めて別の仕事に就いている」
こうした方は少なくないのではないかと思います。
そこで今回は、未経験からゲーム業界への転職を目指す方のために、注意しておきたいポイントをご紹介します。
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ゲーム業界ってどんなところ?
そもそも「ゲーム業界」とは、ゲームの企画・開発から販売まで、すべてに関わる業種の範囲を指します。同じ制作会社でも取り扱うゲームの種類はコンシューマーゲームからソーシャルゲーム、オンラインゲーム、パチンコまで多種多様です。
どのようなゲームを作るのか考える「企画」、企画されたゲームを実際に作る「開発」、そしてできあがったゲームをプレイヤーの手に届ける「販売」と、大きく3つの分野に分けられます。
企画や開発など、特定の分野だけの仕事を行う会社もあれば、開発・販売というふうに複数の分野の仕事を行っている会社もあります。
ゲーム業界で働く人は20~30代程度の若い方が多く、ゲームだけでなくアニメや漫画などのサブカルチャーが好きな、いわゆるオタク系の人が多いようです。
ゲーム会社は、特に中小企業の場合、私服での通勤が許されるなど比較的自由な働き方を許している会社も少なくありません。
ちなみに、職種により異なるものの平均年収は500万円ほどとされています。ただし、残業が多く、場合によっては徹夜を強いられることもあるのは覚悟してかなければなりません。
とはいえ、昔のように「徹夜が当たり前」という風潮はなくなってきており、理由としては、やはり労働環境に対する社会の目が厳しくなったことが大きく影響しています。
現在のゲーム業界の動向は?
ゲーム業界の動向で、近年特に注目を集めているのが、ソーシャルゲームの発展です。テレビなどでも連日人気ソーシャルゲームのCMが放送されており、その市場が広がりを見せていることが実感していただけるかと思います。
同時にソーシャルゲーム業界では市場の拡大に伴う人材不足に喘いでおり、そうした意味ではこれから転職を目指す方には追い風が吹いているといえるかもしれません。
中でも、プログラマーの人材が不足しているようです。逆に、コンシューマーゲームは市場規模が縮小しているため、そちらへの転職を目指す方は苦しい戦いを強いられるかもしれません。
ゲーム業界の主な職種は?
ここからは、ゲーム業界の主な職種と仕事内容をご紹介しましょう。また、それぞれの職種を目指す場合に持っていると有利な資格も併せてご紹介します。
プログラマー(エンジニア)
プログラマー、あるいはエンジニアと呼ばれる職種は、ゲームの中身となるプログラムを制作するのが仕事です。
ゲームそのもののプログラミングはもちろんのこと、ゲームの開発をしやすくするためのツールを作ることもあります。また、小さな企業の場合はプログラマーが他の仕事を兼任することも珍しくありません。
プログラマーを目指すのであれば、C、C+、Java、Javascript、Objective-Cといったプログラム言語を習得していると有利です。最近ではunity、UnrealEngineといったゲームエンジンを利用して開発を行う場合もあります。
デザイナー
デザイナーは、CGを始めとするゲーム内で使われるビジュアルを作成する仕事です。小さな会社の場合は、デザインに関わる業務をすべて任されることもありますが、大きい会社になるほど業務の領域が細分化される傾向にあります。
平面の画像を作成する2Dデザイナー、3DCGを作成する3Dデザイナーを始め、ゲーム内のエフェクトを作成するエフェクトデザイナーや、ユーザーインターフェースの操作性をデザインするUI/UXデザイナーなど、その業務範囲と求められるスキルは多岐にわたります。
実際に担当する仕事によって、役立つスキル・資格が異なるので、転職時は募集要項をよく確認した方が良いでしょう。ただし、デザインの基本としてIllustrator、Photoshopが扱えると便利です。
デバッガー
デバッガーとは、制作中のゲームをプレイしバグを発見する仕事です。特別なスキルは不要なため、転職しやすい職種といえますが、根気のいる作業なので自分に適性があるかどうかをよく見極める必要があるでしょう。
サウンドクリエイター
BGMや効果音を作成、編集する仕事です。特別な資格はいりませんが、音楽編集に使用するソフトやツールを扱うスキルが求められます。
プランナー
どのようなゲームを作るのか、具体的なアイデアを企画する仕事です。プログラマーやデザイナーなど、具体的な開発作業を行う人々に自身の考えたプランを伝えるのも役割のひとつです。
特別な資格は不要ですが、コミュニケーション能力とプレゼンテーション能力が求められます。知識だけでなく、ユーザーとしての視点で気持ちや欲求を考えられ、それを伝えられる表現力も重要になってきます。
未経験でもゲーム業界に転職することは可能?
ここまでご紹介してきたように、ゲーム業界に含まれる職種の多くは、特別な資格を持っていなくても働くことができますから、実務経験者でなくてもゲーム業界に転職することは可能です。実際、未経験歓迎の求人情報も多くあります。
ただし、たとえ資格は不要であっても、必須とされるスキルを提示されることはあるので、どんな条件があるのかは確認しておいてください。
専門学校でスキルを学んでから転職するのもアリ
プログラマーやデザイナーなど、具体的に就きたい職種が決まっているものの、「スキルもなく、未経験である」というような場合には、先に専門学校などに通って必要な技術を学んでおくのもひとつの方法です。
近年では社会人向けの勉強会、教育サービスも多く提供されています。そういった学びの機会は土日でも参加できるため、現在の仕事を辞めずに並行して学習を進められる点がおすすめです。
競争相手の少ない新しい分野が狙い目
ゲーム業界の中でも、最近特に需要が増えてきた職種を狙うと比較的転職しやすいといえるでしょう。まだ競争相手が少なく、これから重宝されていく仕事だと考えられるためです。
具体的には、オンラインゲームの拡大により仕事が増えてきたサーバーエンジニア、特にソーシャルゲームで活躍の機会が多いUI/UXデザイナーなどの職種が挙げられます。
ゲーム業界で面接を受ける際のポイント
転職の面接を受ける際、注意するべき点をご紹介しましょう。
すでにご紹介したように、ゲーム業界はブラック企業ではないにしても残業が多く、長時間労働が多いので、職場環境としては厳しいです。徹夜こそ減ってきたものの、肉体的・精神的に辛いと感じるかもしれません。
したがって、志望動機で業界への憧れといったポジティブな面ばかりを強調すると「現実を知らない」「覚悟が足りない」とみなされてしまうかもしれません。
憧れよりも「どんなゲームを作れば消費者に受け入れられるのか」といった、より現実に即した話を強調した方が好意的に受け取られる可能性が高いでしょう。
まとめ
今回は、未経験でもゲーム業界で働きたいという方のために、ゲーム業界への転職についてご紹介してきました。ゲーム業界と一口に言っても、実際にはさまざまな職種に分かれており、それぞれの領域で求められるスキルは多岐にわたります。
まずは、自分がやりたい仕事を具体的に絞り込み、そこで求められるスキルはどのようなものか検討することから始めましょう。目標を明確にすることが、転職成功の第一歩です。