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甲状腺がんの被害知って 子ども基金 富山でコンサート

甲状腺の役割や甲状腺がんの症状などを語る牛山元美さん(中央右)=富山市湊入船町で

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 甲状腺がんの理解を深めてもらおうと、NPO法人「3・11甲状腺がん子ども基金」(東京)が十八日、富山市湊入船町の県民共生センター・サンフォルテでコンサートを開いた。県内で初の活動として企画。市民らがオカリナの音色に聞き入り、医師の話などにも耳を傾けた。

 子ども基金は二〇一六年七月に設立。東京電力福島第一原発事故後、甲状腺がんと診断された子どもの療養費支援や甲状腺がんの啓発活動を展開している。東日本大震災の被災地から県内へ移住した避難者が活動を知り「富山でも活動してほしい」と依頼した。

 オカリナ奏者ホンヤミカコさんが、福島県の民謡「新相馬節」など九曲を披露。繊細な音色で集まった約四十人を魅了した。

 演奏の合間には、内科医牛山元美さんが甲状腺の役割や甲状腺がんについて解説した。福島県が震災後に実施している検査で百九十六人ががん、がんの疑いと診断されたことに触れ「甲状腺がんを引き起こす放射性ヨウ素は福島だけに散らばったわけではない。東日本一帯で検査をすべきではないか」と話した。

 福島県出身の女性患者の手紙も読み上げられた。「将来の結婚や差別など考えなければならない問題は数多くありました」と当時の心境を明かし「精神的にも経済面でもかなりの負担があった」と支援の輪が広がるよう求めた。 (酒井翔平)

 

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