ペパ研 研究会

情報処理学会第80回全国大会でHaconiwaに関する発表をしました

ペパ研 研究会

技術基盤チーム シニアプリンシパルの近藤@udzuraと申します。先日まで、早稲田大学理工キャンパスで情報処理学会第80回全国大会が開催されていました。その場で、私が第一著者である2ページの論文「Haconiwa: プログラムによる、組み立て可能性と拡張性を持つLinuxコンテナ」についての発表をさせていただきましたので、簡単ですがペパ研ブログをお借りして報告いたします。

発表資料・予稿

今回は、特にホスティング基盤でのコンテナ採用における既存実装の課題を示しつつ、コンテナランタイムの実相であるHaconiwaによりその課題にどう対応していくことができるか、という内容のお話をしました。また、先行してペパ研の松本より論文にしているFastContainerとの関係も言及しています。

Speaker Deck にアップロードした資料は以下となります。

また、今回発表した予稿を以下に公開します。

会場でのフィードバック

会場では様々なフィードバックをいただきました。その中で、座長をされていた筑波大学の佐藤先生から、Haconiwaが作成する「コンテナ」は、他のランタイムが生成するような「コンテナ」と性質が違うのではないか、その場合、別の呼称・用語を作り出してみるのはどうか、というご指摘をいただいています。

様々なコンテナランタイムやコンテナクラスタリングの実装がある中で、Haconiwaがどのように運用の課題に貢献していけるかについて一つのヒントとなるご指摘かと思われました。

Haconiwaの今後の研究と発表

基盤として採用しているシステムでの活用と、Haconiwa自身の改善とを二つの軸として考えています。基盤として採用しているシステムでの活用については、当社でサービスしているロリポップ!マネージドクラウドであったり、あるいは九州大学との共同研究上の基盤で、Haconiwaがどのように有効であるかを計測・実証していくことを予定しています。

また、Haconiwa自身の改善については、機能などの向上はもちろんですが、連携性やエコシステムを広めるところも考えていく予定です。具体的には、Kubernetesの連携インターフェースであるCRIのアダプタを準備したり、もしくはHaconiwaを中心としたオーケストレーションの仕組みをOSSで実装してみることを検討しています。

ところで、Haconiwaと、コンテナの運用やオーケストレーションに関するお話をRubyKaigi 2018のCFPに提案し、この度採択されましたことを合わせてご報告します。

6月の仙台で本研究の続きのお話をさせていただければ何よりです。

謝辞

本論文は、九州大学情報基盤研究開発センターとのコンテナ型仮想化技術によるクラウドホスティングの共同研究開発の一環として作成しました。九州大学の岡村先生、嶋吉先生、笠原先生より様々な助言をいただいています。さらに、ペパ研顧問の力武技術士、Ruby開発者であるクックパッド株式会社の笹田耕一さんにご意見をいただき反映しています。この場をお借りしお礼申し上げます。

また、本研究を含むコンテナ型仮想化技術によるクラウドホスティングの研究は、2017年度Ruby Association開発助成も受けていることも付言します。メンターとしてまつもとゆきひろさんに貴重なアドバイスをいただきました。


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