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企業のPCで広く使われているOS「Windows 7」のサポート期間終了まで2年を切った。「企業が今の計画のまま進んでしまうと、かなりまずい状況になる」。調査会社IDC Japanの浅野浩寿シニアマーケットアナリストは日本企業の「Windows 10」移行が遅々として進まない現状に警鐘を鳴らす。
2014年4月の「Windows XP」のサポート終了時は駆け込み需要が急拡大。出荷遅れで更新できないなどの混乱が生じ、その後のPC需要低迷が業界再編の呼び水ともなった。「XPショック」の再来を避けるには企業の早期からの取り組みが欠かせない。
2017年末で「10」は3割
企業や自治体などで稼働するPCは全国で3400万台程度とみられている。IDC Japanは2017年9月時点における国内企業の「10」への移行計画を調査し、861の企業や組織から回答を得た。
回答企業が保有するPCの台数と各社の移行計画を基に、企業内PCにおける「10」搭載機の台数比率を推定した。2017年末時点では29.5%にとどまり、7割以上が「10」より前のOSを搭載していた。
米マイクロソフト(Microsoft)は2020年1月14日に「7」の延長サポートを終了する。サポート終了後はセキュリティ更新プログラムや有償サポートサービスを提供しないとする。
サポート終了後に「7」を使い続ければ、新たに見つかった脆弱性を突く攻撃の被害に遭う可能性が高い。「7」後継の「Windows 8.1」は2023年1月10日までサポート期間があるが、「企業におけるWindows搭載PCのうち2017年9月時点の『8』および『8.1』の比率は約13%にとどまる」(IDC Japanの浅野氏)。約5割を占める「7」搭載PCを、サポート終了前に円滑に移行できるかが焦点となっている。