私が6歳の娘に銃を教えた理由

“射撃女子”を巡る銃所有のリアル

2018年3月19日(月)

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サウスカロライナ州に住むシャイアン・ロバーツ。13歳の彼女は小学校に通う普通の女の子だが、誰にも真似のできない一つの特殊技能を持っている。射撃の腕だ。13歳ながら、シャイアンは射撃大会の成人女子の部で優勝するほどの腕前だ。シャイアンと彼女に銃の扱いを教えた父親のダンのストーリーをひもとけば、普通の子供がどのように銃に出会うのか、その一端が垣間見えるだろう。(敬称略、ニューヨーク支局 篠原匡、長野光)

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自分の子供に銃の扱い方を教えようと思ったのはなぜでしょう?

ダン・ロバーツ(以下、ダン):私は過去に銃のインストラクターをしていて、子供たちが銃で事故を起こす最大の理由は扱い方を知らないことにあると感じていました。国として、私たちは子供たちに教えなくなってしまったんです。

6歳の娘に銃の扱い方を教えたダン・ロバーツ(写真:Retsu Motoyoshi)

「弾を装填したマシンガンをここに置いても大丈夫」

 以前は普通のことでした。私が高校に通っていた頃は友人のほとんどがハンティングのためにショットガンやライフルを車に積んでいました。それを疑問視した人も誰もいませんでした。

 ところが、そういった習慣は失われ、銃器はタブーだと子供たちに教え始めたんです。「銃器には関わってはならない」とね。でも、子供は好奇心が強いので、触っちゃダメといわれれば触りたくなるものです。

 私はそれが分かっていたので、銃器がとても危険なモノになりかねないということを子供たちに理解してほしかった。銃器は大切に、敬意を持って扱わなければなりません。私はこの方法が事故を防ぐ最善の方法だと確信しています。

娘のシャイアン(左)は13歳にして射撃大会の成人の部で優勝するほどの腕前(写真:Retsu Motoyoshi)

危険だからこそ、早いうちに使い方を教えるということですね。

ダン:そうです。「私がいない時にプールに近づくな」と言う代わりに、泳ぎ方を教えたんです。いずれはプールに近づくでしょうから。誰も近くにいないときにプールに落ちて、泳ぎ方を知らなければ死んでしまう。

 私にとっては銃器も同じです。禁止して子供の興味を取り除こうとしても、父親や母親の拳銃やライフルを持ち出して、「これってどうするの?」なんていっているうちにケガをする。あるいは、誰かを傷つけてしまうなんていうことになりかねません。

 私は弾を装填したマシンガンを今ここに置いても大丈夫だという自信があります。シャイアンとコナー(8歳の弟)は興味があるからといってマシンガンを触ることはありません。私に言えば、私の監督下で使えることが分かっていますから。それが、私の最大の目標でした。

8歳の弟も銃の扱いの練習を始めた(写真:Retsu Motoyoshi)

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「私が6歳の娘に銃を教えた理由」の著者

篠原 匡

篠原 匡(しのはら・ただし)

ニューヨーク支局長

日経ビジネス記者、日経ビジネスクロスメディア編集長を経て2015年1月からニューヨーク支局長。建設・不動産、地域モノ、人物ルポなどが得意分野。趣味は家庭菜園と競艇、出張。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

長野 光

長野 光(ながの・ひかる)

日経ビジネスニューヨーク支局記者

2008年米ラトガース大学卒業、専攻は美術。ニューヨークで芸術家のアシスタント、日系テレビ番組の制作会社などを経て、2014年日経BPニューヨーク支局に現地採用スタッフとして入社。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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