心を大切にしない人が多すぎる
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米Lifehackerが人生の役に立つ言葉を紹介するシリーズ「Mid-Week Meditations」へようこそ。ストイック派の知恵を探求しそれを使って自らを省みて、人生を好転させましょう。
今週ご紹介するのは、エピクテトスの要録(28)の言葉。エピクテトスは、なぜ心を身体と同じくらい大切にしないのか、と問いかけます。
もしひとがきみの身体(からだ)を行き当たりばったりの人に委(まか)せるならば、きみは立腹するだろう。だがきみは、きみ自身の心を出会う人に委せ、もしその人が罵るならば、それできみは悩まされたり、動揺させられたりしているが、きみはそのために恥ずかしくないか。
『世界の名著 13』:中央公論社、1977
Enchiridion(28)
その意味するもの
エピクテトスの問いかけは、小さな思考実験の形をとっています。歩いていたら、誰かに身体をつかまれて、好き勝手なことをされたら、当然ながらあなたは怒りますよね? 自分が許した相手以外から、触られたり、つかまれたり、連れていかれたりしそうになれば、全力で抵抗するはずです。
しかし、どういうわけだか私たちは、心を身体と同じように守ろうとはしません。自分の心を、通りがかりの人や、広告、政治家、ソーシャルメディアの投稿、ニュースにゆだねてしまいます。ときには、私たちを貶め、混乱させようと狙っている赤の他人にさえ心をまかせてしまうのです。なぜそんなことを許すのですか?
そこから学べるもの
世の中には、私たちを混乱させ、自己不信に陥らせ、怒らせ、行きたくない方向へと押しやろうとするもので溢れています。そして、私たち自身が、そうしたものが自分に影響を与えることを許しているのです。それを選んでいるのは私たち自身なのです。そう考えることこそが、ストア哲学の揺るがぬ基盤でもあります。
しかし、たとえそうだとしても、心を惑わす刺激や情報をすべて拒絶するのは簡単なことではありません。そうしたものを取り入れたくなる衝動や本能に抗わなくてはならないからです。でも、戦ってください。
あなたの心を攻撃するものがどんな姿をしているのか、見分けられるようになってください。それは、ささいな気晴らしのようなものかもしれないし、有害な知人という姿を借りて襲ってくるのかもしれません。毎日一度は自分に言い聞かせてください。「あいつらの好きにさせてはいけない」と。身体をつかもうとする見知らぬ人の手を振り払うのと同じように、心に襲いかかる手を振り払ってください。
24時間、あなたとともにあるものは、あなたの心と身体だけです。どんな心であれ、どんな身体であれ、この2つはあなたにとって絶対に必要な2つであり、あなたが所有するもののなかで最も重要かつ価値のあるものです。
なぜ、心を身体と同じように大切にしないのでしょうか?
Image: Paul VanDerWerf/Flickr
Source: Amazon
Patrick Allan - Lifehacker US[原文]
訳:伊藤貴之