【10万円以下】「超望遠レンズ」に価格破壊が起きています
2018年03月18日(日)
360.life編集部
360.life編集部/Test by 家電批評編集部
【10万円以下】「超望遠レンズ」に価格破壊が起きています
運動会や動物園など人で混雑する場で活躍する望遠レンズ。さらに倍率が高く、遠くからでもより近くにあるかのように撮れる「超望遠」クラスのレンズがあります。以前は簡単に手に入るものではありませんでしたが、今リーズナブルな高コスパレンズが登場、密かなブームとなっているんです。
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  • 今超望遠レンズがブーム
    未知の世界が撮れます
大砲のような巨大なレンズを装着した一眼レフカメラを動物園や運動会、空港の展望デッキなどで見かけたことはないでしょうか。それが超望遠レンズです。

超望遠レンズの魅力は運動会から野鳥やF1まで、近づきたくても近づけない被写体を遠くからドアップで狙えること。カメラに付属の望遠ズームとは段違いの迫力が得られます。

しかし、400ミリ、500ミリ、600ミリと焦点距離が長くなればなるほど、レンズに求められる性能もシビアになります。もちろんこれまでも安い超望遠レンズは存在していましたが、設計が古くオートフォーカスなどに不満が大きかったのです。

かと言え、性能を求めると簡単には買えないほど価格が高くなってしまいます。
ニコン
AF-S NIKKOR
600mm f/4E FL ED VR
購入価格:115万2398円
サイズ:φ166×432mm・3.81kg 
マウント:ニコンFマウント(フルサイズ対応) 
レンズ構成:12群16枚 
最短撮影距離:4.4m 
手ブレ補正:4.0段
オリンピック撮影などに使われるのはこういった超望遠の単焦点レンズです。4kg近い重量もあり使用には筋力も必要。でも、野鳥の撮影では「500mmが標準」と言われており、アマチュアでも人気の製品です。
キヤノン
EF100-400mm 
F4.5-5.6L IS Ⅱ USM 
購入価格:23万4122円
サイズ:φ94×193mm・1.57kg 
マウント:キヤノンEFマウント(フルサイズ対応) 
レンズ構成:16群21枚 
最短撮影距離:0.98m 
手ブレ補正:4.0段
キヤノンやニコン純正の超望遠ズームの定番がこのクラス。特に、キヤノン100-400mmは2015年に16年ぶりの新型が投入されて注目を集めました。

これらの高級レンズは確かに、10年以上第一戦で戦える実力をもっています。ただ、30~130万もする超望遠レンズはお手軽とは言えません。しかし、ここ数年、10万円前後で購入できる超望遠ズームが続々登場し「買える超望遠」が秘かなブームとなっています。
  • 高嶺の花だった超望遠が
    10万円前後で買えます
高嶺の花だった超望遠レンズ。しかし、10万円前後で買える超望遠ズームレンズが相次いで登場しました。

いま、注目されているシグマやタムロンの超望遠ズームは400~600ミリまでカバーしながらもオートフォーカスの速度も十分満足いくレベルに達しています。
タムロン
SP 150-600mm F/5-6.3 Di VC USD G2
購入価格:11万494円
サイズ:φ108.4×260.2mm・2.001kg 
マウント:キヤノンEFマウント、ニコンFマウント、ソニーAマウント(フルサイズ対応) 
レンズ構成:13群21枚 
手ブレ補正:4.5段
2014年にデビューして「600mmが10万!」とカメラファンをざわつかせた150-600mmの2世代目。タムロンはコスパに優れたズームレンズが得意なメーカー。手ブレ補正の効きが良いことでも定評があります。
シグマ
100-400mm F5-6.3
DG OS HSM | Contemporary
購入価格:7万651円
サイズ:φ86.4× 182.3㎜・1.160kg 
マウント:キヤノンEFマウント、ニコンFマウント、シグマSAマウント(フルサイズ対応) 
レンズ構成:15群21枚 
手ブレ補正:有り・性能は非公表
シグマは世界最大の交換レンズメーカー。このレンズは航空写真好きの設計者が企画したものです。キヤノンの100-400mmより一回り小型で携帯性にも優れます。

これらのレンズは価格がカメラメーカーの純正品より大幅に安く、破格のコスパを誇っています。さらに、画質だってプロが太鼓判押すレベルなんです。次からは超望遠レンズで撮れる画像を検証します。
  • 写真が圧倒的に変わる
    超望遠レンズの醍醐味
スマートフォンの進化でお手軽に綺麗な写真を撮れるようになってきましたが、最近のスマホは背景をボカすなど一眼カメラの特権にまで踏み込んできています。

しかし、スマホが絶対太刀打ち出来ない領域があります。それが超望遠です。超望遠は普段の生活の中では馴染みのない焦点距離であり、スナップなどでは必要ない場合が多いのですが、実際に使ってみるとその圧倒的な画に驚くはずです。

そこで、スマホクラスの28mm、望遠の300mm、超望遠の600mmと3パターンで観覧車を撮り、比較してみました。
28mm
レンズキットに含まれる標準ズームレンズの広角側は24~28mmくらい。スマートフォンのカメラも写る範囲はこのくらいです。風景全体を収めることができます。
300mm
135~300mm台くらいがいわゆる望遠の領域。これで十分そうですが、運動会でグラウンドの反対側で演技する子供を撮ったり、野生動物を遠くから狙うにはまだ不足しています。
600mm
400mmを超えると超望遠といえます。観覧車のシートの構造がよくわかり、中に人がいれば表情まで伝わってきそうです。肉眼ではわからないものまで見えてくるのが面白いです。

超望遠レンズを使って撮ると、遠くのものがまるで目の前にあるかのような迫力、見えなかったものが写る面白さがあるんです。
  • 混雑する動物園でも大活躍
    対象だけを綺麗に写します
超望遠レンズは人で混雑する動物園でも活躍します。下の作例は横浜の「ズーラシア」で撮影したもの。動物園ぽさをほとんど感じない写真になっています。これが超望遠の威力です。

今回、作例やレンズの比較検証を担当したプロカメラマンも「ズーラシアでは900ミリ相当のズームがあることでとても楽しむことができました。動物園で超望遠は絶対楽しいですよ」といいます。
上の写真は150mmで撮影したもの。ライオンが遠いことに加えて、手前の枝葉や奥の柵も目障りです。
これを600mmで撮影するとクローズアップできるうえ、ジャマな枝葉や柵もボケて目立たなくなります。
ガラス張りの展示室にいるチンパンジーのポートレート。レンズは焦点距離が長いほど背景がボケるので、
展示室のような狭い空間でも超望遠レンズなら背景をボカした撮影ができます。

さて、レンズ表記について、900ミリ? 600ミリの誤植ではと思うかもしれませんが、レンズのスペック表記はフルサイズが基準。

センサーが小ぶりなEOS KissなどAPS‐Cの一眼レフに装着すると、400ミリのレンズは600ミリに、600ミリは900ミリになるのです(キヤノン機ではレンズの焦点距離を1・6倍で、ニコン機では1・5倍で換算する)。

以上、超望遠レンズの紹介でした。以前に比べてハイスペックで価格抑えめのレンズが登場したことにより、「未知の世界」がグッと身近になりました。一眼レフを持っているなら是非一度は触れてみてください。
360.life(サンロクマルドットライフ)は、テストするモノ誌『MONOQLO』、『LDK』、『家電批評』から誕生したテストする買い物ガイドです。広告ではない、ガチでテストした情報を毎日お届けしています。

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