難病男性 1人暮らし実現語る
障害のある人が地域の中で暮らしやすい社会について考えるシンポジウムが金沢市で開かれ、市内に住む全身の筋肉が萎縮する難病の男性が周囲の支援によって1人暮らしを実現した体験などを語りました。
このシンポジウムは、障害のある人の人権を守る活動をしている、全国の弁護士で作る団体が金沢市で開いたものです。
シンポジウムでは、市内に住む、全身の筋肉が萎縮する難病、筋ジストロフィーの患者、古込和宏さんが、みずからの体験を語りました。
古込さんは8歳の時から37年間、入院生活をしてきましたが、重い障害のある人が地域で生活するための支援をする「重度訪問介護」の制度を利用し、去年10月から市内で1人暮らしを始めたことを報告しました。
古込さんは制度を利用することで24時間、ヘルパーによる介護を受けることができるようになり、念願の1人暮らしができるようになったとしたうえで、これからも可能なかぎり、地域で支えてくれる人たちと一緒に生きていきたいと訴えました。
報告を終えた古込さんは「私の思いが多くの人たちに伝わることで障害者への理解が深まってほしい」と話していました。
シンポジウムを開いた団体の藤岡毅弁護士は「全国には重い障害のある人がたくさんいる。そうした人たちのために、共生社会の実現を目指して活動を続けていきたい」と話していました。