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「了解/承知」どっちが正しいとか愚問だからもうやめませんか

2018年3月17日 09時45分 ライター情報:米光一成
「了解/承知」問題が、再燃いている。
テレビ番組が取り上げたからだ。
3月13日夜、『この差って何ですか?』(TBS)だ。
人気番組だ。おもしろい。影響も大きいだろう。
だから嘘をばらまかれると、よけいに困る。
『学校では教えてくれない! 国語辞典の遊び方』(サンキュータツオ/角川文庫)
国語辞典の特徴、選び方、楽しみ方がつまった楽しい一冊

「どう使い分けたらいいの? この差日本語辞典」コーナーの進行役はサンキュータツオさん。
「了解/承知」の使い分けを解説した。
了解、承知、「実はどちらか一方しか使ってはいけないのです」と言いきる。
いちいち「ええええーー」という声が重ねられる。

【了解しました】 目上が 目下に使う 分かりました
【承知しました】 目下が 目上に使う 分かりました
という解説が行われると、
「あああー」「へぇぇぇー」という不自然で大袈裟な声が重なる(←こういうのも控えてほしい)。

問題点をあげていく。
『学校では教えてくれない! 国語辞典の遊び方』(サンキュータツオ/角川文庫)
国語辞典の特徴、選び方、楽しみ方がつまった楽しい一冊

【問題点1】そもそもデマである


菊池良さんのていねいな追跡記事をぜひ読んでほしい。
「了解しました」より「承知しました」が適切とされる理由と、その普及過程について
記事によると、「了解しました」が失礼だという流れは以下のようにして生みだされた。

もともと「了解しました」という表現が世間にひろまっていることに違和を感じた神垣あゆみさん。
2007年ごろに、彼女が「承知しました」が“感じが良い”と書いた。
2009年、次の著作で「了解しました」を不適切とした。
この本を参考文献とし他の本でも了解を不適切とするマナー本や文章本がでてきた。

つまり、「了解しました」が不適切だと言われはじめたのは、さかのぼっても2007年のころ。
「了解しました」より「承知しました」のほうが“感じが良い”ということがきっかけだったのだ。

国語辞書編纂者の飯間浩明さんのツイートも参考になる。



“「了解いたしました」がべつに失礼ではないという話は以前にもしましたが、あまり誤解は解消されていないようです。改めてまとめを作りました。不必要な軋轢(あつれき)がなくなることを願うばかりです。”

飯間さんは、“2011年に出たマナー本に「『了解』は目上に使うな」という趣旨のことが書かれています。私は、なぜかそこだけ無批判に紹介した”ことを悔いている。
“当初は無批判に紹介していました。不明を恥じます。”
とまでツイートしている。
そして、“「了解」ということばが失礼であるーと言われるようになったのは、ここ10年ほどのことです。

ライター情報

米光一成

ゲーム作家/ライター/デジタルハリウッド大学客員教授。代表作「ぷよぷよ」「BAROQUE」「想像と言葉」等。

URL:Twitter:@yonemitsu

コメント 6

  • 匿名さん 通報

    どうでもいい問題だな。言葉警察が多過ぎる。

    8
  • 匿名さん 通報

    解説の部分、逆じゃないですか?

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  • 匿名さん 通報

    私の一番嫌いな「さ入れ言葉」にもメスを入れて欲しいです。

    2
  • 通りすがり 通報

    いわゆる「B層フィルター」だな。この言説が広まった途端に「承知しました」を使い出したやつは、「ネット情報にたやすくコントロールされるB層」に認定したわ。

    1
  • 匿名さん 通報

    肝心なところ間違えていますよね (原文) 【了解しました】 目下が 目上に使う 分かりました 【承知しました】 目上が 目下に使う 分かりました 訂正したほうがよろしいかと

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