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【大相撲】

鶴竜ひやひや、全勝守った! 土俵の外、砂が舞ったように見えたけど…

2018年3月18日 紙面から

鶴竜の左足親指(右端)が蛇の目の砂を跳ね上げたように見えたが…(黒田淳一撮影)

写真

◇春場所<7日目>

(17日・エディオンアリーナ大阪)

 横綱でただ一人出場の鶴竜(32)=井筒=は、際どい勝負の末に貴景勝を下して7連勝。無傷で並走する平幕の魁聖も輝を退けた。大関は高安が松鳳山、豪栄道が宝富士に苦戦しながらも勝ってともに5勝目を挙げた。1敗は平幕の大翔丸と大奄美の2人。逸ノ城は2敗に後退した。

 行司軍配は押し相撲に応戦し、貴景勝を押し出した鶴竜。しかし、物言いが付いた。審判の協議の輪がなかなか解けず、テレビ中継は枠をはみ出た。もちろん、そんなことは横綱には関係ない。「もう一丁ならもう一丁、という感じで」と気合十分、土俵下で待つこと3分半。軍配通り、冷静に7連勝の勝ち名乗りを受けた。

 土俵際でもつれ、横綱の左足が俵にかかった瞬間、蛇の目の砂が舞ったように見えたことで際どくなった一番。館内にざわめきが広がっていく中でも、本人は落ち着き払っていた。

 取組後の支度部屋では、物言いに質問が集中したが「なんでだろうという感じ」とキョトンとした表情。まげを直してもらいながら「(土俵の)中の砂を掃いていた」と、左つま先を上げて俵の上に乗った場面を再現してみせる余裕があった。

 過去の対戦は初顔合わせで押し出した初場所だけだが、幕内最年少の土俵際の粘りは織り込み済みだった。「2日前にもありましたし」と、5日目に取り直しの末、宝富士を退けた経験もプラスに働いた。

 この日は押しに徹したように、右前みつを取る本来の攻めを見せたのは初日だけ。初場所千秋楽で中指などを痛めた右手には、暖房が効いた宿舎の自室でも手袋が欠かせない。体をいたわり、必死に回復を待っている。

 序盤でほかの上位陣に土がつき、勝ちっ放しは自身と魁聖だけ。先頭で並走する意識を問われたが、先場所は初日から10連勝しながら4連敗と失速しただけに「そういう気持ちになるのは早い」。まだ先の勝負所へ、心身とも油断はない。 (志村拓)

 

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