退職を決めたらどう伝える?円満退職を実現する4つのポイント
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こんにちは。
ユリカモメ病院の師長、伊集院よしみです。
あなたは、「円満退職」という言葉を聞いたことがありますか?
円満退職とは、文字通り勤務先と揉めることなく、スムーズに退職することです。
では、逆に円満に退職できなかった場合、どんなことが起きるでしょうか?
あなたの転職先に悪いウワサが広まってしまうかもしれないんです・・・!
なぜなら、円満退職できないと一緒に働いていた人達に悪い印象をもたれる可能性があり、人間関係のしこりを残してしまうからです。
円満退職をするためには、周囲に与える影響に配慮することが重要です。
たとえば、上司に退職を切り出すときは、部下に退職を切り出された“上司の心理”を考えましょう。
まずは上司に納得してもらえる退職理由を伝え、退職が決まったあとは業務に支障がないように、きちんと引継ぎをすることが重要です。
そこで今回は、“円満退職を実現する4つのポイント”をお届けします。
それでは、まいりましょう!
円満退職を実現する4つのポイント
円満退職を実現するには、あなたの退職が周囲へ与える影響に配慮しましょう。
周囲とは、上司や後任者や取引先、家族などです。
具体的なポイントは、以下4つです。
- 家族の了承を得る
- 上司に納得してもらう
- 退職までの期間をしっかり取る
- 引継ぎをきちんと行う
ひとつずつ説明しますね。
【円満退職のポイント】
1.家族の了承を得る
結婚している人など生計をともにする家族がいる場合は、転職先が決まってから伝えるのではなく、転職活動を始めるときに相談しておきましょう。
転職先が決まってから事後報告で家族に伝えると、思いがけず家族に反対されることがあるからです。
たとえば、転職することで給料が下がったり、今の会社より小規模の会社に転職したりする場合、家族から反対を受けることも考えられます。
そのため、年収が下がる可能性があるときは「最初は給料が下がるかもしれないが、どうしてもこの分野の仕事をしてみたい」など、自分の意思を伝えておきましょう。
【円満退職のポイント】
2.上司に納得してもらう
退職の意思を固めたら、まず直属の上司に話しましょう。
もし、直属の上司が人事権をもっていない場合でも、直属の上司を飛び越えてさらに上の上司に相談するのはなるべく避けたほうが無難です。
直属上司のあなたへの心証が悪くなってしまうからです。
そして、上司にとって、部下の退職は頭の痛い問題。
部下がひとり辞めれば、後任となる人を他部署から異動させたり、新たに採用したりする必要があるからです。
「退職を思い直せないか」と引き止められる可能性は高いでしょう。
そのため、スムーズに退職したいなら、上司が「それなら退職しても仕方ない」と納得できる退職理由を伝えるのがよいでしょう。
たとえば、「もっと専門性の高い仕事がしたい」「新しい分野にチャレンジしたい」など、その職場では実現できない理由を伝えることです。
オススメしないのは、事実と違うのに「実家に帰る」などと伝えること。
あとから嘘だとわかったときに、悪い印象をもたれてしまうので、なるべくカドが立たない退職理由を伝えるようにしましょう。
ただ、納得してもらいやすい退職理由を伝えても、上司から引き止められる可能性はあります。
どんな風に引き止められる可能性があるのでしょうか?
おもな引き止めのタイプ3つと対処法
上司の引き止めは、大きく3つのタイプに分類できます。
- 1.改善提案型
- 改善提案型は、退職希望者が持っている職場への不満を改善する提案をすること。
たとえば、“給料が低い”ことが不満である場合は「給料を上げる」と言ったり、“残業が多い”ことが不満の場合は「人を増やして仕事の負担を減らす」などの提案を行い、引き止めをします。 - 2.感情訴求型
- 感情訴求型は、一言でいうと情に訴える方法のこと。
たとえば、「もう一度よく考えてほしい」といって退職の希望を受け入れなかったり、「君に辞められると本当に困る」と伝えるなどです。 - 3.周囲巻き込み型
- 巻き込み型は、あなたのキーパーソンを巻き込む方法のこと。
たとえば、あなたがお世話になっている上司や先輩などが、直属の上司と共に引き止めてくるなどです。
このように引き止めの方法は上記の3つがありますが、あなたが労働条件に関する不満を退職理由として伝えた場合、上司は「1.改善提案型」の引き止めをしてくる可能性が高いです。
異動を打診されるケースもあるので、上司に転職の意思を伝える前に、提示される可能性がある異動先や断るシミュレーションをしておきましょう。
また、「周囲巻き込み型」の引き止めをされると、心が揺れる人は多いです。
自分がお世話になった人の言葉は重いですし、恩返しができずに申し訳ないという罪悪感にかられる可能性があるから。
ただ、冷静に考えると、もしあなたが退職を踏みとどまったとしても、その上司や先輩がずっとその職場にいるとは限りません。
退職しても交流を続けたい人たちとは、個人として付き合いを続けていけばいいでしょう。
あなたのキャリアにとって、一番いい選択肢をじっくりと考えてみてくださいね。
とはいえ、引き止められたことで、退職しないほうがいいか迷いはじめる人もいるでしょう。
そんなときは、どうしたらよいのでしょうか?
引き止められて迷ったら、信頼できるOBに相談する
退職すべきか迷ったときは、あなたの職場に以前勤めていて、すでに退職している上司や同僚に相談することをオススメします。
その人たちは退職を経験しているので、同じことで迷った可能性がありますし、転職して失敗したことなどの気づきも得られるかもしれません。
なかには、引き止めにあって迷い、結果的に退職しない選択をする人がいるかもしれません。
ただ、注意しておきたいのは、あなたが一度退職を口にしたことを上司は覚えています。
職場によっては、それが昇給や昇格などにも影響する可能性もあるでしょう。
退職の意思を告げた後に、今の職場に残る選択をするときには、それなりの覚悟が必要です。
そのため、あなたの気持ちが定まるまでは退職の意思を告げないほうがいいでしょう。
【円満退職のポイント】
3.退職までの期間をしっかり取る
部下が退職の申し出をしたとき、上司が一番頭を悩ませるのは“その人がしていた仕事を今後誰に任せるか”です。
引き継げる人が部署にいなければ、中途採用や他部署からの異動などで人材を確保する必要があります。
こうした段取りには時間がかかるため、退職意思を上司に伝えてから退職までの期間が長いほうが上司は安心するでしょう。
法律上は退職日の2週間前に申告すればいいことになっていますが、引継ぎをきちんとするためには時間が足りず、周囲に迷惑をかける可能性があります。
そのため、少なくとも1ヶ月、できれば2~3ヶ月ほど猶予があると、周囲への影響は少なくて済みます。
加えて、上司が後任者を確保しやすい時期があります。
それは、4月や10月など年度や半期の初月で、社内異動が多いタイミング。
異動者の検討は、異動の1~2ヶ月くらい前に行われますので、以下が退職の意思を伝えるのにいいタイミングです。
- ●4月の異動
- 異動者を検討するのは、1月や2月
- ●10月の異動
- 異動者を検討するのは、8月や9月
こうした時期に退職の意思を伝えると、上司が後任者を確保しやすいでしょう。
(社内異動が多い時期は会社によって違うので、自社で社内異動が多い時期をチェックしてみてくださいね)
ちなみに、この時期なら夏や冬のボーナス支給後なので、ボーナスをしっかりもらいつつ有給休暇の消化も考慮しつつ、スケジュールを立てましょう。
ただ、退職時期や有休消化は、あなたの要望をすべて通せる状況ではないこともありえます。
その場合、「自分の要望ばかり主張する」と思われないように、有給休暇はすべて消化できなくてもよしとする、など妥協点が必要です。
【円満退職のポイント】
4.引継ぎや退職準備をきちんと行う
後任者が決まれば、残るは業務の引継ぎです。
ここで注意したいのは、退職が決まった途端、仕事のモチベーションが下がらないようにすること。
後任者が引き継いだ仕事をスムーズに進められるように、モレなく細やかに引継ぎをしましょう。
引継ぎのポイントは、以下の通りです。
- ●業務をモレなく洗い出す
- まず、あなたの業務を週単位で振り返り、朝から終業までの業務をすべて洗い出します。
次に、1ヶ月に1度、半期に1度、年に1度など頻度が低い業務も忘れずにリストアップしましょう。 - ●後任者との並走期間を設ける
- 後任者との引継ぎ期間は、少なくとも一週間は確保しましょう。
仕事を引き継ぎながら、後任者がきちんと理解できているかを確認していきます。
また、念のため退職後の連絡先を伝えておきましょう。
「連絡先を教えるとバンバン連絡がきたらイヤだな」と思うかもしれませんが、退職者に連絡するのは気がひけるので、意外と連絡はこないことが多いです。
もし、連絡が多くくるかもと心配な人は「退職後1ヶ月くらいまでに連絡してください」など、期限を設けておくと安心です。 - ●引継ぎ状況を上司に報告する
- 意外と忘れがちですが、引継ぎ状況は適宜上司にも共有しておきましょう。
もし、引継ぎ内容にモレがあった場合に、上司が気づいてくれたり、指示を出してくれたりする可能性があります。 - ●取引先への連絡
- 社外のお客様や取引先に連絡し、取引の頻度が高い場合は後任者を紹介しておきましょう。
- ●社内への挨拶
- 最後に勤務先に出社する日までに、お世話になった人には必ず挨拶に行きましょう。
「いつの間にか辞めていた」と思われることがないようにしてくださいね。
最終日は人事手続きや荷物の整理などでバタバタするので、挨拶をするべき人数が多いときは数日前から挨拶に行っておくと安心です。 - ●身のまわりの整理・整頓
- あなたが使っていた机や書類の整理、掃除を忘れずにしておきましょう。
- ●貸与品の返却
- セキュリティカードなど、会社からの貸与品の返却も忘れないようにしましょう。
退職手続きや引継ぎは、職場に独自ルールが存在する場合もあるので、モレがないよう上司に確認してみてくださいね。
いかがでしたか?
退職することになったとしても、これまでお世話になってきた職場です。
これまで築いてきた人間関係を大切に、「立つ鳥跡を濁さず」の心意気で準備を進めましょう。
この記事が、今まさに転職を考えている方や、いずれ転職をする方にとって参考になれば幸いです。
「立つ鳥後を濁さず」は退職の基本なのよ。
去り際はキレイにしよう、って意味ですよね。
あら、ちゃんと知ってたのね。
水鳥が飛び立ったあとの水辺が、清く澄んだままだったことが語源らしいわ。
水鳥ってなんだか優雅な響きですね!
あら、中村君。
え・・・!
ほわわわわ・・・!
バタバタバタ
「立つリコ、慌てまくり」ね。
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