放送法「政治的公平条文」撤廃に放送業界が反対するのは不思議だな

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放送局に対し政治的公平などを義務付けた放送法4条の撤廃などを柱とする放送制度改革を政府が検討していることが15日、分かった。放送業界の構造改革を進め、放送とインターネット通信との垣根をなくし、コンテンツ産業での新規参入促進が狙いだが、日本民間放送連盟はこうした動きに警戒を強めている。

現状では放送法で電波放送には色々なしばりがあり、一方でインターネット経由での放送事業的なコンテンツ配信にはそのしばりが無い、あるいはないも同然となっている。提供されるのが同じ音声や動画にも関わらず、縛りの有る無しが生じてるのは変じゃないの? というのが前提としてある。数百万もの登録者がいるユーチューバーの登場とか、ネットフリックスのような中間的な存在が浸透すると、その疑問はますます高まってくる。

で。放送法のしばり、例えば政治的な公明正大さをもとめていた第四条などに関して、それを緩和して実情に合わせようじゃないかというお話。まぁ、まだ検討というレベルではあるし、第一公的な文面としては出ていないのだから、噂のお話以上のものでは無い。ただ、似たような話は以前からあったので、何の不思議もない。

一方で縛りを緩めよう、参入障壁を低くしようってのは、放送業界自身にとっても悪い話では無い......というか賛同されるはず。何しろその縛りを発動できることを確認しようとしたら、【「高市総務相による「停波発言」と朝日新聞記者の発言と「報道」姿勢の実情をかいま見た】にもあるように、逆切れレベルで反発したぐらいだし。倫理規定だから実際には法的な拘束力は無いとか勝手解釈をする「専門家」も出てきたぐらいだからねえ。

放送制度改革の方針案、「政治的公平を求めた放送法の条文を撤廃」という規制緩和に放送業界が反対しているのは、現状の「公明正大という大義名分を背負ったまま、やりたい放題ができる」環境を維持したいからなのだろうなあ、と。「中立」の看板を背負いながら偏向すれば効果は抜群だからね。

放送法の政治的公平を求めた放送法の条文を撤廃するなどの規制緩和を打ち出したら、放送業界が反発するのは、「民主党が出した教育基本法改正案を自民党が丸呑みしたら民主党が審議拒否」のようなものではある。まぁ、要は論旨的に無茶苦茶なのか、あるいは意図が別のところにあるということだ。

まぁ、日本では特に、公明正大さが好まれ、ありがたがられる傾向が強いから。そのシールドが使えなくなるのは痛いのだろうし、それを悪用しているのを自覚しているからこそ、懸念を表明しているのだろうな。

            

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このページは、不破雷蔵が2018年3月18日 07:58に書いた記事です。

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