2004年放送の『ふたりはプリキュア』からスタートしたプリキュアシリーズが、2018年で15周年を迎えます。シリーズ15周年を記念し、3月4日渋谷にて『プリキュア』感謝祭上映会が開催されました。
会場には『ふたりはプリキュア』より、本名陽子さん(美墨なぎさ / キュアブラック 役)、ゆかなさん(雪城ほのか / キュアホワイト 役)、シリーズディレクター・西尾大介氏、『ふたりはプリキュアSplash☆Star』より、樹元オリエさん(日向咲 / キュアブルーム / キュアブライト 役)、榎本温子さん、シリーズディレクター・小村敏明氏、そして、『プリキュア』シリーズプロデューサーの鷲尾天氏が登壇。
『ふたりはプリキュア』シリーズの映画作品の上映に加え、当時を振り返ってのトークショーが行われました。トーク中には『ふたりはプリキュア』で美墨なぎさを務める本名さんが、思わず涙する場面も……! そんな声優陣の熱い思いがたっぷりと語られた本イベントについて、レポートします。
声優陣が『プリキュア』への思いを語る
『プリキュア』を応援してきたファンへ感謝の気持ちを伝える、シリーズ15周年記念イベント第1回目の会場では、『映画ふたりはプリキュア MaxHeart』(2005)、『映画ふたりはプリキュア MaxHeart2 雪空のともだち』(2005)、『映画ふたりはプリキュア Splash☆Star チクタク危機一髪!』(2006)が3本続けて上映されます。
上映会のあとには、キャスト陣、監督、プロデューサーが登壇。当時を振り返ってのトークが行われました。
まずは15周年を迎えた感想について、本名さんは「私たちと『Splash☆Star』の映画を鑑賞する日が来るなんて想像もしませんでした。私たちの映画が始まって15周年を迎えるというのが、本当に素敵だし、感無量です」と喜びを語ります。
さらに、「目の前のことを一生懸命やってると、良いことって起こるんだなって思いました。今日を新しいスタートにしたいという思いでいっぱいです」とコメントし、涙を滲ませる一幕もありました。
ゆかなさんは「ひとつひとつ形になっていって、プリキュアの日までできました。戸惑いと驚きがありますが、何度でも噛みしめらるくらい嬉しいです」と笑顔で回答。続けて「ずっと応援してくださった皆さんのおかげだと思うので、本当に感謝しています」とファンへお礼の言葉を述べました。
プリキュアシリーズが15周年を迎えたことについての感想を聞かれると、榎本さんは多くの人にプリキュアの名前が知られてきていることを改めて感じたと回答。「プリキュアの日についても、Twitterのトレンドに上がってきて知ったんです(笑)。プリキュア全員のライングループがあるんですけど、誰よりもそこが一番盛り上がってましたね(笑)」。
『ふたりはプリキュア Splash Star』の放送から12年が経ち、現在では3歳の娘を持つ樹元さん。『プリキュア』が大好きな娘には、意外にも自身がプリキュア役だったことを打ち明けられずにいると言います。「お母さんがプリキュアっていうのは照れ臭いのが半分、夢を壊しても嫌だなあと(笑)。今では娘がプリキュアをチェックしてくれていというのもあり、人生いろいろあったなあって思います」と、感慨深げに振り返りました。
“プリキュア愛”は一晩では語り尽くせないトークイベント中には、当時のTVシリーズの映像を観ながらストーリーを振り返るといったコーナーも用意されていました。『ふたりはプリキュア』について西尾監督は、毎話必ず視聴者が感情移入できるシーンを取り入れたと言います。「毎回どんな話にするのか技巧で考えるんじゃなくて、僕らが体験しているがのっかていれば良いなと思い、演出をしていたんです」。
『ふたりはプリキュア』最終話について、本名さんは「本当に最後の最後まで目の前のことに全力で走りきるんだって思いで、ひたすらがむしゃらという感じでした」と振り返り、「西尾さんがいつも隣で支えてくれたり、鷲尾さんもいろんなお話を聞いてくださったり、誰一人欠けることなく大好きな人たちだったので、それがギュッと詰め込まれて、すごい最終話になったと感じました。このあと本当に燃え尽きたんですけど(笑)」と思い出話に花を咲かせます。
西尾監督も、最終話について思い入れの強いシーンだったと続けます。「物理的な力で(敵を)負かしたっていうのはあくまで絵の話で。弱い自分とずっと付き合って行かなきゃいけないっていう、そこに至るまでのプリキュア2人の心情に辿りつきたかったんです」と解説。
ゆかなさんは「親子2代で楽しんで下さっている方や、ずっと長きに渡って楽しんでくださっている方に直接お目にかかるということも私たちにとって励みになりますし、とても嬉しいです」と改めてファンに対して感謝を述べ、「(上映会の振り返りは)一晩中できますね(笑)」とコメント。ファンからは盛大な拍手が沸き起こりました。
ファンとの絆が再確認できた15周年イベント続いて、『ふたりはプリキュアSplash☆Star』より、最終回の映像が流れます。小村監督は「1話から始めたものが、最終話にちょうど繋がっている感じが良かったですね」とコメントし、鷲尾氏は「空気や自然といった、まわりのものに生かされているという、お互いの関係性が出ているシーンです」と説明。
「今観返すとけっこうハードな戦いをしていて。ボロボロになりながらも必死に戦っていました。」と話すのは、榎本さん。「本作が終わった時の喪失感がすごくて、10人ぐらいから一気にふられたような感じ(笑)。オリエちゃんがその時に、『また2人に絶対会えるって信じてる!』って言ってくれて。その後もこうして(イベントに)呼んでいただけて、信じて良かったなって思います」。
樹元さんは、「無我夢中でずっと走り続けていて、プリキュアというシリーズがこんなに長くつづくとは思ってもいませんでした。本当に、心の底からこの作品に携われて本当に良かったって思ってます」と笑顔を見せ、「15年経った今でも夢みたいだなって思っていて、今になって自信になっています。これからもプリキュアを、娘と一緒に応援していきたいと思います」とコメント。
最後に、榎本さんが「今でもたくさんファンが増えているのが、本当に光栄なことだと思います。作品のおだやかさがキャストの中の良さにも繋がって、絆が生まれているんだと思います」と改めてファンへの感謝を述べ、イベントを締めくくりました。
『プリキュア』15周年イヤーを飾る『映画プリキュアスーパースターズ!』は3月17日にロードショーされます。
[取材・文・写真/島中一郎]