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労働新聞 2016年1月25日号・2~3面

2016新春講演会・旗開き

大隈議長が各地で訴え

 党中央委員会に続き、各地で各地方委員会主催による新春講演会・旗開きが相次いで開催された。大隈鉄二・党中央委員会議長が各地で講演、激動の内外情勢を解き明かし、闘う側の展望を明快に指し示した。また、情勢に応え党建設の前進を強力に呼びかけた。各地の新春講演会・旗開きの模様を紹介する。


東海/内外情勢、闘いの方向明らかに/同志、労働者からの発言相次ぐ
 三重県鈴鹿市で一月三十一日、党東海地方委員会主催の新春講演会・旗開きが行なわれた。
 一部では板倉重永・党三重県委員長が開会あいさつを行った。板倉同志は「情勢の進展はめまぐるしく、しかもテレビや新聞で怪しげな見解がどんどん流されている。うっかりするとさまざまな現象に振り回されたり、ことの本質が見抜けず、情勢に立ち後れてしまう。大隈議長の三重県での講演は久しぶりなので、今日はぞんぶんに内外の情勢と闘うべき方向について訴えさせていただきたい。二部の旗開きでは皆さんと懇親を深めて、今年一年の闘う決意を固め合いたい」と新春講演会と旗開きの意義について述べた。
 大隈鉄二・党中央委員会議長の新春講演は約二時間にわたって行われた。講演では、利上げをめぐるイエレン米連邦準備理事会(FRB)議長が、わずか一カ月で見通しを見誤ったことを認めたことを切り口に、「世界経済を長江にたとえれば、その中心を通る水流は米国から中国に代わっている。米国はその大波小波に影響を受ける国となり、日本は『笹船』のようなもの。世界経済の構造が大きく変化し、世界経済は右肩下がりとなっており、『緩やかな回復』などはウソだ」として、こうした難局の中に安倍政権もあることを暴きだした。また、「アベノミクス」について、これがこれまでも不況期に取られた資産インフレ政策と同じで、大企業の生産活動は変動しなくても為替差益で儲(もう)け、一方で労働者の実質賃金を下げ、富を移転させる収奪の政策であること、金融機関はタダ同然で元手を得ていることなどを指摘、安倍政権の経済政策を徹底的に暴露した。そして、連合の春闘方針が「経済好循環」など安倍政権の経済政策と瓜二つであり、連合指導部が安倍政権を支える社会的支柱になっていることを痛烈に批判した。そして、独立をめざす広範な統一戦線を前進させるため、労働運動の中で、党の原則的観点に沿った理論、思想、政治闘争をいっそう強めること、強大な労働党の建設は喫緊の課題として参加した労働者に党への結集を熱烈に呼びかけた。
 二部の旗開きは、浜中正幸氏の乾杯の音頭で始まった。和やかな雰囲気の中で、闘う意欲あふれる発言が相次いだ。来賓として発言した田中智也・三重県議会議員、石川翼・愛知県安城市議会議員からは、力強い連帯と共闘のあいさつを受けた。その後、笹島日雇労働組合の大西豊委員長と、えぐれ笹島さんのアトラクションで盛り上がったあと、沖縄県の辺野古現地で地元の人とともに闘っている富田正史氏からの報告をうけた。最後に愛知、岐阜、三重各県の現場の労働者、同志から報告や決意表明を受けた。「リーマン・ショック後も労働者の状況は深刻。安倍政権は生活保護費、年金などを削減、税金、社会保障費は上がり、追い打ちをかけている。団結して安倍政権を倒そう」「資本主義はますますやっていけなくなっている。労働者には厳しい情勢だが、一面ではすばらしい情勢だ。闘いは広範に起こってくる。労働党の正しい見解を広げていこう」と参加者を激励した。
 閉会あいさつに立った長岡親生・党愛知県委員長は、「激動の世界の中で対米従属の安倍政治は馬脚をあらわしている。低賃金、生活の窮状、不安を抱える国民の間に大企業だけが肥え太る政治に対し、政治に対する怒りが満ちている。労働運動が大きな力を示して登場することこそが求められている。そのために労働党をいっそう強化して、大きな役割が果たせるようにしたい」との決意を明らかにした。
 旗開きは、最後に参加者全員でインターナショナルが斉唱され、熱気あふれる旗開きとなった。


近畿/各界から激励と連帯のあいさつ/強大な党建設へ決意打ち固める
 党近畿地方委員会の新春講演会・旗開きが一月三十日、大阪市で開かれた。
 冒頭、主催者を代表して川崎正・党大阪府委員長が開会あいさつを行った。
 川崎同志は、昨年における大阪、京都、兵庫各府県の活動に触れた後、「昨年、安保法案に反対する多くの国民や沖縄県民の闘いが安倍政権を追い詰めた。労働運動を中心とする直接行動、国民運動こそ政治を変える力だ」と強調し、「米国追随の安倍政権を打ち破る広い戦線と、激動の時代に役立つ党建設を」を力強く呼びかけた。
 続いて、党中央委員会の大隈鉄二議長が新春講演を行った。
 大隈議長は最初に、「情勢は複雑だが単純化すると一国でも世界でも経済がうまく行かなくなると、一国内の政治も国際政治も争いが激しくなる」など唯物論や弁証法などの視点を紹介。そしてリーマン・ショック後の世界経済や政治に触れ、「以降は、世界経済の相対的安定期はなく、破局が迫っている。そして二〇一二年に『戦争を含む乱世となる』と、闘いに備えるよう呼びかけた」と振り返った。
 そして、「世界経済をけん引してきた中国経済が減速、昨年秋以降、より深刻な新たな危機に突入した」と論断。「昨年十二月米国が利上げしたが、『利上げできるまで米経済が回復した』という評価は正しくない」と指摘、続けて、「なぜなら日欧の金融緩和継続があったからこそ米国が利上げできた」「中国が台頭し、米国の力が低下した」「かつての世界経済二位の位置は対米協調の日本であったが、今は米国と争う中国である」など、世界経済の構造が大きく変化していることを明らかにし、「新たな危機に突入し、いくつかの国や地域ではテロ、紛争、内乱、難民問題などが表面化し、経済どころではない。この傾向は拡大する」と世界情勢を展望した。
 また、一九六八年のフランス「五月危機」や沖縄県民の闘いを紹介しながら、「事態を決するのは選挙の道ではなく、労働者の断固たる闘いだ。百万票増えても政権は揺らがないが、百万人の労働者がストをすれば揺らぐ」と訴えた。
 国内情勢では、「金融緩和の『アベノミクス』はインフレ政策であり、労働者国民から富や所得を収奪し大企業に移す政策で、好循環などない」と暴露した。最後に、「世界中の紛争を画策している米帝国主義との闘い、安倍政権の売国性、労働運動・連合問題を政治思想上重視する」「労働者の具体的要求を第一に、農民や商工業者の要求や闘いを支持発展させる」「強大な労働党建設」など闘いを強く呼びかけ、講演を締めくくった。
 第二部の旗開きでは、自主・平和・民主のための広範な国民連合の佐々木道博・代表世話人の乾杯の音頭でスタートし、歓談を交えながら、各界から来賓あいさつが行われた。武洋一・全日建連帯労組関西生コン支部書記長、角替豊・元京都府議会議員(公明党)、稲垣浩・釜ヶ崎地域合同労働組合執行委員長、高塚伴子・兵庫県伊丹市議会議員などから、新年の決意と連帯の熱い思いが語られた。
 続いて、大阪と兵庫各府県党の同志から、この間の活動と今年の決意が述べられた。
 閉会あいさつで、由良隆・党京都府委員長は、「議長の講演で、より深刻な新たな局面になったとの指摘があった。問題は激動の情勢に応えうる党組織をつくれるか、日米関係を転換する広い戦線をつくれるか問われている。この課題に全力で取り組みたい」と決意を述べた。
 参加者一同によるインターナショナルが高らかに斉唱され閉会した。


九州/風雪突き、闘いへの意気上がる/「いよいよ情勢がきた」との声
 党九州地方委員会主催の新春講演・旗開きが一月二十四日、福岡市において各界の来賓や支持者、同志の参加の下、開かれた。
 第一部の新春講演会は、党九州地方委員会の渡辺浩同志の開会あいさつで始まった。
 新春講演は、中央での新春講演に続いて、党中央委員会の大隈鉄二議長が行った。
 大隈議長は、初めに、内外情勢について、リーマン・ショック後の世界経済が、「緩やかな回復」どころか、さまざまな起伏を経て、昨年秋以降、新たな危機の局面に入ったと概括した。
 そして、大隈議長は、具体的なデータを使いながら、世界の下部構造の変化が、米帝国主義の弱体化など上部構造の変化をもたらしていること、さらに一部の地域においては上部構造が主要な課題となっていることを鋭く指摘、「まさに世界は『戦争を含む乱世』と主張してきたことが正しかったこと、そして、この傾向はますます広がるだろう」と喝破した。
 また、冷戦以降の世界が、中国、ロシアを含む「特殊な多極化」となる中で、米帝国主義を頂点とした帝国主義との闘いがますます重要になること、テロ問題、朝鮮民主主義人民共和国の核問題などについてのわが党の見解を鮮明に打ち出した。
 さらに大隈議長は、安倍政権との独立をめぐる二つの路線の闘い、与野党や労働運動の現状に対するわが党の評価などについて述べ、連合中央への批判を徹底的に行い、連合内の良識ある人びと、「左派」の人たちと手を組み、中間に位置する人びととも友好関係を拡大しながら戦線を広げることが差し迫った課題だと提起した。
 その上で、「党の建設を緊急な課題としてやり抜く」と強調、「特に労働者階級の意識的、先進的な皆さんに呼びかけて、労働運動を強くし、労度運動の中に革命をめざす政党をつくることを呼びかけたい」と熱烈に呼びかけた。
 最後に、「闘いの先輩、友人、諸政党の内部の、心ある政治家の皆さんに、国の独立の問題をはじめ心を痛めている課題で、いっしょに闘いませんか」と訴え、「党の中央から地方、現場まで団結して闘っていこう」と呼びかけ、講演を締めくくった。
 参加者からは「久しぶりに参加したが、いよいよ情勢が来たのかという気がした」「探し当てれば、党を急速に大きくできる条件がある」「毎月学習していたので話がよく分かった」などの感想が聞かれた。
 第二部の旗開きでは、最初に四人の来賓からあいさつがあった。
 社民党福岡県連合から竹内信明副代表が「今年の参議院選に福岡県選挙区から立候補する。高齢者や子供の貧困の拡大、格差の拡大進める安倍政権を許さない。自民・公明を蹴(け)散らして闘いたい」と決意を述べた。
 次いで原竹岩海・福岡県議会副議長が「集団的自衛権、安保関連法を強引に進めた安倍政権はは許すことができない。有権者年齢が十八歳に引き下げられるが、徴兵制の準備ではないかと恐れている。平和をしっかり守っていくために、命がけでがんばっていく」と訴えた。
 平和・人権・環境福岡県フォーラムの前海満広・事務局長は「大隈議長の労働運動に対する呼びかけを真摯(しんし)に受け止めたい。労働運動を強化するために、忘れない、ダマされない、あきらめない、を胸に刻んで、労働党の皆さんと手を携えていきたい」と述べた。
 李周学・朝鮮総聯福岡県本部委員長は「朝鮮半島情勢についての大隈議長の意見に、感激している。これからも日朝友好親善のためにともにがんばりたい」と語った。
 パーティーでは、北九州の闘いの先輩である山口哲夫氏が乾杯の音頭をとった。
 旗開きでは、JA福岡中央会、佐賀県平和運動センター、「水郷柳川にオスプレイは要らない」市民の会、部落解放同盟福岡県連からの連帯メッセージが読み上げられ、各界からの祝電等と併せて会場で紹介された(別掲)。
 会場では、広島から駆けつけた同志が、岩国での米軍住宅建設反対の粘り強い闘いを報告した。
 また、福教組の支部役員、解雇撤回闘争を闘う労働者、国民連合福岡・大牟田地区懇談会の活動報告、全国一般の労働運動の報告などが続いた。
 閉会にあたって、中村哲郎・党福岡県委員長が、今年の課題として「環太平洋経済連携協定(TPP)反対の労農の連携の推進、沖縄連帯の取り組み、全国地方議員交流会の福岡開催など諸課題を全力を挙げて闘う」と述べた上で、「党建設で前進し成果を上げる」との決意を表明した。
 パーティーは、最後に、全国一般所属の同志による音頭で団結ガンバローを三唱、最後に全員でインターナショナルを斉唱して閉会した。
 この日、九州地方も全域で記録的な寒波と風雪に見舞われた。各地で道路の通行止めが相次ぎ、鉄道など交通機関も大幅に乱れた。このため参加を断念せざるを得ない人も多かったが、各界の来賓や同志たちの熱心な参加で、激動が予想される新年の闘いのスタートとして、九州地方委員会の旗開きは意気高く成功した。


旗開きに祝電・メッセージを寄せた方々(敬称略・順不同)

 【東海】
・衆議院議員 近藤昭一
・社民党愛知県連合代表 山登志浩
・新社会党愛知県本部委員長 保田泉
・三重県議会議員 稲森としなお

【近畿】
・参議院議員 尾立源幸
・社会民主党大阪府連合代表 服部良一
・大阪府市長会会長、八尾市長 田中誠太
・前大阪府議会議員 上の和明
・大阪府豊中市議会議員 酒井ひろゆき
・社会民主党兵庫県連合代表、宝塚市議会議員 梶川みさお
・前大阪府吹田市議会議員 西川たけお
・全日本港湾労働組合関西地方大阪支部執行委員長 山元一英
・連合北播地域ユニオン タワージャズジャパン支部執行委員長 長谷川英明
・部落解放同盟大阪府連合会執行委員長 北口末廣
・神戸市外国語大学、姫路獨協大学名誉教授 家正治
・在日本朝鮮人総聯合会大阪府本部
・在日韓国民主統一連合(韓統連)大阪府本部代表委員 金隆司


【九州】
・・福岡県知事 小川 洋
・福岡県飯塚市長 齊藤守史
・福岡県行橋市長 田中 純
・福岡県筑紫野市長 藤田陽三
・福岡県大野城市長 井本宗司
・福岡県川崎町長 手嶋秀昭
・JA福岡中央会 会長 倉重博文
 本日は、「2016年 新春旗開き」のご盛会を心よりお祝い申し上げます。
私たちは、「なぜTPPの反対運動を行っているのか」ということを国民に理解いただき、引き続き様々な団体との連携を強め、真に「国民の食と農やくらし、そしていのちを守る運動」として、TPP断固反対の運動を貫いていく覚悟であります。

・佐賀県平和運動センター 議長 原口郁哉
 対米従属、日米軍事一体化を許さず、これ以上「国民の合意なき国策」の強要や若者を戦争に駆り立てる安倍政権の暴走に抗し、国民的闘いのうねりをつくらねばなりません。
 私たち平和運動センターは、企業利益のみに固執する安倍政権の暴走政治にストップをかけ、国民が安心して暮らさせる平和で、安全安心な社会の実現に向け奮闘する決意です。
・部落解放同盟福岡県連合会 執行委員長 組坂繁之
 深まる人権と平和、民主主義の危機のなかで、部落解放運動の果たす役割はますます重要です。どのような困難があろうとも、部落差別撤廃に向けた闘いを進めるなかにこそ、過去への責任と未来への希望があります。多くの先達、途半ばで斃(たお)れた仲間の無念の想いをわがものとし、差別からの解放と人間の尊厳を求め続けてきた全国水平社以来の闘いを大きく前進させなければなりません。
 部落解放―人間解放という崇高な使命を自覚し、ともに「よき日」のために全力をあげて闘い抜きましょう。

・「水郷柳川にオスプレイは要らない」市民の会 田中房子
 憲法に「戦争の放棄」を定めている日本に、敵地急襲のためのオスプレイは必要ないものです。戦後70年、集団的自衛権が容認された今こそ、子供たちの平和な未来のためにも「佐賀空港へのオスプレイ配備反対」の声をあげ続け、粘り強く闘います。

・弁護士 津留 雅昭
・参議院議員 大久保 勉
・参議院議員 野田国義
・元衆議院議員 楠田大蔵
・福岡県議会副議長 原竹岩海
・福岡県議会議員 渡辺美穂
・北九州市議会議員 福島 司
・大野城市議会議員 関岡俊実


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