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文科省しつこく 名古屋市教委やりとり公開

 名古屋市立八王子中学校(北区)が前川喜平・前文部科学次官を招いた授業の内容について、文科省が学校側に報告を求めた問題で、市教育委員会は16日、同省の質問と市教委の回答の全文を公開した。文科省は2回にわたってメールで、前川氏が天下り問題で引責辞任したことや、出会い系バーを利用していたとの報道に触れ、前川氏を招いた理由を問いただしていた。

 文科省と市教委側はそれぞれ2回ずつ、質問と回答をメールに添付して送信した。文科省は、前川氏の講演を報じた2月17日付の中日新聞愛知県内版の記事をもとに質問した。市教委側の回答のほとんどは、学校長が作成した。

 文科省は3月1日に送った最初の質問で、前川氏について「文部科学次官という教育行政の事務の最高責任者としての立場にいましたが、いわゆる国家公務員の天下り問題で辞職し、停職相当とされた経緯があります」と指摘。さらに「報道などにより次官在任中にいわゆる出会い系バーの店を利用し、知り合った女性と食事をしたり、時に金銭を供与したりしていたことなどが公になっています」と記述して、前川氏を招いた理由をただした。

 これに対し、市教委側は5日付の返信で「天下り問題は、文科省ひいては国家公務員全体の問題と認識しています」「バーうんぬんについては、良心的な目的であったことが報道されています。いずれも講演依頼の障害になるとは考えませんでした」と回答した。

 文科省は6日付メールに添付した質問でも、「前川氏は天下り問題に直接関与したことが認められ、停職相当とされた」と言及し、「このような責任を問われた方が、道徳教育を行う学校で授業を行ったことについて見解をご教示ください」と聞いた。出会い系バーへの出入りにも触れ「国民から不適切な行動だと言われても仕方がなく、疑われるような行動は取るべきではないといった報道も見られます」などと記した。

 これに対し市教委側は7日付の返信で、「今回の授業は道徳の授業ではありません」「私(校長)が前川さんにお願いしたのは、私がじかにお会いしてお聞きしたお話や、私が感じた前川さんの人となりから判断したもの」などと応じた。

 前川氏は昨年1月に発覚した天下り問題で、文科次官を引責辞任。

その後、学校法人「加計学園」の獣医学部新設をめぐる政府の方針決定過程が不透明だったと指摘し、国会に参考人招致された。

(中日新聞)

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