銀行に眠っているお金は、いったいどこに置いてあげれば覚醒してお金を稼いでくれるのでしょうか? お金にどれくらい働いてもらうかの目安を“お金の覚醒レベル”とし、「レベルⅡ」の前回は専門家の力を借りてお金を覚醒させる方法(=投資信託など)をご紹介しました。今回は、企業の力でお金を覚醒させる「レベルⅢ」にステップアップしていきます。
あなたのお金が毎日出勤!? 株式投資の魅力
眠っているお金を起こして企業で働かせる―これが“株式投資”です。
テレビで見たことのある企業やいつも愛用している商品を作っている企業など、好きな企業を選んであなたのお金を入社させてしまいましょう!
お金を企業で働かせるには企業の発行する「株式」を買うことになります。
その前にまずは株式を買うお金を置いておく場所として、証券会社で口座を開く必要があります。
株式には取引をする場所があって(東京証券取引所など)、日々たくさんの人が売ったり買ったりしています。証券口座を持っていれば、誰でもこの取引に参加できるようになります。
ある企業に自分のお金を入社させたい人が増えて人気になるとその株式の値段が上がり、逆に不人気になれば値段が下がります。この値段がいわゆる「株価」と呼ばれるものです。
企業の株価を左右する人気・不人気は次にあげるようなさまざまな要因で変動します。
<株価はさまざまな要因で変動>
詳しい説明は<こちら>を読んでいただくとして、株式投資の魅力は自分のかわりに毎日お金が働いてくれて、以下のようなお金を稼いできてくれるところです。
★ 値上がり益(キャピタルゲイン)
「新商品が発売される!」「売上が好調!」など、さまざまな要因によって企業が人気になったときに、自分がその企業の株式を買ったときの値段よりも高い値段で買ってくれる人が現れればその差額が利益として手に入ります。
★ 配当金(インカムゲイン)
企業が事業で儲かったお金の一部を、自分が持っている株式の数に応じて受け取ることができます。これが“配当金”と呼ばれるもので、まさに株式を「持っているだけ」で受け取れるお金です。投資する企業を選ぶときには配当がいくらもらえるのか、そもそも配当を実施しているのかどうかもチェックしておきましょう。
★ 株主優待
企業のなかには、投資してくれたお礼に「クオカード」や自社製品の詰め合わせなどをプレゼントする「株主優待」を実施する企業があります。この株主優待を楽しみに投資をしているという人もいるくらい、株式投資の大きな魅力です。株主優待がもらえる時期は企業によってさまざまなので、投資先をうまく組み合わせれば毎月株主優待のプレゼントが届く…なんてことも!?
まずは好きな企業や上でご紹介したようなページのなかから投資先の企業を探してみましょう。銘柄選び・売買のタイミングがうまくいけばお金を銀行に置いておくよりも高いリターンを期待できるかもしれません。
株式を買うときの注意点は?
トランプ大統領の動向、北朝鮮のミサイル発射…など最近は国内外の心配ごとがいろいろありますよね。
お金をより安全なところに置いておきたいという投資家が多くなると、いくら業績が安定している企業でも相場状況により価格が下がってしまうリスクがあります。また、投資先の企業の業績が悪くなると株式を欲しがる人が減って株券の価値が下がったり、最悪倒産すると紙くずになってしまいます。株式投資にはリターンを期待できる一方で常に値下がりのリスクがあることを覚えておかなければなりません。
特定の企業に絞り込むのが怖いなら「ETF」がおすすめ
お金を働かせる企業を選べない…少ない資金でいろいろな企業に投資できないの?という人におすすめしたいのは「ETF」という商品。
ETFとは“Exchange Traded Funds”を略したもので、「上場投資信託」といいます。その名のとおり、取引所に上場している投資信託です。前回の記事でご紹介した「投資信託」のようにたくさんの投資先に分散投資ができます。加えて一般的な投資信託と違って取引所で株式と同じようにリアルタイムで売買が可能です。つまり株式と投資信託のメリットを併せもつ商品といえるでしょう。
ETFは、おなじみの「日経平均株価」をはじめとしたさまざまな「株価指数」に連動するように設計されています。すなわち日経平均株価に連動するETFを買うということは、日経平均株価を構成している日本の代表的な企業225社に分散投資していることになるのです。(自分で225社の株式をそれぞれ買おうとすると、かなり大きな資金が必要になります。)
日銀も買っているETF。人気は上昇中
ETFを使って投資できるのは日経平均株価だけではなく、TOPIXや債券市場、海外の株価指数や金などの現物資産まで非常に幅広く、個人では投資しにくいような資産にも投資できる楽しみがあります。
ETFという単語自体はまだあまりなじみがないという人も多いかもしれませんが、リアルタイムで買えて値動きもわかりやすく、少額から分散投資ができるという点で初心者から上級者まで利用しやすい商品といえるのではないでしょうか。
株式投資をすると、ニュースを読むのが楽しくなる
取引所が開いている時間であれば、自分のタイミング・自分のねらった価格で売ったり買ったりすることができる株式投資。人に任せるよりも自分で戦略を練って、積極的に利益をねらっていきたい人に向いています。株式を少しずつでも買ってみると、日々ニュースで流れてくる日本や海外の政治経済について興味が沸いてくるようになります。お金の知識も自然と身につくようになるので、新社会人にとっては良い社会勉強の場となるでしょう。
まとまったお金がまだないけど、株式投資の勉強をはじめてみたいという人には“デモトレード”からはじめてみるのもおすすめです。みずほ証券のホームページには、架空の1000万円を手に、実際の株価で売買のシミュレーションができる「株式投資とれーにんぐ」(無料)というサービスがあるので、ぜひチャレンジしてみてください!
数回にわたって連載してきた「初任給ではじめる資産形成シリーズ」ですが、次回は最終回「お金の覚醒レベルⅣ」の資産運用をご紹介します!(「お金の覚醒レベルⅣ」につづく)
株式の銘柄選択のポイント例などの情報はこちら(みずほ証券)
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