今春から新入社員として勤務する企業の服装が「ビジネスカジュアル」、または、入社前の内定者懇親会や内定者向け研修時に「ビジネスカジュアル」で来るように指示された・・・
「え、でも・・・ビジネスカジュアルって一体どんな格好なの??」
今まで学生だった方はもちろん、スーツ勤務の企業にいた方も、そんな指示に戸惑うかもしれません。
「ビジネス」でも「カジュアル」でもないスタイル、つまり、その定義は曖昧とも言え、使える洋服の種類も幅広いので、初めてビジネスカジュアルに挑戦する方が頭を悩ませるのも無理はありません。
しかし、そんなビジネスカジュアルも、ポイントを押さえつつ、論理的に考えていけば、決して難しくはありません。
私たちは10年以上に渡り、一般男性向けにファッションコーディネートサービスを提供する中で、お客様から頂戴したビジネスカジュアルに関するご相談やお悩みを数多く解決して参りました。
「ジャケットは着ないといけないの?」
「パンツは何を合わせればいいの?」
など、皆さまが抱える不安やお悩みも様々です。
今回は、初めてビジネスカジュアルにチャレンジされる方にも分かりやすいように、順序立ててビジネスカジュアルの基本をお伝えしていきます。
この記事をお読み頂ければ、新しい環境でスタートを切る際にも恥ずかしくない、また、上司や同僚、取引先の方などから見ても頼りがいのある、ビシッとしたビジネスカジュアルが出来るようになるはずです。
ぜひ、参考にして頂き、着こなしに自信を持って新生活を迎えて頂ければと思います。
「ビジネスカジュアルで」と言われたら、まずは服装規定をチェック!
「ビジネスカジュアルで」と指示された場合、まず、以下2つの「服装規定」をチェックしましょう。
・あなたが勤務する「自社の服装規定」
・自社に来訪される方や、あなたが訪問する「取引先の服装規定」
この「服装規定」を確認することで、どのような服装が許容されているかを判断することができます。
<自社の服装規定について>
まず重要になるのが、あなたが勤務する「自社の服装規定」の確認です。
例えば、「ジャケット着用が必須なのか」「チノパンは穿いてもいいのか」などです。
これらは明文化されていないことも少なくありません。ビジネスカジュアルを導入している企業に勤める際は、出勤する初日までに、総務部や人事部などの労務を担当する部署に、社員の方々の服装について確認しておくことをおすすめします。また、人事異動でビジネスカジュアルを導入している部署に移る際などは、異動先の部署に事前に確認をしておくといいでしょう。
<取引先の服装規定について>
次に重要なのが、自社に来訪される方や、あなたが訪問する「取引先の服装規定」の確認です。
特に、自社の商品を購入頂いていたり、サービスを利用して頂いている、「自社のお客さま」には失礼のないように細心の注意を払いましょう。
商談などの際には、取引先の方の服装を確認しながら、次回以降の着こなしに活かしていくといいでしょう。常に取引先の方の服装よりもカジュアルにならないようにすれば、相手に失礼にあたらず、間違いはないはずです。
初めて訪問をする際など相手の服装が不明な場合は、スーツスタイルで行くと安心でしょう。
目次 [非表示]
1.「ビジネスカジュアル」とは来訪や訪問にも適したスーツよりカジュアルな服装
まずは、改めて「ビジネスカジュアル」とはどんな服装なのかについてご説明します。
ビジネスカジュアルは、ビジネスシーンにおいて、来訪があった場合や、企業への訪問の際にも適したカジュアルスタイルのことを言います。
スーツほどかっちりしていない、ノーネクタイにジャケット、シャツ、パンツ(セットアップではないもの)を合わせるスタイルなどがその代表例と言えるでしょう。
しかし、明確な定義は存在しないので、その許容範囲は各企業によって決められていることが多いようです。
一般的には、ジャケットとシャツの着用が求められるケースが多いはずです。
また、カジュアル度を大きく変える要素としては、パンツにウール素材の「スラックス」を選ぶか、綿素材の「チノパン」を選ぶかということがあります。チノパンを選ぶと、カジュアル度が一気に高くなるでしょう。
そこで、ビジネスカジュアルの代表例を、「ビジネス度」別に以下4パターンお見せします。
(一番左のスーツスタイルは、「ビジネス度」の基準として載せています。詳しくは1-1を参照ください。)
以下で4パターンについて詳しく説明しますので、お勤めになる企業の許容範囲がどの辺りになるのかをイメージしながらご覧ください。
1-1 「ビジネス度100」のスーツスタイル
ビジネスシーンではお馴染みのスーツスタイルは「ビジネス度100」とします。
金融、メーカー、公務員などの堅めの印象が求められる業界ではスーツスタイルが主流となるでしょう。
以下、ビジネスカジュアルのコーディネート例をお見せする際に、スーツスタイルを基準に、ビジネス度がどのくらいなのかをご説明していきます。
1-2 「ビジネス度80」のジャケットスラックススタイル(ネクタイあり)
ジャケットとセットアップではない(ジャケットとは生地が違う)スラックスを合わせ、ネクタイを締めているスタイルです。
ジャケットとスラックスの色や素材感の違いから、スーツスタイルよりは少し柔らかさが出てくるので、「ビジネス度80」となります。
商社や広告業界などは、このようなネクタイを締めたジャケットスラックススタイルから、会社によっては1-3でご紹介するようなネクタイ無しのスタイルも許容範囲に入ることもあるでしょう。
1-3 「ビジネス度70」のジャケットスラックススタイル(ネクタイ無し)
ジャケットとセットアップではない(ジャケットとは生地が違う)スラックスを合わせた1-2のスタイルから、ネクタイを外した着こなしです。ビジネスカジュアルでは、ネクタイを外したこのようなコーディネートもよく見られます。
ネクタイを締めないと、よりカジュアル感が出てくるため、「ビジネス度70」となります。
1-4 「ビジネス度50」のジャケパンスタイル
ジャケットとシャツを合わせるのは上の3つのスタイルと変わりませんが、パンツにスラックスではなく、綿素材のチノパンを合わせています。
スーツやスラックスにはウール素材が使われることが多く、素材がカジュアルスタイルでよく使われる綿素材になることで一気にカジュアル感が強くなります。そのため、「ビジネス度50」となります。
このジャケットにチノパンを合わせるジャケパンスタイルがOKかどうかが、その企業のビジネスカジュアルの許容範囲の境界線になることが多いでしょう。
IT、アパレルなど比較的柔らかい印象の業界では、こういった綿素材のパンツを穿いても問題ない会社が多いでしょう。
2.ビジネスカジュアルのコーディネート例【季節別・ビジネス度別】
2章では、実際にビジネスカジュアルのコーディネート例を季節別にご覧頂きましょう。
おすすめの着こなし例を各季節毎に、また、1章でご紹介した「ビジネス度」別にご紹介していきます。自社と取引先の服装規定を確認頂き、あなたのビジネスカジュアルに該当する「ビジネス度」に近いものを、ぜひ参考にしてみて下さい。
2-1 春(3月~5月)のビジネスカジュアル
春はまだ朝晩が肌寒く感じる日も少なくありません。3月から4月中旬までは寒さ対策も考えて服装を選ぶようにしましょう。ジャケットやネクタイ、シャツなどに明るい色を取り入れると、春らしい季節感も演出できます。
<ビジネス度80>
ネイビーのジャケットにチャコールグレーのスラックスを合わせ、差し色のラベンダーストライプのネクタイでコーディネートしています。春らしいフレッシュな雰囲気で、職場の女性からの好感度アップも期待ができるでしょう。
<ビジネス度70>
上のコーディネート写真のネクタイを外し、シャツの上にライトグレーのVネックセーターを重ねた着こなしです。春先の肌寒さを感じる日には、薄手のセーターが活躍します。
<ビジネス度50>
ライトグレーのジャケット、水色のストライプシャツ、明るいベージュのチノパンを合わせたコーディネートです。
チノパンを合わせているため、カジュアル感が増し、全身を春らしい明るい色でまとめているため柔らかい雰囲気にまとまっています。
もちろん、ジャケットをチャコールグレーやネイビーなどの暗い色にしたり、パンツも黒やチャコールグレーなどの暗い色にしても様になる着こなしです。
2-2 夏(6月~8月)のビジネスカジュアル
夏になるとクールビズを導入する企業も増え、普段はスーツスタイルだけれど、夏場だけはビジネスカジュアルで勤務するという男性も少なくないのではないでしょうか。
クールビズではジャケットやネクタイを着用しないことも多く、より一層カジュアル感が増す傾向にあるでしょう。
夏のビジネスカジュアルのポイントは、崩しすぎないように気を付けて、あくまでもビジネスの場であることを意識するように心がけましょう。
<ビジネス度50>
ジャケット着用が求められる職場の場合には、夏であれば綿素材のジャケットを選ぶと柔らかい雰囲気になり、ウールのジャケットよりも涼しく着ることができるでしょう。
<ビジネス度40>
ジャケットを着ない場合には、襟付きのシャツを着るなど、かっちりしたビジネスシーンにふさわしい印象づくりを心がけましょう。シャツとパンツだけのシンプルな着こなしなので、ボタンダウンシャツや、色糸や色ボタンが使われたシャツを取り入れると、アクセントになってさりげないお洒落さを演出できます。
<ビジネス度30>
クールビズでは、ポロシャツをOKとしている企業もあるでしょう。
ただし、ポロシャツはカジュアルなアイテムで、スーツスタイルでは着ることのないアイテムですので、特にサイズ感などには注意を払って、着崩しすぎず、かっちりとした雰囲気を保てるように気を付けましょう。
また、ポロシャツが暗い色の時にはパンツを明るい色に、ポロシャツが明るい色の時にはパンツを暗い色にして、上半身と下半身で明暗をつけることもカッコよく着こなす時の一つのポイントとなります。
ポロシャツの着こなしについては、以下の記事を参考にしてみてください。
【ポロシャツメンズ着こなし徹底解説!】女性にモテる秘策大公開!
ポロシャツを取り入れた、「ビジネス度」の低いビジネスカジュアルでは、足元をスニーカーにしてもいいでしょう。ただし、スポーティーなものは避け、レザースニーカーなどビジネスシーンでも浮かないものを選ぶとちぐはぐ感は軽減できるはずです。
2-3 秋(9月~11月)のビジネスカジュアル
9月はまだまだ暑い日もありますが、10月中旬、また11月中旬以降で気温がどんどん下がっていく時期となり、秋は気温変動の大きい季節と言えるでしょう。
セーターなどを上手く使いながら、調整をしていきましょう。
<ビジネス度80>
9月以降、ネクタイの着用が求められる場合には、ビジネスカジュアルではジャケットとセットアップではないスラックスを合わせる着こなしが基本となるでしょう。
ネイビーの無地や小紋柄のネクタイは季節や場所を問わず、ビジネスシーンでは使いやすい色・柄です。
<ビジネス度70>
ネクタイをしない、ジャケットとシャツ、スラックスのコーディネートにVネックセーターを加える際に、パープルなどの差し色のセーターを選ぶと、着こなしのアクセントとなり、特に女性からの印象アップには効果的なはずです。パープルやラベンダー、ピンクといった色味は女性が着る洋服にも比較的多く、女性が好感を持ちやすい色と言えるでしょう。
この着こなしは、冬場の「ビジネス度70」の着こなしとしても使うことができます。
<ビジネス度50>
チャコールグレーのジャケットにパンツも色味の少し異なるチャコールグレーのチノパンをコーディネートしています。全体を暗めの色でまとめると、かっちりとした雰囲気に加え、肌寒い秋冬の季節感にもマッチするでしょう。
<ビジネス度50>
ネイビーのジャケットと白シャツ、ベージュのチノパンにチャコールグレーのセーターを合わせています。
ジャケットにシャツだけでは寒い日には、このようなジャケパンスタイルにも、薄手のVネックセーターは活用できます。
<ビジネス度40>
ジャケット着用が必須ではない場合には、シャツとチノパンの上にVネックセーターを重ね着してもいいでしょう。シャツとパンツだけでは少し肌寒く感じるようになってきた時期にはおすすめの着こなしです。
2-4 冬(12月~2月)のビジネスカジュアル
寒い冬の季節の中でも、特に1月から2月初旬は1年で最も気温が下がる時期です。外出の際にはコートが欠かせなくなるでしょう。
室内でも暖かくすることは大切ですが、着ぶくれしないようにするなどスマートな着こなしを心がけるように気を付けましょう。
冬のビジネスカジュアルで使うコートなどのアイテムの説明はこちらの記事で詳しく説明しています。
デキる男の冬のビジネスカジュアル【写真で解説 | 社内&外出編】
<ビジネス度80>
色違いのジャケットとスラックスにネクタイを合わせる着こなしに、Vネックセーターを加えると、色が1種類増えることで、お洒落度がやや上がり、洗練された印象になります。冬の寒い時期にも、温かさも担保されるコーディネートです。
<ビジネス度50>
ライトグレーのジャケットに黒のチノパン、シャツにVネックセーターを合わせた着こなしです。明るい色のジャケットも、インナーやパンツを暗い色にすることで引き締まり、冬場でも浮くことはなくなるでしょう。
<ビジネス度80>
ジャケットとセットアップではないスラックスを合わせた、「ビジネス度」の高いビジネスカジュアルで外出をする際の、コートを着た着こなしです。ネイビーなど暗い色のステンカラーコートは、かっちりした印象で、さらに、ジャケットの着丈など、下に着る服との合わせをあまり考える必要の無い、便利なコートです。
<ビジネス度50>
ステンカラーコートは、ウールのスラックスだけではなく、綿のチノパンなど、どのパンツにも合わせられる万能なコートです。ビジネスシーンにおいては1枚持っておくと便利でしょう。
3.着回しもできる!ビジネスカジュアルで活躍する9アイテム
ビジネスカジュアルで使うアイテムは、スーツスタイルよりは確かに多くなりますが、着回しを考えて揃えれば、実は、そんなに多くのものが必要になるわけではありません。
以下に挙げたのは、ビジネスカジュアルで活躍する代表的な9アイテムです。2章のコーディネート例でもよく登場しているアイテム達です。
選び方などについて簡単にまとめますので、手持ちのアイテムの中で使えそうなものを確認してみましょう。
また、足りないものがあった場合には、買い足す際の参考にしてみてください。
3-1 ジャケット
男性のビジネスカジュアルにおいては、主役に近いアイテムと言っても過言ではないジャケット。ジャケットは選ぶ際に「色・柄」「サイズ」「素材」に気を付けることで、大人っぽい頼りがいのあるスタイルを作り上げるのに一役買ってくれることでしょう。
それぞれについて以下にまとめます。
「色・柄」:色は、暗い色の場合はネイビーやチャコールグレー(暗いグレー)、明るい色の場合はライトグレー (明るいグレー)がベーシックで使いやすいでしょう。初めてビジネスカジュアルに挑戦する場合は、暗い色からチャレンジすると、他のアイテムと合わせやすくておすすめです。柄は、無地を選ぶと他のアイテムと合わせやすく、簡単に大人っぽい印象を作りやすいでしょう。
<ネイビーのジャケット>
<チャコールグレーのジャケット>
<ライトグレーのジャケット>
「サイズ」:体型に合ったジャストサイズを選ぶようにしましょう。男性の多くが、機能性や動きやすさを重視して大きめのサイズを選びがちのようです。大きすぎるジャケットは、野暮ったく頼りない印象になりやすいので、注意が必要です。
「素材」:素材は、1年を通して使えるものとしてはウール素材、春夏に季節感を出す上では綿素材のジャケッ
トがおすすめです。天然素材のアイテムは大人っぽく上質な印象を醸し出してくれます。
ジャケットの選び方についてより詳しく知りたい方は、以下も参考にしてみてください。ジャストサイズのジャケットを選ぶコツにも言及しています。
これさえ覚えておけば安心!メンズジャケット最強の1着の選び方
3-2 シャツ
シャツもビジネスカジュアルでは登場頻度の多いアイテムでしょう。
選ぶ際には、やはり「色・柄」「サイズ」「素材」に気を付けて選ぶことが大切です。
「色・柄」:シャツは最初の1着であれば、白や水色などの明るい色が合わせやすくておすすめです。また、薄いラベンダーやピンクなどの柔らかい色は、女性に好印象を与える上で効果的です。柄は無地や細めのストライプがビジネスシーンでの定番とされていて取り入れやすく、チェックなどはよりカジュアルな印象になるので、TPOに合わせて使い分けるといいでしょう。
<白シャツ>
<ピンクのシャツ>
<ネイビーのストライプシャツ>
「サイズ」:ジャケット同様に、体型にフィットしたジャストサイズのものを選びましょう。ジャストサイズ選びには基準となる部位がありますが、以下のページで詳しく説明しています。シャツの選び方についても、詳細についてはこちらを参考にしてみて下さい。
基本3つを押さえるだけでマスター!自分に合ったワイシャツの選び方
「素材」:綿100%がおすすめです。最近は機能性に優れた合成繊維のシャツも増えていますが、綿100%
のシャツは柔らかい印象になるとともに、大人っぽい雰囲気も醸し出してくれます。
3-3 ネクタイ
夏のクールビズの時期以外は、ビジネスカジュアルにネクタイを取り入れることも少なくないでしょう。
ネクタイを選ぶ際には、特に「色・柄」がポイントとなります。
「色」:「暗い色」「明るい色」「差し色」の3つの種類に分けて考えましょう。
ネイビー、こげ茶などの暗い色は、かっちりとした印象に、また、ベージュや水色、ライトグレーなどの明るい色は、柔らかい印象になります。ラベンダーやパープルなどの差し色は、よりおしゃれで華やかな印象になります。
「柄」:「無地」「小紋」「ストライプ」の3種類に分けて考えるといいでしょう。無地や小紋柄はベーシックで落ち着いた、ビジネスシーンにおいて万能な柄と言われています。一方で、ストライプは色数が多いことから、やや柔らかい印象を演出できるでしょう。
写真の上の段は「無地」、中段は「小紋柄」、下の段は「ストライプ」のネクタイです。それぞれ、左から右へ
順に「暗い色」、「明るい色」、「差し色」となっています。これらの中からバランスよく色・柄を選べば、いつも
同じという印象にはなりにくいはずです。
ネクタイの結び方や選び方をまとめたページもありますので、必要に応じてご参照ください。
新社会人はこの結び方をマスターしよう!ネクタイ結び方・選び方をスタイリストが解説
3-4 パンツ
ビジネスカジュアルは、合わせるパンツによってもその印象はがらりと変えることができます。
よく使われるのは、ウール素材のスラックスと綿素材のチノパンです。やはり、いずれもジャストサイズのものを選ぶことが重要ですが、「色・柄」もポイントとなります。
3-4―1 ウール素材のスラックス
かっちりとしたビジネススタイルならウール素材のスラックスを選びましょう。
ジャケットと同様に、ネイビーやチャコールグレーなどの暗い色、そして、ライトグレーのような明るい色が定番です。まずは暗い色から挑戦すると、着こなしを考えるのも比較的簡単です。
ジャストサイズ選びの点では、太もものサイズが太くなり過ぎないように注意しましょう。
3-4-2 綿素材のチノパン
チノパンが許容範囲とされている場合には、チノパンを取り入れるとビジネスカジュアルの着こなしの幅がかなり広がります。
チノパンは明るい色と暗い色のどちらも合わせやすいので、バランスよく持っていると使い勝手がいいでしょう。明るい色の代表例はベージュ、また、暗い色であれば黒やチャコールグレーがおすすめです。
チノパンもジャストサイズのものを選ぶには、太ももがポイントですが、スラックスよりもやや細身を選んだ方がきれいなシルエットになります。
チノパンの選び方について詳しく知りたい方は以下も参考にしてみてください。
大人カジュアルからデートまで!チノパンの選び方をシーン別にご紹介
3-5 セーター
秋や冬の寒い時期のビジネスカジュアルには薄手のセーターが活躍します。
セーターの襟元のデザインはVネックやクルーネック(丸首)があります。どちらも使い勝手はいいですが、
ネクタイをしてセーターを着る場合にはVネックセーターの方がおすすめです。ネクタイの結び目部分がVネックセーターのV字に空いた部分にきれいに収まりやすいためです。
選び方については、「色・柄」「サイズ」「素材」がポイントです。
「色・柄」:かっちりとした印象にするならチャコールグレーや黒などの暗い色を、柔らかい印象にするならライトグレーやベージュなどの明るい色、また、少しお洒落な印象にするならパープルやラベンダーといった差し色のセーターも選択肢に入れるといいでしょう。
<暗い色のセーター例>
<明るい色のセーター例>
<差し色のセーター例>
「サイズ」:ジャストサイズがすっきりとした大人の着こなしには重要なポイントです。胸・お腹・着丈がだぶ
つきすぎたり、長すぎたりしないように注意しましょう。
「素材」:ウール素材を選べば、夏以外の季節は使えることが多いです。春夏は、季節感を醸し出すために綿素材のセーターを選ぶのも一つの手です。
薄手のセーターの選び方については以下に詳しくまとめていますので、参考にしてみてください。
メンズVネックセーターの選び方をマスターして、目指せ!オタク卒業
3-6 コート
冬のビジネスカジュアルでは外出時にコートが必要になりますが、おすすめはステンカラーコートです。
襟元は閉じていて、着丈も長いデザインなので、下に着ているジャケットなどとのバランスを考える必要もなく、コーディネートが簡単です。
表面積が大きく、明るい色や鮮やかな色を選ぶとかなり目立ってしまうため、やはり、ネイビーやチャコールグレーなどの暗い色がビジネスシーン向きでしょう。
スーツスタイルや、プライベートでのジャケパンスタイルにも合わせられる、かっちりとしたコートですので、どんなシーンでも大人っぽく着こなせるウール素材を選ぶとさらに効果的です。ポリエステルなどの合成繊維のものは、かなりビジネスっぽい印象になるため、カジュアルなジャケパンスタイルに合わせるとちぐはぐ感がでる可能性もあります。
ステンカラーコートの詳しい選び方については以下のページも参考にしてみてください。
モコモコダウンはNG!この冬着るべきステンカラーコート着こなし術
3-7 靴
ビジネス度の高い、ウールのスラックスを合わせる着こなしの際には、革靴を合わせましょう。スーツスタイルで使っている革靴がある場合は、それを使ってもいいでしょう。
チノパンを合わせるようなビジネス度の低いスタイルの時には、スニーカーも場合によってはOKですが、あまりスポーティーなものは避けるようにしましょう。レザー素材のスニーカーなどは、かっちりとビジネスっぽい雰囲気にもなるので、おすすめです。
革靴にしても、レザースニーカーにしても、色は柔らかい印象にするならこげ茶、また、しっかりと堅い雰囲気にするなら黒を選ぶといいでしょう。また、明るめの茶色の靴は、全身の着こなしから見ると浮いてしまう可能性もあるので注意しましょう。
3-8 ベルト
ビジネスシーンでは、靴とベルトの色を合わせるのが統一感のあるすっきりとした着こなしのコツとなります。ビジネスカジュアルでは、黒よりもこげ茶の靴の活躍の場面が多くなるでしょうから、こげ茶のベルトは1本あると便利です。
ベルト幅は3.5㎝前後のものを選ぶとバランスがよくなりやすいです。スーツ用は3.0cm前後、カジュアル用は4.0cm以上となりますので、あまり細すぎたり、太すぎるとちぐはぐな印象になりかねませんので気を付けましょう。
ビジネスシーンのベルト選びについては以下のページでまとめていますので、ぜひ参考にしてみてください。
ビジネスシーンに最適!ベルトの選び方5つのコツとコーディネート例
3-9 バッグ
最後にバッグです。
ビジネスシーンでふさわしいとされるバッグは、手持ちのタイプのバッグでしょう。
最近は機能性に優れたリュックやショルダーバッグもよく見かけますが、ジャケットの肩部分の消耗につながる可能性もありますので、注意が必要です。
よりかっちりと大人っぽく見せるには、レザー素材のバッグが適しています。ただし値段が張るものも多いですので、ややスポーティーな印象にはなりますが、ナイロン素材のものも選択肢に入れてもいいでしょう。
4.ビジネスカジュアルでの気を付けるポイント
ビジネスカジュアルを大人っぽく、また、カッコよく着こなす上で押さえておくべきポイントが2つあります。
以下の2つを、ビジネスカジュアルに挑戦する際にはぜひ心がけてみてください。
4-1 清潔感のある着こなしでイメージアップ
一般的なビジネススタイルであるスーツに比べて、ビジネスカジュアルはカジュアル感が強くなるため、「清潔感」にはより気を付ける必要があります。
ビジネスの場でも堅苦しくなく、仕事がしやすいように機能性や着心地を重視している傾向もあるでしょうから、ともすると、だぼっとしてだらしない、またはシワシワよれよれの服装を身に着けてします危険性もあります。
しかし、それではビジネスで仕事を共にする相手からは「頼りない、仕事ができない人」という印象を持たれかねません。
自分の仕事のしやすさばかりで服装を選ぶのではなく、相手から見た印象がどのようになるのかという視点も忘れないようにすることが大切でしょう。
そもそも「清潔感のある服装」がよく分からない、という方は以下の記事に詳しく書かれていますので、参考にしてみてください。
もう「清潔感がない」とは言わせない!大人の男のモテる服装とは?
4-2 合わせるアイテムのカジュアル度合を統一しよう
ビジネスカジュアルは、スーツスタイルと違って、セットアップではないジャケットとパンツを合わせるなど、使うアイテム数も多くなるため、全身のトータルコーディネートにも気を付ける必要があります。
そのためには、カジュアル度合があまりにも違うアイテムは合わせないことが重要です。
スーツであれば自然と上半身と下半身の服装の統一感がとれていますが、上半身と下半身などで別々のものを合わせる場合、その統一感がなければ、全身トータルでの印象がちぐはぐになってしまう可能性があります。
例えば、ジャケットとシャツにネクタイありのかっちりとした着こなしに、ジーパンなどのカジュアルなパンツは合わせるのが難しいですし、夏にジャケットを着ずにポロシャツを着て、パンツにかっちりとしたウールのスラックスを合わせるのもチグハグ感が出てしまう可能性が高いです。
全身のコーディネートを鏡で確認するなど、意識をするように気を付けるだけでも変わってくると思います。
5.ビジネスカジュアルQ&A集
ここでは、ビジネスカジュアルについて、多くの男性が「これってどうなんだろう?」と疑問や不安に思うであろう内容を5つ、Q&A形式でまとめていきます。
弊社のお客様からもよくご質問頂く内容ですので、気になったことがあれば、ぜひ参考にしてみてください。
5-1 ジャケットは必ず着ないといけない?
ビジネスカジュアルを取り入れている企業では、ジャケットとシャツの着用が必須となっていることが多いようですが、最初にご説明した通り、まずは自社と取引先の服装規定を確認してみましょう。
もし、ジャケット着用が必須でない場合にも、Tシャツなどはかなりカジュアルな雰囲気になってしまいますので、襟のあるシャツや、夏場でもポロシャツを選ぶと、カジュアルになり過ぎず、ビジネスの場でもよりふさわしい服装になるでしょう。
ご自身の着心地や動きやすさだけではなく、ビジネスシーンでお会いする方がどのような印象を抱くかということに意識を向けることがポイントです。
5-2 スーツのジャケットをそのまま使ってもいい?
基本的にはスーツのジャケットだけをそのままビジネスカジュアルの着こなしに使うことは避けた方がいいでしょう。
スーツのジャケットは着丈が長くなりがちなことに加え、下に合わせるスラックスとの生地の厚さや風合いの
微妙な違いが、着こなしを全身で見た時の違和感につながる可能性があります。
色の違うスーツ2着のジャケットとスラックスの組み合わせを変えて着るという方もいるかもしれませんが、その際には、生地の厚さや風合い、サイズ感が極力近いもの同士を合わせることがポイントとなります。
5-3 カジュアルシャツやボタンダウンシャツは着てもいい?
白や薄い水色などの無地の綿素材のシャツであればカジュアルシャツでも使えないことはないでしょう。
また、ボタンダウンシャツもOKです。
仕事時とは差別化するために、プライベートでチェックなどの柄が入ったシャツを着ている方も少なくありません。しかし、色がいくつか入った柄物のシャツはかなりカジュアルな印象になるため、ビジネスシーンでは避けた方がいいでしょう。
また、ボタンダウンシャツはもともとポロ競技用のウェアから始まっているので、カジュアル感が強く、ビジネスカジュアルの着こなしには合っているシャツです。
ただし、ボタンダウンシャツにネクタイをするのは注意が必要です。ネクタイやジャケットがフォーマルなアイテムなのに対して、ボタンダウンシャツはカジュアルな印象のアイテムですので、合わせるのがやや難しくなります。
ボタンダウンシャツの使い方などについては以下のページで詳しく説明していますので、参考にしてみてください。
ボタンダウンとは?ビジネス・プライベートの正しい着こなしと選び方
5-4 ジャケットの代わりにカーディガンはおかしくない?
かなりカジュアル感が強くはなりますが、自社や取引先の服装規定で、ジャケットが必須になっていなければ、取り入れてもいいでしょう。
シャツの上に羽織る場合は、カーディガンの前のボタンの一番下以外は全て留めて着た方が、かっちりとしてビジネスシーン向きでしょう。スーツのジャケットは一番下のボタンは飾りボタンなので、留めないで着ます。これに習うと、カーディンガンの着こなしもバランスがよくなります。
カーディガンの上手な使い方については、以下のページでまとめていますので、ぜひ参考にしてみてください。
春秋の肌寒い時に活躍!女性から好印象のカーディガン着こなしのコツ
5-5 ジーパンやスニーカーは、はいてもいい?
ジーパンもスニーカーもかなりカジュアルなアイテムです。服装規定を確認して、取り入れても問題ないことが分かったとしても注意が必要でしょう。
ジーパンであれば、ダメージや加工の少ない暗い色のもの、かつ、細身のタイプを選ぶと比較的きれいめなスタイルになります。ダメージや加工が目立つものや明るい色のもの、だぼっとしたゆとりのあるタイプはさらにカジュアル感が強くなるのでビジネスシーンでは避けることをおすすめします。
また、スニーカーもスポーティーなタイプは避けましょう。3-7でご紹介したように、レザー素材の細身のタイプで、こちらもこげ茶や黒、ネイビーなどの落ち着いた色のものを選んだ方が、落ち着いていて、大人っぽく決まります。
6.ビジネスカジュアルのアイテムを買うのにおすすめのお店3選
ビジネスカジュアルのアイテムで買い足したいものがある時などに、おすすめのお店を3店舗、厳選してご紹介します。
社会人になって間もない方でも購入しやすい価格帯のお店から、ちょっと貯金と経験も積み上がり、大人のデキる男を演出してみようと思う際におすすめのお店まで取り上げてみました。
ぜひ、参考にしてみてください。
<ORIHICA(オリヒカ)>
大手スーツ量販店の青木が展開するブランドで、ビジネススーツやフォーマルスーツの他、カジュアルスタイルも充実しているのが特徴。あらゆるシーンに対応できるように、1着で3通り着こなせる「1×3(ワンバイスリー)」という着こなしを提案しています。1着のスーツをビジネスカジュアルやプライベートでも着回せるように提案してくれるので、ビジネスカジュアル用のあらゆるアイテムの品揃えも豊富です。価格もジャケットで1万円程度から手に入るので、若い方も買いやすいでしょう。
ORIHICA(オリヒカ)のホームページ
https://www.orihica.com/
<トゥモローランド>
渋谷、丸の内、新宿、大阪、京都、名古屋やその他大都市に店を構えるセレクトショップです。30代、40代の大人の男性から主に支持されています。人は少し違う洗練されたアイテムや、トレンド押さえたアイテムが揃います。スーツスタイルからカジュアルスタイルまで取り揃えています。ジャケットで4万円前後からと少し値が張りますが、社会人としての経験を積んで、お金にも余裕が出てきた頃に、上質なものを・・・という際には利用してみてもいいでしょう。
トゥモローランドのホームページ
http://www.tomorrowland.jp/
<伊勢丹メンズ館>
新宿にあるデパートで、地下1階から8階まで全て男性向けのアイテムが揃っています。品揃えも非常に豊富で、その数は日本最大級と言われています。ジャケット、シャツ、チノパン、スラックス、セーター、靴、ベルト、バッグなどビジネスカジュアルで使うアイテムは全て揃っています。やはり、ジャケットで4万円前後くらいからとなっています。
ただし、色々なフロアのブランドに分かれて様々なアイテムが点在しているので、慣れるまでは、最適な1点を選ぶのが大変かもしれません。
ジャケット、スラックスとチノパンは5階、シャツとベルトは1階、靴とバッグは地下1階に比較的多くあるので、参考にしてみてください。
伊勢丹メンズ館のホームページ
http://isetan.mistore.jp/store/shinjuku/mens/index.html
7.まとめ
定義が曖昧で、正解がわかりにくいビジネスカジュアルの服装については、頭を悩ませる男性も少なくないでしょう。
今回の記事では、初めてビジネスカジュアルに挑戦する男性にも分かりやすいようにビジネスカジュアルの基礎をお伝えするように心がけてきましたが、少しイメージは湧いてきましたでしょうか?
自社と取引先の服装規定をチェックして、あなたに求められる「ビジネス度」を確認したら、あとは、2章の着こなし例を参考にして少しずつチャレンジしてみれば、決して難しすぎることはありません。3章で、手持ちのアイテムで使えるものとそうでないものを見極めてみましょう。
慣れるまでは、なかなか自信が持てないかもしれませんが、きっと周りからの反応は良くなるはずです。
ご自身の着心地や動きやすさだけではなく、常に、全身トータルで見た時の、相手からの印象を考えながらコーディネートを考えていくことが大きなポイントの一つになります。
ぜひ、今回お伝えした内容を参考に、頼りがいのあるデキる男のビジネスカジュアルを実践いただければと思います。