http://b.hatena.ne.jp/entry/s/anond.hatelabo.jp/20180316000039
元の話題とはまたちょっと筋がずれるんだけど、コメントには「ポリコレ的な規制論は、いつ自分の大切なものに向けられて、自分が喪失する側になるかわからんのだから慎重にしないとダメだよ」系の意見が結構たくさんついてる。諸刃の剣だとか、自分の庭を荒らされる覚悟とか、言葉は違うけれど。この記事は、そういうコメントに対する記事だ。
そういうコメントの気持ちは分かるし、自分の大事なものに置き換えて共感できる能力は素晴らしいと思う。だけどちょっとまってほしい。
世の中には、コメント欄のみんなが思いもしないような「大切な趣味といえるものがなんにもない人」って結構な割合でいるんだよ。マジで。
「趣味はXXXです」って自己紹介する人の中にだって結構いる。そういう人だって仕事と家事と食事と睡眠意外しないわけじゃない。漫画やテレビや映画や行楽にいくこともあるし、なんだったらあみぐるみを作ったりソシアルダンスをやってたりする可能性もある。世間から見て多趣味に思われてたりすることさえある。
でも、「XXXが好きでやってます!」って自称しているそのXXXを、法なりなんなりで禁止されたとしても、たいしてダメージをうけない人はいるんだよ。少なくとも生きがいとかそういうレベルでは全く影響を受けない、暇つぶしを変えなきゃね程度の人間ってのは、社会に結構な割合で存在する。
おそらく、そもそも「趣味」とか「好き」言う言葉の定義が違うんだと思う。
そしてそういう人は、他人が生きがいやら打ち込んでることをもってることに共感できないから、平気で禁止に同意するよ。両親がそういうタイプで、親から見てマイノリティな趣味を禁止される子供なんてざらにいる(「趣味なんて他にいくらでもあるでしょ」って言う残酷な言葉は、実際世の中には溢れてるよ)。
だから「大事なものがあるはずだ」ってのを無前提に敷衍することは危険だ。
「BLは好きだけど男の読むエロ漫画は嫌いなんで規制しろ」なんてダブルスタンダードは、たしかに問題だし醜いけれど、割合としてはそう多くはないんじゃないかなあ。
水面下に隠れてて巨大なのは「かけがえがなくて人生の支えになるような趣味なんてものは、私には存在しないし、そんなものなくても実際こうして生きていけている(暇を潰せる娯楽も娯楽ジャンルも無数にある)。だからそもそも特定のジャンルを滅ぼしていけないとは思わない。むしろそんなもので他者が不快になるなら片っ端から禁止や規制しても問題はまったくない」と思う人々だと思う。
たとえば「エロ漫画は性的搾取ジャンルだから規制したほうがいい」って発言する人が100人いた時、そのうち何人が「エロ漫画を規制しても私の生きがいのジャニーズは規制されないだろう」なんて甘い見込みでいってるのか? っていえば(もちろんこの甘さはそれはそれで問題だけど)1割もいないと思うんだよ。大多数は「趣味嗜好なんていくらでもあって代替可能なものなのだから、他人が不快に思うような趣味嗜好は譲っても(つまりは禁止しても)構わないと考える」人々だとおもう。
そういう人々には「あなたの大事なものがいつ規制されるかわからないんですよ」なんていっても、たぶんのれんの腕押しなんだよ。「そうだよ?」って言い返されるだけだもの。
ここにこんなこと書いてもそういう人には届かないと思うし、過去の経験から言ってもほんとうの意味で理解してもらえたことがないので、この件では無力感がつよいんだけど、書かずにはいられなかった。
最後に繰り返しになるけれど、大事な趣味や、打ち込めるものや、生きがいや支えがある人、熱狂できる何かがある人は素晴らしいと思うよ。自分の大事なものを他者の大事な物に置き換えて共感できる能力は尊いよ。そこは本当にそう思う。そういう人を批判する記事ではないからね。ただそういうのが通用しない人ってマジで居るんだよという話。
漫画村使ってるやつの思考もこれだよな。 漫画村のせいで作家が漫画描かなくなっても、過去の漫画読むかあるいはYouTubeで映画でも見れば良いじゃんくらいに思ってるから、漫画家が必...
漫画家はいっさいの著作権を侵害していないと? 過去の作品のストーリーどころか絵の書き方すら誰かの模倣でしょう? んでそのへんの積み立ててきたノウハウや学習法が違法ではない...
法整備して逮捕できるようにすればすむだけだからなあ