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米フロリダ州マイアミにあるフロリダ国際大学(FIU)付近で3月15日午後、建設中の歩道橋が崩落し、下を走行中の自動車が巻き込まれて複数の死者が出た。米国で注目を集める橋梁の高速施工法「ABC(Accelerated Bridge Construction)」で建設していた。米運輸安全委員会(NTSB)が原因を調査している。
歩道橋の構造形式は斜張橋とみられる。崩落したのは橋長98mの橋のうち、幹線道路(Southwest 8th Street)をまたぐ延長53m、重量950tの部分。事故の時点で、斜張橋の主塔やケーブルは設置されていなかったようだ。支保工の有無も不明だ。
ある橋梁技術者は、次のように指摘する。「完成すると斜張橋になる橋を、単純桁で架けた時点で崩落した事故だと考えられる。トラスの格点の耐力が不足していたのではないか。主塔がある方のトラスが完全につぶれているので、この部分が弱点になったと推察できる」。