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自民党和田議員のNHKへの圧力記事は看過されてはならない

 自民党和田議員が、「NHKは終わった( http://blogos.com/article/283885/ )」と題するブログを記載し、アップされています。

 この中で和田議員は、桑子アナの「財務省は簡単に三途の川を渡る組織ではないという話が印象的でした」というコメント、有馬キャスターの「誰のどんな指示があったのか」とのコメントを取り上げ、

「NHKは印象で報道する放送局なのだろうか?この番組のコメントはいつも安易すぎる。これまでNHKが良くなればと、内々にNHKの元同僚には『事実に基づいたコメントが当たり前では。大丈夫?』と指摘してきたが、もうNHKは終わった。」

とあげつらっています。

 しかしながら、上記の桑子アナ、有馬キャスターのコメントはいずれも極めて常識的なものとしか思えず、私は何の問題も感じません。そもそも事実に対して自分の意見を言うのがコメントであり、事実だけを述べるのは事実の列挙であってコメントではありません。和田議員に対して、「この程度のコメントがいけないなら、いったい何がいいんですか?要するにNHKはニュースにおいては、一切コメントを述べてはならず、ただ事実だけを述べなければならないと、そういう事ですか?」と聞きたくなります。

 その上で、この程度のコメントはNHKニュースに限らず、様々な放送局の様々なニュースでなされていますが、それに対して和田議員は一切批判していません。つまりは和田議員のこの不可解な批判は、要するに「NHKは、私(和田議員)の気に入らないコメントは一切述べてはならない。」と言っていると取られても仕方ないものと思います。
 この様な主張は、マスコミというものの存在を頭から否定し、言論の自由、国民の知る権利を完全に害するものでしょう。

 しかも氏は、あろうことか、

「こうした放送は、国民のためにならない。受信料制度もNHK予算も抜本的な制度見直しと改革が必要であろう。予算委員会で質問の機会があれば、NHK会長に出席いただき、理事や外郭の役員給与が高いこと(しかも直前がNHK職員であれば、退職金+理事報酬or役員報酬、渡りもOK)など、受信料制度の中でこれで良いのかと疑問に思う部分をはじめ、しっかり質問したい。」

とまで述べています。

 いうまでもなく氏は、政権与党である自由民主党広報副本部長を務めています。NHKの職員や外郭団体や役員給与が高い事が問題だと思うなら、その問題を、そのままの形で党内でも国会でも問題提起すればいいのであり、桑子アナや有馬アナのどう見ても問題がないとしか思えないコメントと関係づける理由が全く理解できません。

 氏が唐突にNHKの職員や外郭団体や役員給与が高いことを持ち出したのは、自分の気に入らないコメントを流したNHKに対して、公然たる圧力をかけたいからであると取られてもやむを得ないと思います。

 この様な氏の主張は、政府から独立した公共放送であるNHKの在り方を根本から否定し、ひいては民主主義国家の根幹たる言論の自由を危うくするものであり、決して看過されてはならないものだと私は思います。

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